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[今宵の準備で忙しいだろう邸宅の主の部屋は訪ねず、そのまま階段を下りて行く。
踊り場でカツンとヒールを鳴らし、更に下へと降りていこうとターンすれば、視線が捉えるのは鈍い銀色の髪]
…アラァ、御機嫌よゥ…イレーネ?
[手すりにしな垂れるように小首を傾げ、微笑みと声を投げる]
[不安気ながら、忙しく動き回る使用人たちの邪魔にならないようにか廊下の端のほうを進む。]
[不意に掛けられた声にはやはり驚いたようで動きを止めた。]
・・あ。
こ、こんにちは・・・
[赤い女性の姿を見つけ、俯きがちに挨拶を返す。]
[俯きがちに挨拶を返す少女に、艶やかな笑みを向けたまま]
ハァイ、どちらに行かれるのかしらァ。
差し支えなければァ、ご一緒してもよろしくてェ?
[少女がどこを見ているのか知ってか知らずか、なんでもないことの様に問いかける。
重たげに伏せた瞼の下では、興味本位な瞳が煌く]
どちら・・・って、・・特には・・・
[本当に考えていたわけではないようで、眉を寄せて悩む様子。尤もそれは前髪が隠して女性からは見えないかも知れない。]
ええと・・・
・・エルガさんは、どちらへ?
[結局質問を返す形になった。視線は女性を見ているようで、背後の階段へと微妙にずらされている。]
…フゥン、そうなのォ。
[つまんないとでも言いたげな様子で薔薇色の髪を弄る]
私もォ、目的の場所は無いのォ。
…そうネェ、ホールにでも行ってみようかしらァ。
[少女の目的が上への階段なら、既に女は訪ねた後。
ならばと階下へと行くかのように言葉を選ぶ]
・・・・ご、ごめんなさい・・
[つまらなそうな雰囲気が伝わったのか、萎縮したように謝罪の言葉を述べる。]
[女性が下に降りようとするのが見えれば、邪魔にならないようにか少し移動した。]
・・・あ、
ええと・・上、何か?
[少なからず気になっていたらしく、遠慮がちに問う。]
…ァラン、何も謝られることなどないわよォ。
[萎縮されても、どこ吹く風の様子。
もう用はないとばかりにひらりと手を振り、更に一段二段と降り――遠慮がちにかけられた言葉に、ぴたりと足を止める]
…ウゥン、別にィ?
目の保養をしてきただけよォ…貴女も興味がおありなら行ってらしたらァ?
[誰が居たとも確定させずにはぐらかす。
少女が行けば、後ほどからかうネタにでもしようと思ったか]
それじゃァ、また後でネェ。
[そのまま振り返ることなく、階段を下りる。
少女が上へ行くかどうか、*耳は澄ませながら*]
/中/
…お、ちょうど戻ってきたんだが…お仲魔とはすれ違いかな?
ってことで今からログ読んだ後は、暫く張り付いてると思う。
出かける用事も無いし、多分話しかけてくれれば出てくるかも。
中/
アラァ、おかえりなさィ。
擦れ違い残念だわァ。
私はこのまま魔として表でギュンター氏襲撃しようかと考えていますけどォ(明日の日中に回想の形)、お仲魔さんにいいプランがあるならそちらに乗りますわよォ?
遠慮なくおっしゃってくださいナァ。[*嫣然と笑む*]
・・保養?
[当の本人は何のことだか分かっていない様子。言われなければ館の主の蒐集品のこととでも思うのだろう。]
あ、・・・ありがとう、ございます。
また・・・
[去る女性の背中を視線だけで見送り、それからまた階上を見る。]
[暫くすれば、階段を上がる微かな足音が女性の耳にも*届こうか。*]
/中/
ただいま。
まぁすれ違いは残念だが、此方は気にせず?
表で日中に襲撃ロール落とすんはむしろ賛成だし、
それが一番いい形かなとこちらも思ってたから、それでいーと思う。
こっちは、序盤オルゴールに引き寄せられない様頑張るさ(笑)
/中/
おう、らっしゃい(何か違
こっちは出来る限り頻繁に覗くようにしてるから。
慌てず、リアルの手が空いたらおいで。
そういや、お仲魔との関係も作んなきゃなんだよな(笑)
もちっと設定詰めてこよう。
―自室―
…こんなもん、かな。
[軽く指先へと息を吹きかければ、削り屑は風へと浚われて。
短く整え終えた自らの爪を眺め見れば、小さな笑みを浮かべた。]
……うん、やっぱこの方がいーな。
[あと数回叩くだけだろうから、ただの自己満足にしか過ぎないが。
指先がカツカツと当たるのは、何より自分が気になるし
人様のピアノに傷を付ける事は避けたい。それが大切なものなら―――尚更]
さて…、と。
[サイドテーブルを鳴らして、手に持った鑢を置いて。
ちらと部屋に掛かる時計を見れば、暫し思考を巡らせる。
予定されている筈の食事会まで僅かに残る時間を、如何すべきか。
そうして一つ頷けば、腰掛けていた寝台から立ち上がる。
折角整えた所だし、些細な時間を潰すには丁度良いだろうから。]
[微か鼻歌交じりに、ノブに掛けられた手は後ろ手に引かれ。
ぱたん、と軽い音と共に部屋の扉が閉じられる。
青年の足は、そのまま真直ぐに階下へと向かって]
―…→音楽室―
―音楽室―
…おじゃましまーす、と。
[闇の落ちる室内に、手探りで照明を入れて。
小声で、簡易的な挨拶を述べれば室内へと踏み入れる。
…流石に、あの話を聞いた後に無断で使用するのも気が引けたから。
と、昨日には無かった飾られた白の花に気付けば目を瞬いた。
使用人やら誰かが飾ったのだろうか、と頭の端で思案して。
飾られた近くに置かれた本棚を見やれば、そちらへと向かう。
僅か風化して色が変わった楽譜を数冊抜き取れば、無造作にぱらりと捲って]
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