◆ENDRP
[都市部を遠く離れた場所。
そこには、隠棲した園芸家の管理する庭がひっそりと築かれていた。
庭に揺れるのは──色鮮やかな、紫、青、蒼、茜。
そして、夜蒼と紫黒。
それは、庭を管理する老園芸家の兄が生み出したものたち。
兄が石化病の治療のために施設に入った後、所属していた研究室から、私物一式と共に送られてきたものだった。
『研究』という形で植物と接しようとする兄を許さなかった父。
しかし、送られてきた六種の花は拒む事無く受け入れ、この庭を築いた。
『いつか帰る場所』。
そう、名付けられた、庭]