[見上げたユリアンは涙を流している。けれど悲しみはそこから感じられない。喜びで心を震わせられたのならこれほど嬉しいことはなかった]これからの、ユリアンさんと私?[数回瑠璃を瞬いた。これから先。死した身の今後とはどんなだろう。分からない。けれどそれはもしかして、生きていても一緒ではないだろうか]ユリアンさんと一緒にいる、私。私と一緒にいる、ユリアンさん。[大切なのは何か。心の奥から湧き上がってくる想いをそのまま形にしようと。指は自然と鍵盤に伸ばされ、動き出す]