[少しだけ顔を赤くするイレーネを見てニヤニヤとした表情を一瞬見せる。
しかし、ゼルギウスの言葉で表情はあっという間に真剣なものへと変わった。
自分達は最後のメデューサ。
そして既に治療方法が見つかっていた。
ならば、ここで死んでいる者達は無駄死にとなるのではないか?
事実を認識できるに連れて怒りがこみ上げてくる。
自分はいい、迂闊さゆえに死んだだけだから。
だけど、イレーネは違った。
メデューサだったからこそ殺された……。
そう思った時、怒りは頂点に達して自然と手は握り拳を作っていた。
叩きつけることが出来る壁すらないのが初めて憎らしい、心の底からそう思った]