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悲しくなるって、なんで?
[不思議そうに瞬いて、問う。
視線の動きの意味などは理解の範疇を越えていると見て間違いなさそうで]
んー、俺にとっては、かな?
俺にとっては、越えるべき人って、他にいないしね。
……あ、怖い云々は、師匠には内密にって事で一つ。
[にぱ、と笑いつつ、冗談めかしてこんな事を言い]
[昨日は楽しかったと子供は思った。
たくさんの人、たくさんの声。
いっぱい話した。
いっぱい笑った。
子供は今日も笑顔を灯した。]
熊さんにも何かお名前つけないと……?
[何が良いかな、と首をひねる。
答えは出なかったから、とりあえず熊をぎゅうとした。]
…まぁ…体型、の、事よ…
[…その不思議そうに問うユリアンには慣れてるのか…少し悩んで口にする]
越えるべき、人…
…今は…あたしにも、居ない、かな。
ランプを作ってる人、って、そんなに多くないみたいだし。
[そういうランプを作っている者の名前を聞かないためか、軽く頬を掻き…
小さく笑った]
…分かってる…あたしも、わざわざ…恐い思い、したくないし。
[テントの中でぼんやりしているうちに、すっかり日も暮れてしまったらしい。少女は、既に完璧に居眠りしている自衛団の若者を起こさないように、そーっと外に出た。先刻ユリアンのオカリナが聞こえた気がして、広場の方を見る]
[それから、洋服を着替える。
そのとき、子供は首を傾げた。
何に違和感を持ったのか、
しかし、すぐに部屋を出た。]
いってきます。
[まだまだ屋台は出ているはずで、
子供はとことこ、ぴょこぴょこ、
楽しみに、外に出た。]
体型……ねぇ。
[そんなに気にするモンなのかな、とか思いつつも、それ以上は追求せず]
あー、確かに、ランプ職人って、あんまり聞かないかも。
……なんて言ってると、思わぬ対抗馬が出たりするかもな?
[軽い口調で言いつつ、最後の言葉にはだよなー、と笑い]
…うん…体型。
[小さく溜め息をつくと、軽い口調で言われると小さく笑って]
…思わぬ対抗馬…寧ろ、歓迎、かしら?
そっちの方が…あたしが作ったほかにも、ランプ、見れるわけだし。
[と、目を細め…]
…ユリアンも、あたしが言ってた、なんて、言わないでね?
[目当ての人はすぐに見つけることが出来たけれど、話しかけるきっかけは見つけられなくて、少女は、舞台の裏手に隠れるように引っ込んで、小さく吐息をつく]
まあ……あんま、考えすぎんなよー?
[やっぱり理解の範疇は超えているらしい]
なる……そういう考え方もあり、か。
祭りの観光客から話が広まれば、その内挑戦者とかやってきたりしてな?
……了解、了解っと。
師匠に怒られたあげく、お前まで敵に回したら、生きてられねーし。
[軽く言って、に、と笑う。
その肩で呆れたようにへしょっていた相棒、何かに気づいたらしく、きゅ、と鳴いて首を傾げた]
[微妙だったので、
新しく、今度は、暖かなスープを買う。
コーンスープは子供が好きなもの。
ほかほかになりながら、てとてと、
広場の方にやってきた。
舞台がまだおいてある。
その向こうになんだか、
見覚えのある人影が。]
…うん。もう、成長しないだろうし…
[小さく頷くと、もう一度溜め息をつき…]
…ん、挑戦者…とは言わないけど…
好敵手?
そう言う人が、居ても…良いかな、って。
同じ分野で、ね。
…ん。
生きてられないは、少し、大げさだろうけど…ね。
[少し間を空き…くす、と笑うと、方の上のヴィントに一つ瞬いた]
…おはよう、ヴィント…?
[少女はぼんやり星空を眺める。東の国の物語にあった星の恋人同士は一年に一度しか逢えないのだったな、と関係のないことが頭に浮かぶ]
お互いに、競い合える……ってヤツ?
そういうのって、確かに、いると張り合いあるだろうな。
[軽い口調で言った後、ふと真面目な面持ちになって]
……大げさ……か?
[大真面目に問い返すのもどうかと。
その肩の上では、どこかを見ていた相棒が名前を呼ばれ、はっとしたようにきゅ、と鳴きつつ、尻尾をゆらり]
[呟きを聞いた子供は、
内心、ぽんっと手を打った。
まったく気づかないミリィの様子に、
なんだか、面白いというか、楽しいというか。
少し考えて、一度、ユリアンの屋台の方を見る。
イレーナと話しているだろうか。]
……ミリィさん、こんばんは?
[手に持っていたコーンスープを差し出すように、
子供はにっこり笑った。]
うん。
でも、敵対心剥き出し…とまでは行かなくて良いよ。
競うために作ってるんじゃないんだから。
[ふと、真面目な面持ちになったユリアンに言葉が詰まり…]
…別に、剣持って追っかけまわすワケじゃないんだし…
この村の、知り合いも…増えた、でしょう?
…まぁ、そう言う風に思ってくれるのは、嬉しい、けど。
[少し躊躇いながら言葉を紡ぎ…ヴィントにフランクフルトの欠片を渡す。
ふと、何かを思いだしたのか顔を上げ…ぼそり。
…コレは確信犯なのだが]
…そういえば。花輪…
[気になったのだから、しょうがない]
えっ!?
[少女は文字通り飛び上がった。心臓が、思い切り跳ね上がる音も聞こえたかもしれない]
ベ、ベアトリーチェ?…こ、こんばんは。
どうなるかは、相手のセイカクによるんじゃね?
ま、出てくるといいなっ。
[にぱ、と笑って言った後。物騒な例えに、そりゃそうだけど、と苦笑して]
ん……確かに知り合いは増えたな。
今年も新しく増えたわけだし。
[それから、軽い口調で言いつつ、フランクフルトをもらって嬉しげな相棒を眺め]
……って、え。
[意識から締め出しておいたものの話をされて、言葉を詰まらせた]
[ものすごく驚いている様子に、
やっぱりそうなのかと、子供は思った。
だから、にこにこ笑ったままだ。]
あったまります、飲みませんか?
[それから]
僕、ランプ、買いに行くのです。
施設に飾るのです。
一緒に、いきませんか?
[目的は当然、違う人だと、わかっているも。]
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