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……と。
[その内、天鵞絨行き着くのは覚えのあるものと良く似た容器。
そう言えば、同僚はこれで遊び半分に料理するのが趣味だったな、などと。
余計な事に意識を逸らした時]
……っと!
[視界の隅、掠めた陰。
とっさに後ずさり、ひとまずは距離を取った]
……一匹だけ……か。
[咳が酷くなると、周りの音が聴こえなくなる。
戻ってきたブリジットの姿に気付いたのは、
咳が少し落ち着いてからで、オトフリートの姿も。]
――…もどって、きてたのか。
[顔に斑に張られた石の症状に険しい表情にもなり]
…くす り、
届けられたんだ…せんせい、…打とう。
[注射器を取り出して、オトフリートを呼ぶ。
誰の名を呼んでいるのか それが名のかすらよくわからず。
傍に来れば首に残る痕に瞠目した。]
[ノックが聞こえるように扉の前で気を張り詰めて待つ。
聞こえればすぐに開けられるよう手はドアノブに。
1人だった。けれど、糸の先、少女の気配はちゃんとある。]
…
[嘆く私の背を撫ぜてくれた優しい子。
私の欠落していた部分を持っている感覚まで覚えた。]
…っ
[彼が、守ると言っていた 少女 。そう、エーリッヒが。
思い浮かぶ顔は、笑顔が多くてそれが胸を締め付けた。]
あたしならこんなのは書いても隠しておくな、枕の下とかに。
[爪先で書類を弾く。]
液体窒素って聞いた事ある。バナナで釘が打てますってやつ。料理、できるんだ。
[不思議そうに言って、ライヒアルトが後ずさればそちらを見て咄嗟にメイスをつかんだ。]
ええっと、殴ればいいのかな。
[怖いから目を閉じてメイスを蛇の方に振りかぶってみた。]
―回想―
[ここに、ちゃんと。そう言って包まれた手は、ノーラの心音を感じ取った]
うん、でも。
エーリッヒさんは一人になってしまうのよ。
ずっと、ここで。
そんなの。
[頷いても、残る寂しさは消えることなく。
ゲルダの声が聞こえた。エーリッヒの姿に驚いたのか、それとも違うことが原因なのか。ただ、いつもの彼女と違うことはわかった]
ゲルダ、さん? どう……。
[その言葉の意味に、ぎゅっと手を握り締めた]
―3F・奥の部屋―
[中は予想通りと予想外が同時に存在していた。
予想通りの無数の蛇と
予想外の無数の石像だった]
こふぇはこふぇは、大変ふぇす!!
[言葉と共に短剣を蛇に向けて投げつけた。
同時に口にくわえていた鞘を腕で掴み投げつけた]
蛇の放し飼いは禁止ですっ!!
ゼルギアスとやら、おぼえてやがれです……。
後でひどいですっ!!
[石像を使ってうまく逃げながら襲い掛かってくる蛇を斬り続けた。
本当に減ったのだろうか?
そう思うぐらいとてつもない数だった]
ううん、お薬はまだいらないの。鎮痛剤は、痛いときに飲むものだもの。
痛く、ないから。
[ノーラの言葉>>137にそう返すと、ゲルダの様子やみなの声に耳を傾ける。
ヘルムートの声が聞こえると、この内容に息を呑んだ]
ダーヴィッドさんが? そんな、の。
[嘘だと思いたかった。何か理由があるのだと思った。押し黙る。
ノーラに背を押され、注射を受けるように言われて、ハインリヒのほうへ。名を呼ばれるとびくりとしてから、答える]
何? ま、だ。私には打たなくっていいよ。
でも心配しないで。受けたくないわけじゃないんだから。
みんなが受けるのを、確認してからにするの。
[笑う。まだ涙の後は乾かないまま、ぎこちない笑み]
ノーラさん、気をつけて、ね。
[別の部屋へ行くというノーラに声をかけて]
糸はね。私と、ノーラさんを繋いでいるの。
私からは、ノーラさんがどこにいるのか、わかる。
ずっと、私の見る世界は、何もなかった。
点みたいな、糸みたいなものだけど、ノーラさんがいる方向に、それが視えるのよ。
だから、一人でいても怖くないんだから。
[薬のせいか、ひどくからだが熱い。
だるいからだ。音の無い息を吐く。]
[戻って来た先生の姿。
声をかけようとしたけれど、もしも薬が効いても声が治っていなかったらと思えば恐ろしくて。
けれど、彼の様子は…まるで魂が粉々に砕け散ってしまったかのようで。
たとえ、声が出たとしても、掛ける言葉が見つからない。]
[疑問を持ったらしいハインリヒにそう言って、階下へと向かう。階段は、慎重にではあったけれど上手く降りることが出来た。
6の部屋にたどり着くと、ユリアンの声。エーリッヒがなくなったことの報告を、耳だけが聞いていて。
せんせい、という言葉に意識が向く]
先生、どこか判らないの?
無事、かな。
[行こうか、といわれると部屋の中へ。苦しそうなアーベルの音が聞けただろうか。
薬を打つといわれると抵抗した]
言ったでしょう? みんなが先だって。
痛いのが嫌なわけではないのよ。
[腕は出さずに部屋の中を逃げて。ブリジットの声が聞こえると、止まってノーラの無事を思った]
―回想・了―
>>269
ああ、確かにそのとおりです。
[いや、いつもの自分なら、もう動いてた。
火を甘くみるな、と駆け出しているはずだった。
すぐに返事ができずにいると、まっすぐに訊かれて…
うつむいたまま、目を見開いた。]
そうです。
僕が………
殺した。
[そして、事の顛末を正直に、でも端的に述べた。]
せん、せい?
[部屋に響く声は、オトフリートのもの。言葉でなくなっているその声に、傍へと寄った]
先生? 私、ベアトリーチェよ、わかる?
[手を取る。何かが手首にあった。触ると、自分の首にあるものと同じ]
誰の?
[他の、石になった患者のものだろうか。でもどうしてそれを彼が持っているのかわからず]
[仰向けの青年を、じっと見る。
咳をしていた男も、じっと見る。
眉を、ひそめた]
ら おーうー
[ブリジットの声が聞こえて、向き直る]
いー、なーんしょー?
[男が、注射器を見せる。
またたきした。顔をしかめて、首輪を差し出す。
首を左右に振る。ベアトリーチェを、見た]
─実験室─
料理とのいう名の破壊兵器も、よく作っていたが、な。
[天鵞絨は一瞬、遠くを見た。
液体窒素に不純物が混ざっている可能性を指摘した時の遠い目を思い出していたらしい。
そんな、記憶の彷徨の間に、振り上げられるメイス]
って、無理はするな……!
[慌てた声で制止しつつ、自分も鞄の中の山刀を引っ張り出して]
な
んで…
[オトフリートに差し出された首輪は、引き千切れていて。
―――…誰かがやったもの。…誰が?――…誰を、
浮かぶのはゼルギウスが投与した3錠のクスリの名。]
――…っ、リーチェ…ッ!近付くな…!!
[そして、イレーネとエーリッヒ、二人の会話に耳を傾けていたが、]
心が苦しい、か。……………まったくだよ。
こうして、ただ事の成り行きを見ていることしか出来ないなんて、地獄の責め苦にも勝る苦痛だよ。
[イレーネの告白(>>+62)に誰に向けるでもなくポツリと呟く。
だが、その目は背けられることなく現世の成り行きを見つめていた。]
あたしの料理は破壊兵器じゃないから安心して。………普段は。
[創作料理さえ作らなければ。]
あたしの前に出てくるから。
[振りかぶったメイスは床を叩いた。蛇は威嚇から攻撃へ動きを変えた。]
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