[獣は捕食しているらしく暫しの時間は稼げるだろう。][ベアトリーチェが傍に来てくれたのなら、咄嗟に身体が動き少女の身体を優しく包むように抱きしめてあげただろう。]…っ、イレーネは――[動かなく、なってしまったみたいなの。と、囁くように少女へ伝えるのは、老人の石化を知らせた時と同じ言葉。引きちぎられたベルトに眉を顰めたけれど今すべき事は?1人でも多く――助かる道。きつく唇を引いてから、開いて]…今の内に、逃げましょう。あいつを…、この部屋に閉じ込めるの。