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!?
[ぁ。あれ。なんだかオトフリートさんがこっち来る…?
目を丸くし、どうしようかと迷ったあげく…]
…
[その場にうつ伏せになる。
これで、覗き込まれたり、こちら側を通らない限り、見つかることはないはずである…
少なくとも、少女はそう信じていた]
あ、わりぃ。驚かせた?
[相手の上げる声に、ひらりと片手を返して謝罪を述べつ、
続く問いに、左腕に抱える3冊を見やれば、あぁと声を上げて]
昨日、クリューガーさんに手伝ってもらって
ちょいとね、オルゴールに関する文献を借りたんだ。
せめて逸話に関する知識だけでも詰め込んどかんと、
何か起こったときに、対応できねーかなと思ってさ。
ああ……恐らく、時間はそんなにない。
オルゴールを見つけて……とめ、ないと……。
[掠れたように呟きつつ、また、胸元を押さえて。
邸へと戻る、という言葉に頷いて、その背を見送り]
……どした、ローゼ?
[一点を注視している真白の妖精の様子に気づいて、きょとん、と首を傾げる]
[微かに揺れる、花。
それに少女は気配を隠している訳でもないのだから、
そこにいる事は既に理解していたのだろうが]
フロイライン・エイム?
……お召し物が汚れますよ。
[普段通りの様子で、声をかけた]
いや、別に驚いてもいないが
[ただ急に思考から現実に戻された感からぼけっとしていただけだが、それについてそれほどこだわることでもないだろうとこれ以上は何も言わず
そして本の関する説明をされれば感心したように]
やるな。アーベル。
まあ俺も似たようなこと考えて読んでみたけど半分ぐらい読んで飽きちまった。
[アーベルは三冊も読んだのか。と続けつつ、恥ずかしげにいうこともなく堂々と言う。
そしてその後屋台料理の本を読んでいたとかあったのだが、当然口にはしない]
−客室−
[いつものように開け放たれた窓。
重たげに瞼を伏せて深紅を隠し、ぼんやりと煙管をくゆらせる。
その様子からは、庭園での遣り取りが魔である女の耳に届いているのかどうかはわからない]
………ハァン…、どうしたものかしらネェ…。
[皆が寝静まれば、オルゴールを持って逃げるのは容易い。
けれど、そうしてしまうにはナターリエの事が気にかかり躊躇う]
…アァン、ここでこうしていてもォ、仕方ないわネェ。
オルゴールを見ればァ、わかるかしらァ…?
………今はァ、無理ですけどォ。
[ちらりと庭を見下ろせば、執事とエーリッヒ、ブリジットの姿。
女は微かに目を細めただけで、腕を伸ばして窓を閉める。
そのまま、煙管を手にふらりと部屋から出て行こうとした]
あー……。
[オトフリートの言葉に、相方が何を見ていたのかを理解して、思わず惚けた声を上げる]
と、いうか、隠れてないで出てくればいいのに……。
[別に、聞かれて困る話はしていたつもりはないので、思わずこんな呟きを]
[…大丈夫。ばれてない。
エーリッヒの声にひやひやしつつも、ふわもこがこっちに来たらばれる…
そう思い、ヒヤヒヤとしていたのだが]
… … …
[オトフリートに、ずばり名前を呼ばれると、驚くどころか、なんだかこうしているのも虚しくなってくる]
…
[しょんぼりしながらゆっくりと身を起こし、服の埃を払った]
なんだ、驚かせてねーなら良いけどさ。
似たよーな事は考えてたんだな。
[青年の言葉に、ほっとした表情を浮かべ。相手への近くへと歩み寄りつつ
続く言葉に、あぁ、判る。と小さく頷いて。]
しっかし、この三冊だけでも大分気が滅入った…。
小説読むのとは全然感覚が違うしさ。
…まだ部屋に借りたままの本が数冊残ってるけど。
[正直もー限界。と肩を竦め。]
コレ読んで、楽しいとか言えるにーさんとか、マジ尊敬。
…だって…
なんだか、難しそうなこと、話してるんだもん…
[…一番の理由は夜に外に出ることをとやかく言われたくないからなのだが。
払い終わると、溜め息をつき…思い出したように顔を上げ]
って、それより、誰か、魂、取られたんですかっ!?
……どうかなさいましたか、ブリジット様?
[意気消沈した少女の様子に首を傾げていたが、
叫ぶように問いかけられ、真摯な表情で首肯する]
ええ、遺憾ですが――
ザムエル=シャイト様と、ナターリエ=キアストライト様が。
難しい話って……。
[そんなつもりは、なかったのだけれど。
少女の反論に、そんな事を考えつつ、頬を掻くものの。
それに続いた、叫ぶような問いに、惚けた表情は陰を潜め]
だろうなー。三冊も読んだか、お疲れさんだ。
[なんて気のない声でアーベルをねぎらいながら、まだ数冊あるというのにがんばれ。といいつつ]
ま、あの人は好きでやっているっぽいから読めるんだろうけど
ってか俺思った、今更調べるより専門家にさくさく聞いたほうが速い。
[と、なにやら怠惰な提案。...も別に本を読むのは嫌いではないのだが、時間の関係もあればそうもいっていられない。ちなみに興味半々ぐらいである。]
[ふらり階下へ足を向ける女に声を掛けたのは、銀の髪の召使い。
荷物を改めたいとの言葉に女は鷹揚に頷き、そのまま行き過ぎようとして呼び止められる]
アラァ、私がいる必要があってェ?
それにィ、貴女だってェ私が居ない方が調べやすいでしょゥ…?
[艶やかな笑みは、女の真意を感じさせない。
咄嗟に言葉の出ない召使いを残し、女は階下へと降りていった]
ナターリエさんと…ザムエル、さん…?
[その名前に視線を落とし…その日見た夢を思い出す]
二人、も…?
[縁起でもない夢を見たと思っていたが、本当に縁起がよろしくない。
小さく頭を振って]
なんで…?
[その問いは夢に対してなのか、はたまた犠牲者のことなのか…あるいは両方か]
あー確かに。
…今なら専門家に聞いたほうが早い。
[ユリアンの言葉に、頭いいな、と小さく頷いた。
前ならば、専門家に聞こうともまず単語が判らなかったのだろうが。
とりあえず基本知識を詰めた今ならば、其方の方が早いだろう。
後で残り読む前に聞きに行くか、と怠惰な提案は早くも採用されたようだ]
…あ、そだ。
そーいえば、何で今日もこんなに邸内慌しい訳?
[理由知ってる?と
ホール外の廊下を足早に駆ける侍女達に、首を傾げ問い。]
なんで……か。
[少女の呟きを反芻して、ため息一つ]
……そればかりは、魂を奪った……当の相手に聞いてみるしか、ないだろうね……。
―・・・→ホール―
[少し躊躇った後、ホールの扉を開く。中には青年2人の姿が伺えた。]
・・・・こんばんは。
[馴染みのある姿に安堵したのか小さく息を吐いた。会釈をして中へと入る。]
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