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[だが…今ならこの長弓も引ける。まるで引き絞れなかった長弓をあっさりと引き絞り、構え、引き、下の庭園の…標的へと狙いを定める。普段よりも増された視力がアーベルを捉え、彫刻のように止まる。タイミングを計るために
それに動いていない間は負荷もやや収まる。
もう既にかなりきつい、三本も矢を作る必要なんてなかった。一本射ただけでどう考えたって二度はない。
体を針で突かれるような痛みに熱。
それを強情にも無視して…射場にたった射手は待つ]
[睨みつける紅を、翠も、そして真白の真紅も臆する事無く見返す]
……御せぬものに固執すれば、滅びを招く。
アーベルを解放し、オルゴールを手放した方が、身のためだぜ?
[静かな言葉は、遥か上で煌めく銀の存在に気づいてのものか、それとも]
ふぅん…
まー、此処にいるって事は、普通は知ってるわけ無いのかな?
…消えるだけ…かぁ…
[小さく呟く。
その表情は、ぼんやりとしており…深く読みとることは出来ない]
んー…
みんなっ、あたしのために争わないでっ!
[…ご丁寧に、感情を乗せ…芝居かかった口調で言ってのける。
しかし、当たり前だが魂の叫びは現界する者達に聞こえることはない]
[土を踏み][歩を進める]
[背に揺らめく漆黒は翼にも似て]
[ざわりと音を立てたのは庭園の樹々か]
[モノクルの奥の孔雀石は緑から色を変え始め]
オルゴールを、皆様の魂を――
そして、アーベル=シード様をお返し頂きましょう。
[紡がれる声はいつものテノールよりも低く]
[右の手は頬の緋を拭い、紅い舌でそれを舐め取る]
[甲の刻印は淡く光るも、その輝きは益々昏く、闇を孕んで――]
[彼方より此方を狙う銀の存在に]
[己が存在すら危くする物である事も]
[或いは気づいていたのかもしれない]
[けれど、歩みを止める事はなく]
[血に酔う魔は、少女のぼんやりした表情にも気付くことなく。
ただただ、深紅を細めて艶やかな笑みを浮かべる。
魔にとって、どちらが勝とうとも消えることに変わりない。
ならば純粋に愉しむだけ――なのだが]
………ぁらぁ…ホントに言ったわぁ…。
[ぱちぱちとやる気のない拍手]
[開いた眸はやはり紅。動揺する蒼の紅が僅かながら戻る瞬間を、しっかりと捉える。]
戻って。
――戻して。
[風に載せるような言の葉は魔に向けたのか、青年に向けたのか。或いはその両方か。]
[銀灰の下の紅は微かに揺れる。]
……幾年、費やしたと。
[青年の言葉に。くつりと、笑みを浮かべる。
その嗤いは、今までと異なり愉しげな物ではなく]
百歩譲って、オルゴールの代わりならば
―――劣るとは言え幾らでも見つけられよう。
此の様な都合の好い容を、簡単に手放せるとでも!
[執事の言葉に、青年の声が僅かに荒ぐ。
右に紅を、左に蒼の光を湛える瞳が、金と真白と黒を捕らえ]
えへへー。
はくしゅかっさいいたみいる?
[照れ笑いを浮かべ、スカートの裾をつまみ小さく頭を下げる]
…でも、争わなくちゃ、いけないんだよね。
両方とも、譲る気無いし。
[よいせ、と、近くの花壇のレンガに腰掛けると、皆が戦っている様子を見つめる]
……げほっ……
……血かよ
[咳とともに薄く飛び出る飛沫を見たそれは赤く鉄の味。
どうやら内臓器官までいかれてきているらしい。
正直甘く見すぎていた。想像したものを自分にそのまま移しこむなど、稀な行動とってしまったからというのもあるのかもしれない。
もういい加減にやばい。体のあらゆる部位は破裂しそうに震えている。
まだか…まだか…
それでも脅威な集中力。もしくは強情さをもって無視して、待ち続けると]
来たかっ
[エーリッヒとのやり取りか。それともオトフリートとのやり取りか。どちらかまではわからないまでもアーベルは何か酷く動揺していて、そしてこちらはフリー。中てるなら今。体の限界も近いし、それにこの一矢が隙を作る一因になるだろう。そうすれば、まあどっちかがなんとかするだろう。こちとら文字通り一矢報いる。だ。
……集中。また一度強く引き絞り…そして放つ、銀の矢は月明かりに煌いて、アーベルのほうへと]
お前が何年の時間をかけたかなんて、悪いが知った事じゃない。
[荒ぐ声にも、返す言葉は揺るぎなく]
俺にとっては、アーベルがいいように使われている、という結論が問題なんだよ。
そして、『メルヒオル』にとっては、『歌姫』が利用される事態が許し難い。
……だから。
[なんとしても返してもらう、と。
その言葉は、飛来する銀の煌めき、その気配に遮られ]
こちらこそ、面白い見世物をありがとぅございますわぁ?
[少女の礼に、魔も花弁のような裾を摘んで優雅に礼を返す]
……譲るなんて、あり得ませんわぁ。
妥協が精々、しかも出し抜くことなんて当たり前…それこそ魔が魔である由縁ですものぉ…。
勝者が全てを得る…単純でわかりやすいでしょぅ?
[ふわりと空に浮き、花壇に座る少女を見下して静かに呟いた]
引き際も肝心ですよ。
[ざわり]
本来ならば其処は、私の関与致す部分ではないのですがね。
生憎と、契約の身ですがゆえ――
[ざわり][ざわり][ざわり]
十年の時を費やした私の“庭”をも荒らしたのが、
運の尽きと思って頂きましょう。
[邸内の、全ての物がざわめき]
[漆黒の雪のように、空を覆い尽くすように、薔薇の花弁が舞う]
[その中を、月光を受け、銀の煌めきが過った]
[紅は紅を見ていない。青年の姿をした者の、蒼い眼だけを見つめる。]
・・・でも、それは、君のものじゃない。
[彼の瞳が此方には向いていなくとも、声は続く。]
だから・・・返して?
[その言葉と、彼方から銀が閃くのはほぼ同時か。]
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