[ノーラがゲルダを呼ぶ声が聴こえる。俯いたベアトリーチェの肩に>>25手を添えてから、たち上がった。向こう側に居るゲルダは──石になって動かない。
頭からすっと血の気が引く感覚。視界が暗くなり、石化したゲルダと揺れるノーラノ長い黒髪だけがクローズアップされたように鮮明に見えた。]
[ノーラの声がフロア中に響く>>28。]
──ピューリトゥーイは、
ハインリヒじゃないのか。
ダーヴィッドが?
[大きく両眼を見開き、ノーラを見た。ノーラが占いのような力を持っているらしい事は知っていたが、投薬により能力が活性化していたとしても、占いなら読み間違いもあるのではと。
石になったゲルダと目が合う。彼女が、言っていた言葉が何故か鮮明に甦った。
「…気をつけなきゃ、いけないよ。>>5:92
意志の強い人、だったら…
影響されてても普段どおりに振舞ってるかもしれない。」
視線を感じて、ダーヴィッドを見詰めた。──目が合う。ダーヴィッドはノーラの告発を否定せずに実験室へ入って行く。]