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―北通り・路地裏―
[定型文による恫喝からはじまり、黙るミハエルをよそに、男はさっさと抜刀する。いやに巨大なクレイモアが、空を焼き夜を呼ぶ茜色の陽を受けてぎらついた。]
[お前みたいな生意気そうな餓鬼は斬り甲斐がある、とかいう男の長口上はすべてミハエルの意識を上滑りしていた。全くそれどころの気分では無い。]
[外套の裾を払ったミハエルは帯刀していない。]
[それを見るや、ミハエルが魔法を使う者だと判断した破落戸の口上は更に続く。クレイモアの刃にびっしりと埋め込まれた石は、魔法を封じる効果があるとか、今まで何人の魔法使いを斬ったとか何とか。]
でも逆を言えば。
あれを他の誰かが使ってしまったら?
…僕ひとりなら耐えられるだろう。
ぎりぎりだけれど。
町もきっと、かの王が保護してくれよう。
君も、ね。
然れど…
それでも何かが起きない保証もない。
なら…今のうちにあれを葬るか封じるか、してしまおうかとも想う
─Kirschbaum・庭─
[目を覚ました時にまず感じたのは、柔らかな地の力]
……巨蛇の御大?
[とっさに口をつく名前がそれというのもどうなのか]
いや……んな訳ないな。
[当然である。
傍らの白梟は、そんな彼に呆れ果てた視線を投げ]
ベアトリーチェだよ。
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデン。
[まるで初めて逢う人みたいに、ベアトリーチェは名前を云いました。]
お日さまは天末に姿をお隠しになって、月がやって来るまでの、わずかな間。
白も、赤も、青も、黒も、
まったく違ういろなのに、今だけはいっしょになるんだ。
[云うとおり、そらにはたくさんのいろがありました。まるでとりどりの宝石を鏤めたように、きらきら、きらきら、輝くのです。けれどもそれは、今にも闇の彼方に沈んでしまいそうでもありました。]
綺麗で、不思議で、少しだけこわい時間だね。
[くるくる、くるり。無限の輪を、小指の先に引っ掛け、回します。]
ふう……さすがに、昨夜の無茶が祟ったか。
……よもや、命竜の御方様の夢を見る事になるとは……。
[自嘲的な笑みがこぼれる。
正確には幼竜として生れ落ちたばかりの頃──魂の抱える知識と力に、器が追いつかずにいた頃の自分の夢なのだが。
そこには彼を育てた生命の竜王の姿が必ずあるから、その夢と言っても間違いはない]
[そう言って、苗床はコトバをとめる。
一度、閉じて、開いた瞳はくらみどり。
そんなもの、かの風の人には、見えはしないだろうけれど。]
僕の目的はひとつ。
[こわれかけの右の手を見て]
かの女が。
ほんの一月にも満たぬ間、僕を好いてくれたかの女が願ったことを
[桜が咲くのを、みたいと。
その言の葉をコエにして]
かの女がそれを叶えられる場所を、つくることだけなんだ
―北通り・路地裏―
[ミハエルの挙動は、毅と腕を向けただけ]
[クレイモアの刃に埋め込まれた石が、男の目の前で砕け散った。特注らしかった石の埋め込んであった箇所からは、氷の結晶が生まれて見る間に育って、鋼の剣を食い破っていく。
男の手の中で、大剣が砕けた。結晶の先端は鋭利で、男の手と、手首を通る太い血管を突き破った。育ちすぎた氷が弾け、細かな結晶が夕日を受けて輝きながら散った。夕日に染められた氷はあかく、男の血の色よりも鮮やかだ。]
[きらきらと]
[赤い結晶が散り落ちるのを見据えながらミハエルの心は落ち着きを取り戻していた。]
[心を凍らせるのだ。]
[流るるのは水、燃え揺らぐのは炎、凍てつき動かぬものは氷]
[ミハエルが去ったあとも、路地裏には冷えた空気が渦巻いていた。夕日が姿を消すより前に、風が吹き込んでそれを*散らした。*]
さて……さすがに、この状態では真面目に何か食べないとまずい、か。
「……当然ですな」
……はい、はい。
俺が食ったら、お前にも付き合うよ。
[白梟の突っ込みに苦笑しつつ、店内へ]
─…→店内─
[アマンダは、ベアトリーチェの自己紹介に頷く。
けれど、口から零れるのは前と同じ呼び方]
うん。しってるよ、お嬢ちゃん。
そう、一緒なんだ。仲良しだね。すてき、すてき!
うんときれいな子(宝石)達も、敵わないね。
[アマンダは闇に沈むの最後の光が煌くのを、嬉しそうに見上げた。
けれど、少女が無限の輪を回し始めれば、一歩後ろへと下がる]
…うん、そうだね。怖い。
[アマンダの視線は、砕く力持つ力の輪へと釘付けになる]
─Kirschbaum・1階─
「お目覚めか? 余り、無茶をしてくれるなよ」
[店内に戻るなり、投げかけられたのはこんな言葉。
声の主──店主を見やれば、険しさを帯びた碧の瞳に見据えられ]
……はは……申し訳ない。
[それに返せたのは、苦笑を交えたこんな言葉。
取りあえずは、とカウンター席に座って、紅茶と、軽い食事を頼む]
うん、わかっているよ。
お嬢ちゃんではないよ。ベアトリーチェだよ。
[もう一度だけ、云いました。
後ろに下がるのと、眼が注がれるのには、気附いたでしょうか。くる、くる、回る輪は宙に放られ、そらのまん中に姿を現した月に重なるようなかたちになって、それから、また小さな手の中に納まりました。]
なんにもしないよ。
ベアトリーチェには、なんにもないのだもの。
[ざわざわ、ざわざわ。周りではたくさんの人がお喋りしています。]
[それにしても、と思う。
本来、人の子の身に宿る事すら稀な天聖の力。
それを宿した「神の御子」と呼ばれる少女]
……一体、どんな意図が介入しているのかはしらんが……。
[力を失して薄れたような、不思議な感触。
それが、妙に引っかかってしまう。
……目の前の影輝王は、仮に知っていたとしても、それについて語る事はしないとわかっているが。
それでも、つい、尋ねてみたくなるのは抑えられなかった]
[千花は眠る。
アマンダの意識を抱いて、昏々と眠る。
否。
アマンダは本当の自分の身体に戻って、休んでいるのだ]
[千花に身を預け、安心しきって――]
……影輝王。あなたは……。
[食事の合間にふと手を止めて、問いを投げようとするものの。
……やはり、それはやるだけ無駄かと思えて。
なにか? と言いつつこちらを見つめる碧の瞳になんでも、と返して、食事を続ける。
食べ易いようにと気を使われたリゾットの器はやがて空になり]
……ごちさうさまでした、と。
さて、それでは俺は相棒の食事に付き合ってきます。
[いつもの微笑を浮かべつつこう言って、店を出る。
そのまま広場を過ぎ、何故か北の遺跡へと]
─…→北の遺跡─
─北の遺跡─
[夕闇迫る時刻でも、遺跡の賑わいは変わらぬらしい。
それでも、引き上げてくる者が多い中、その流れに逆らって奥へと進む姿はやや異質に見えるだろうか。
勿論、当人は気にした様子もないが]
……さて。
[ある程度進み、人気のない場所に出ると、肩の相棒を見やる]
……ここで、少しの間、陣を展開してみる。
その間に、食って来い。
[静かな言葉に白梟は一つ頷き、森の方へと翼を広げ]
……さて、と。
[その白い姿が見えなくなると、右手首の腕輪に触れる。
音を立て、姿を見せるのは無限を連ねた長い鎖]
[無限の輪を注視しつつも、ベアトリーチェの言葉には困り顔]
うん、わかってる。お嬢ちゃん。
……むずかしいの。
[陶磁器の仮面は動かしにくく、滑らかな言葉は紡ぎにくい。
けれど、説明はしない。出来ない]
うん、お嬢ちゃんは、優しい。知ってる。
…でも、それはとても、怖いもの。
ばいばい。
[アマンダは身を翻し、その場から逃げて行く]
[さすがに完全に回復したとは言い難い身、集中には手間取るものの。
二筋が絡み合い、螺旋を織り成す鎖はやがて、音を立てて彼の周囲に輪を描く]
エターナル・ロンド……力を、追え。
[短い言葉に応じるように鎖は揺れる。
銀色の波が巡るその様を、紫と翠の瞳で*ただ、じっと見つめて*]
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