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……まあ、頑張れ。
[階下に向かう背に、ぽつり、こんな呟きを投げて。
それから、また、扉の開く気配に気づき、そちらを見やる]
…………。
[出てきた人物の姿に、蒼の瞳はやや、鋭さを増したやも知れず]
[先ほど廊下でプレートを見回した時から感じていた違和感を再び思い、静かに笑みつつ扉を開ける。
二人の青年の声がしているのは、部屋の中から聞こえていた。丁度別れた所の様だが。
書店を営む老夫婦の息子、エーリッヒと。]
やあ。銀の。
[向けられた眼差しに、にやりと返す。]
……そっちで呼ぶかよ。
[銀の、という呼びかけに、ついこぼれるのは不機嫌な声]
まさか、こんなとこであんたと顔合わせるとはね……。
ああ。まだアーベルとお呼びした方が良いのかな?銀の。
「今晩は」にはまだ早い――ですからね。
[挑発するように笑みを浮かべつつ。口調を切り替える。]
こんな所、ですか。
先程の話し振りといい、銀…まあ此処は君に譲りましょう、アーベル、君は何か知っているのですか?
この場所について――私以上に。
……幻魔は月下に動く。それは覚えとけ。
[低い声で、短く告げ。
投げられた問いには、一つ、息を吐く]
早めに気がついて、多少探りを入れた分、情報をつかめてるだけだ。
基本的には、何が何やらさっぱりわかっちゃいねぇ。
ここが神の箱庭で……。
俺やあんた、そして他の連中がここに集められた基準が、荒唐無稽な御伽噺としか思えねぇ、って事くらいかね。
……それも、下の広間にいる、陰気な男からの受け売りにすぎねぇし。
[いくつかの料理を作り上げる。
carpaccio the pagrus major
真鯛のカルパッチョ
poultry with chili sauce
鶏肉のチリソース炒め
gnocchi with tomato and shroom
トマトとマッシュルームのニョッキ
soup of garden stuff
野菜のスープ
そしてそれを、置いてあった台車に乗せて]
―out the kitchen and go to salle―
料理、作らせていただきましたから、どうぞお食べください。
[dish,皿には銀の蓋をしめて。
運んでから、少女と老人に勧める。]
[退屈なのか、デタラメな歌を歌う。
るるら、るるら、るらら。
白髪の初老の男はその声に目を細める。
少女の肌には血の気が無く、歌い疲れてか、待ち疲れてか、いつしかたゆたう*ゆめのなか。*]
[アーベルの、低く呻く様な声は獣のそれに似ており。
くつくつと笑いを堪え切れずに声を出す。]
勿論忘れてなどはいませんよ。
ですが、安心しましたよ、アーベル。
先程「普通の人」と話していたものですからつい。君のほうこそ此処に来て呆けてしまったのかと。
でも君は魔物のまま、だ。
[再びくつくつと笑う。
アーベルの話を聞く気があるのかどうか。]
あら…
[small lady is in the dream?
眠ってしまった少女に、苦笑した...は、料理を机の上において、近くを探す。
blanket,ひざ掛けを見つけて、その少女にかけてやる。]
お召し上がりになりませんか?
[老人に尋ねるも、答えはない。]
[楽しげに笑う様子に、す、と目を細め]
話す相手を選り好みできる環境じゃねぇんだから、「真っ当な」ヤツらと話す事もあるさ。
[魔物のまま、と言われれば。
僅か、笑みのようなものが口元を掠め]
……そりゃどうも、と。
[笑いを収めるとすっと小さく息を吸い。]
「神の箱庭」、そして御伽噺、ですか。
それは知らなかった。
私が知っているのは、壁に名前がある者たちは皆、たった一人のその「人狼」を祖先に持つ。それだけですから。
後でその男とやらに話を聞いて見ましょうか――
彼の名前はご存知ですか、アーベル?
[さらり、告げられた言葉に、一つ瞬いて]
……人狼の血脈……それが、現実だっての?
[自分が『御伽噺』と否定しようとしていた部分をあっさりと認められ。
知らず、上がった声は呆けたものに]
名は知らん。
特に興味もないんで、聞きはしなかった。
[それでも、問いに答える際には、やや、いつもの落ち着きを取り戻してはいたが]
保温魔法もあるなんて。
どうしてでしょうか。
Thank you, my god.
料理がさめないような配慮を有難うございます、神よ。
[そうして、to salle, again.]
皆で一緒に食べましょう。
その方がきっと美味しいですから。
神父様も、他の皆も…どうしているかしら。
[sofaに腰を下ろす。手触りは本当に良い。
座ると少し、目蓋が重くなる。
forty winks, 最近は眠くて仕方がない。
...は小さく欠伸をして、体の要求に従った。
but so,声をかけられれば目を覚まして、料理をkitchenより*運んでくるだろう*]
[魔物である事を喜ぶのか。
彼もまた小さく笑みを浮かべる]
調べるのはかなり苦労しましたが――人狼というモノは存在しました。役所の記録が、わざわざ嘘を付いたのでなければ。
書斎があるのなら、君にも調べれば何か分かるかもしれません。
[やや取り乱すアーベルには微笑みを浮かべ眺める。]
名前を聞けばその男も繋がりがあるか調べられたのですが――まあ良いでしょう。それは私の仕事ですから。
ですが、情報収集を怠らないようにしないといつか足元を掬われますよ。
[口の中で小さく「銀の。」と付け加え、笑む。]
/中/
salle[広間]
kitchen[キッチン]
corridor[廊下]
entry hall[エントランスホール]
staircase[階段]
1st floor[一階]
2nd floor[二階](※本当の英式なら二階がfirstとなる筈。)
実在……しかも、ご先祖様、ねぇ。
……言ったのがあんただから信じられるってのと、逆にからかわれてるんじゃ、ってのが、半々だな。
[蒼い髪を掻き乱しつ、呟いて]
……忠告痛み入る……とでも言っとけばいいか?
[情報収集を、と言われれば、吐き捨てるようにこう言って]
ま……真理だが。
[ぽつり、と付け加える]
[アーベルの態度にはさも嬉しそうに]
素直なのは良い事です。そして用心深いのも良い事です。
ですが私は信用第一でやっております故。私から嘘は付いていないと改めて言っておきましょう。
[そう言うと瞳がすっと鋭くなり。
またすぐに戻る。足を階段へ向け、階下へ]
/中/
inner court[中庭]
manor house[館]
garden in the rear of a house[裏庭]
back court[裏庭]
loft[屋根裏]
balcony[バルコニー、ベランダ]
library[書斎]
den[書斎、私室]
hypogeum[地下室]
roof[屋上]
fence[フェンス]
なに…?赤く、まばゆく、揺らぐ、燃える、あの光…。
[呟けば、声は出ないでかすれた吐息だけが漏れる]
…炎?それとも、血?
[そんなことを考えながらも揺れる赤をじっと見ていた。
視界を埋め尽くすほどの赤を]
う…ん…。
[幸せそうにため息をついて、寝返りを打つ。
今消えようとする夕陽の残照が、...の顔に赤い]
まぶし、い…。
[眉をひそめ、瞳を開いた]
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