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[装置の中に、小さく座り込んでいる彼女。
とりあえず、苦痛の影はなさそうなことを見て取ると彼女の正面に回りこもうとした。見ようによってはもどかしく、少し遠回りになるルートで]
それなら、良かった。私なら大丈夫ですよ。
この通り、ぴんぴんしています。
[両手を広げて、ひらひら動かして見せた。
彼女の側までたどり着くと、立ち上がる様子がないのを見てカプセルの横に膝を着いた。話をするとき、視線を合わせるためにこうするのは、普段からの癖]
悪い夢でも、見ました?
[かすれ声に、そう笑いかけてみる]
[シチューを食べ終わると、そのまま壁に身体を預けた]
お腹一杯になったら、眠くなってきちゃった。
ごめんね、ツヴァイさん、まだ氷持っていけない、や。
今度は、夢見られるのかな。
[器を横に置いて、腕に鞄を抱えて眠りに落ちる。また少しの時間で目覚めるのだろうと*思いながら*]
うん。伝染病だって言ってたもの。
空気感染はしないけど、接触とか塵を吸ったりとかで感染するんだって。
[イレーネの言葉にうなづいて。]
あっちも、あけてみる?
[アーベルの言葉にむせるハインリヒをおかしそうに眺めながら……老人に布団をかける。]
………これでいいか。
[そして、老人の深い眉間を見てから、アーベル、ブリジット、ハインリヒの顔を見る。]
他に体調が優れないものも、この医務室で休むように言ったほうがいいな。カプセルは……正直、精神的によくない。
[赤いエラーランプを思い出しながら。]
[くるり回る姿
見上げた視線が幾らか楽になる]
……そう。
ならよかった、けど。
あまり、無理しないで?
[その言葉は心配の意もあったけれど。
何処か、浅ましい気持ちがあったのは
きっと否定出来はしない。
せんせい、の目線が、落ちてくる。
優しい声と、瞳。施設の"先生(パパ)"と重なった]
……ええ。
少し、だけ。
[悪い夢は、見ていた。
見て、居る。重なってしまう過去と、今。
情け無い笑みを、せんせい、に向ける]
───言ってないよ。
[そう言えば、名前を知らないと気づいた]
[自分も言っていないのだと思った]
[空白]
アーベル。
[名乗ってみることにした]
[彼女は面食らうだろうか]
[少しだけわくわくした]
───俺の、名前。
[よほどショックだったらしい。
咽た後の咳き込みは、暫く続いた。]
俺は まだ 33だっての。
[まだ十分に若い、とアーベルを軽く睨んで。
年の近そうなダーヴィッドには、小さく肩を竦める。]
お疲れさん、だ。助かった…そこの兄さんもな。
[ユリアンにも紺青を向けて]
お嬢さんは、そこにある手洗い場で手を洗うんだ。
じっくり、できるだけゆっくりな。
[ブリジットとアーベルの遣り取り、気が抜けたように笑って]
遊ぶのはそっからでも、遅くはないさ。
……せんせい、ここ
[元々、男女どちらでも対応できる作りの装置。
広さも男性が眠りにつける程はある。
端によって、空いた箇所を、ぽん、と手で叩いた。
座ってくれるかどうかわからないが、
座ってほしくて、ぽん、と二度目の音。]
[突然の事にきょとり、としたのは一瞬のこと。
それでも、意図に気づけぬ程鈍くはなく。
軽く、首を逸らして避ける仕種。
それでも、柔らかな感触は僅かに頬を掠め]
……何をどう突き詰めれば、そんな結論に到達するのかは知らんが。
走って無理をしたのは確かだし、休んでおくといい。
[座り込む様子に、投げかけるのは、一転、静かな言葉]
……俺は、まだ動ける方だから、問題はないさ。
ああ、なら、これ持っててくれ。
[こういうと、肩にかけておいた鞄を外してナターリエの傍らへと置き、室内をぐるり、見回す]
……さて。
どうやら、日用品の物置部屋の類のよう……だな。
[そんな事を呟きながら、部屋の中を*調べ始める*]
[ダーヴィッドが老いた男に寝具をかけるのを横目に]
───おつかれ、おとうさん?
[からかいの言葉は、ハインリヒに]
[医務室へと運び終え]
[仕事は一段落したのか]
[そう言えば一人途中で増えていた]
[今更気がついた]
兄さんではございません、ユリアンです。
[いびつな自己紹介をする]
アーベルですか、了解了解。
[名乗りを上げるのを盗み聞く]
えーと、そこの女性と紳士も名前教えてください、一応一緒に閉じ込められてる仲ですし。
[事実だがよく分からない仲である]
>>188
ツヴァイ……33か。じゃ、僕がひとつ上だな。
33なら別に子供がいてもおかしくない。
お父さんでもいいじゃないか。
[やっぱりくすくす笑っているだろう。
そして、それでもお父さんと語りかけるアーベルと、心配しているのか怒っているのかわからないブリジットの様子もほほえましげに見た。]
無理、してているように見えます?
さっきも、そう、心配されたのですよね。
普 通の男性に比べて、なよっちく見えるせいでしょうか。
[彼女のまとう雰囲気が、姿が、力ないもので。
思わず彼女と自分の年齢を忘れた。
まるで、カルメンが自分の教え子と同じに見えて。
そっと、手を伸ばして彼女の横顔に触れようとした]
もう覚めましたから、大丈夫ですよ。
まあ現の世界もあまり、いい具合とはいえませんけど。
きっと全部上手くいきます。
さっきの放送、聞きましたか?
もう、われわれの体には薬が打たれているのだそうです。
スタッフの方の所に行けば、治してもらえるのだと。
[その後の混乱と、放送の真意はよくわからなかったけれど。
自分なりに解釈したその意味を、伝えた]
…と、すまない。気がついてなかったよ。
[そして、ユリアンに気づいた。>>194]
ダーヴィッドだ。よろしく。
[ユリアンに握手を求める。]
…………おや。
[彼女が、自分のために場所を空けてくれた。
しばし黙って考えたが、やがてにこりと笑って浅く、斜めに腰掛ける]
お気遣いありがとうございいます。
[時折、言葉が軽く絡まっている]
[驚いていた]
[まあるい瞳]
[眸が細くなる]
よろしく、ブリス。
[勝手に名前を縮める]
[盗み聞きしていたらしい青年]
[視線を向けて頷いた]
───よろしく。
[それからハインリヒの文句に表情を緩めた]
俺よりは、上だよ。
――ユリアン、ね。
[そうして、ユリアンにも名を名乗る。]
食事なら、もう一方の部屋にありますわ。
緑の髪の女性が作ったの。
[と、手を差し伸べ戸の向こうを指し示す。
年齢の話には緩やかに首を傾ぐのだった。]
[頬に触れる優しくて暖かい手
止めて欲しかった
前歯が下唇を柔く噛んだ
込み上げる懐かしさが涙に代わりそうになる
なんとか 押し込んだ]
せんせい、優しいから。
……人の分まで、自分の事を隠して、
頑張っていそうで、
[其れは己が印象が多く含まれた勝手な言葉]
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