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―オストワルト邸―
…もしもーし、オストワルト氏ー?オッさーん?
[オストワルトさん、略してオッさん。
仕事を終え、向かった邸のドアベルを鳴らす。
中々失礼極まりない呼び声をかけるものの、出迎えた執事は
咎める事も追い帰す事も無く青年を中に入れた。
今朝届いた招待状を差し出すと、引き換えの様に手渡される芳名録。
はいはい、と知った様子で受け取れば、さらりとペンを滑らせる。
書く内容は大抵一緒だ。…精々年単位で、年齢が1つ足されるぐらいか。]
はい、こんばんは。
[向こうの態度を気にした様子もなく、にこやかなままで挨拶を返す。
普段はあまり話す事もない相手ではあるが、見かけた時は大抵こんな感じ、と知っているからか]
君も、食事会に呼ばれたんだ?
[そう問う傍ら、カーバンクルはじっとしているのに飽きたようにちょこまかとホールの中を歩き回り始める]
…っと、これでオッケ?
[かつん、と高い音を鳴らして卓上へとペンを放る。
執事はやはり咎める事も無く、差し出された芳名録を受け取った。]
──────
■名前:アーベル=シード Abel=Schied
■年齢:22歳
■自己紹介:幼少期をこの村で過ごした後、
12年ほど前に家族で何処かへ引っ越していった。
が、5年前ひょっこり戻ってきて、以来元の家に一人で住んでいる。
…何の仕事をしているのか、何故か誰も知らない。
──────
[形式ばった様に、案内しましょうかと申し出る執事へ
ひらりと手を上げて断れば、異を唱えることも無く引き下がる。
ポケットへと手を入れたまま、どーも、と頭を下げれば
その足取りは真直ぐにホールへと向かって]
―…→ホール―
・・・呼ばれた、というか・・
[実のところ招待状なるものは確認していなかった。食事会のことも、オルゴールのことも呼び止められた時に執事によって知らされたばかり。]
[困ったように口篭りながら、あちらこちらへと動いている生き物に視線は釣られている。]
用事のついでに、引きとめられた?
[やや首を傾げつつ、冗談めかした口調でイレーネに問う]
オストワルトの御大、よっぽど賑やかにしたいんだな。
[それから、くすくすと楽しげに笑って。
カーバンクルは自分を追う視線に気づいているのかいないのか、奔放にちょこまかと駆け回っていたが、新たに近づく気配に気づいたのか、足を止めてみゅう、と一声鳴いた]
―ホール―
よーす、こんばんはでっす、と。
……お。
[ポケットに手を入れたまま、背中で押すように扉を開けて。
中に居る人に気付けば、何だか杜撰な挨拶を投げる。
ちまりと存在する狐のような生物に気付けば、ひらりと手を振って。
数歩離れた場所に立つイレーネに気付けば、僅かに目を瞬いた。
顔は知っているものの、外で見かけるのは稀だったから。]
…コンバンワ。
[思わず会釈。]
[金髪の青年の言葉に少し迷うような素振りを見せた後、小さく頷く。確かにその表現が一番正しいかも知れなかった。]
おじい、賑やかなの好きだから。
[続く言葉には殆ど独り言のように呟く。それから白い生き物が鳴くのを見て、その視線のほうへと振り返った。]
[再び視線が彷徨い出すのは言うまでもない。]
やー、こんばんは?
[入ってきたアーベルにひらりと手を振って]
毎度の如く、君も呼ばれましたか。
[問う声は、どことなく楽しげなものを帯びて。
カーバンクルは手を振られ、嬉しげにみゅう、と鳴いて尻尾をぱたり、と]
・・・こん、ばんは・・
[やっぱりぎこちない挨拶を返す。青髪の青年の顔だけは見たことがあるけれど、話すのは多分初めてだった。]
[些か緊張しているかのように瞳を揺らす。青年2人がそれなりに親しげなのもあり、居心地が悪いのかも知れない。]
宝石商 ザムエル が参加しました。
宝石商 ザムエルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ポストがかさりと音をたて、耳聡くそれを聞き取って立ち上がる。
中には真白な封筒が一通。
裏に返せば見慣れた封蝋に、ほう、と一つ微笑み封を開ける]
ギュンターめ、今度はどんな趣向を用意したやら。
[古くからの顧客でもあり友人でもあるその男は、事ある毎に人を呼び食事会などを催し、自らの持つ逸品(名品も珍品もあったが)について語るのを半ば趣味のようにしていたのだが。
その招待状に目を落とし、そして]
…ほほぅ…なんと、あれを見せるというか。
ワシがあれほど頼んでも首を縦に振らなんだのに、一体どういう風の吹き回しやら。
[半ば驚き、半ば呆れて。
しかし、それはとても心惹かれる話であったから]
これを逃せば二度と機会はないであろうよ。
[そう呟いて、急ぎ身支度を始める]
ういす、例の如く。
にーさんも、流石早いっすね。
[エーリッヒの言葉に、けらりと笑い。
イレーネから返される挨拶に、再度軽く頭を下げた。
視線が彷徨う様子に怖がられてる?とゆっくり距離を置く事を試みる。
それが相手が誰に限ったことではない、という事も青年は知らなかった。
(ちなみに口に出すのも気が引けるが、何気に性別すら認知していない)
カーバンクルの方へと近寄れば、しゃがみ込んで
気を紛らわすようにおいでおいでー、と手招きしてみたり。]
[頷くイレーネの様子に、なるほど、と頷く。
賑やかなのが好き、というのもまた納得できる理由で]
まあ、これだけ広い邸に数人だけ、で生活してるんじゃ、賑やかにしたくもなるよね。
[おかげで俺は助かりますけど、と。
微かに笑みつつぽつり、と付け加える。
カーバンクルは尻尾をゆらゆらさせつつ、きょとん、とイレーネを見つめ]
――オストワルト邸――
[彼の者の邸に赴けば、いつものように迎える執事に挨拶をして、招待状を差し出し用件を告げる。
それを見て執事は頷き、そしていつものように芳名録への記入を、と促す]
……いつも書いているだろうに。あぁ、わかっておる、これも仕事、であろう?
[そう受け流して、慣れた手つきでそれに記入していく]
──────
■名前:ザムエル=シャイト(Samuel=Scheidt)
■年齢:65歳
■自己紹介:古美術品などを扱う商人。ギュンターとは旧知の中で、商売上の付き合い以外でも親交がある。
あちこちを渡り歩いていたが数年前に体を壊しこの村に定住する。妻は既になく、一人息子は父の跡を継ぎ旅暮らし中。
──────
これで良かろう?
あぁ、わかっておる、そこまでお前さんを煩わせる事もあるまい?
[記入した芳名録を返し、いつもそうするようにホールへと向かう]
こないだの分の研究論文は書き上げて、研究室に送っちゃったばっかりなんでね。
ちょうど、ヒマしてたから。
[早いね、と言われれば笑いながらこう返す。
手招きされたカーバンクルはと言えば、なにやら三歩進んで二歩下がる、な状態。
遊んでいるのかなんなのか]
新しい研究対象を探しに、って?
[エーリッヒの言葉に、くつりと笑んで。
カーバンクルと暫く手招きを繰り返し遊んでいたものの、
足音に気付けば、お?と首を傾げ扉を見やり]
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