[人が、次々とやってくる足音がする。
まだ襲い掛かってはこないけれど、自分が思い切り刺激して、
そしてこちらを淡々と伺ってるらしい気配がある]
[イレーネを庇うように、くるりと"それ"に向き直った。
心臓が早鐘みたいに打って、パニックになりかける。
深呼吸した]
………にげ てください。
じっと しげきしなーで。
そーやって、少しずつ。
[遅れてやってきたライヒアルトやナターリエが武器を手にしているのを横目で見ると、目を丸くした。首を左右にふる]
[下手に戦うより、逃げたほうがいいと思っていたから]