― 医務室 ―[何度か瞬きを繰り返す瞼。――イカロスその単語を聞いて完全に覚醒する、脳裏。] 良く知ってるね。[先程、嵌められた形になった少女に向ける微笑。] ……羽を手に入れても、蝋で固めたものじゃ駄目みたいだ。[あんな夢を見るのは、イカロスの神話に自身を重ねているからかもしれない。偉大な父…――まるで逃げるように…――自由を手に入れたかった。]