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じゃあ行こう、ゲルダ。
[一旦、図書室の方へ入りかけ、ライヒアルトに出会う。手短にヘリで発見した事とエーリッヒの事を伝え、知らないと分かると休憩室を抜け──、最後はノーラとベアトリーチェの場所へ辿り着く。]
……………。
──エーリッヒ。
[そこにあるのは、生きたエーリッヒでは無く石像。小さな少女の手がノーラのほっそりとした背中を母親のようにぽんぽんと撫でている光景。]
[知っていたのに。感じていたのに。
姿を見て実感する。失ったものの大きさと、失われた無念。]
…エーリィ。
[潤む視界を、袖口で拭う]
[ノーラの傍を離れないように、手を伸ばす。触れるのは石になったエーリッヒの体]
……。
出来るか判らないけど、エーリッヒさんの代わりに、私がノーラさんを護るね。
[もう一度、最後に触れた腕を取る。
きゅ、と硬くなってしまった掌を*握り締めた*]
red
ピューリトゥーイ ×3
続けて経過観察中。
とくにピューリトゥーイに関しては、成果が期待できるが、副作用として、情緒に変化、衝動的に攻撃性が高まる危険在り。
[すでに記憶している文章を思わず、反復する。]
エーリッヒ。
[金の髪の青年。柔らかな物腰と人を安心させるエーリッヒの笑み。
彼がヘルムートに、否、目の前のノーラやベアトリーチェに見せていた表情。
石像になってしまっても、それらが浮かんで離れない。沈黙。]
──エーリッヒ。
我々に、ヘリに乗るしか選択肢が無いなら、
ピューリトゥーイを置いて行く。
[それを見付けられるか、分からないが。
回復薬を運んだのがノーラだと知るのは、失われた医師の卵の青年に瞑目して、再び両眼を見開き──後なのかもしれない。]
――…こら、そこはおじさんじゃないと
フォローをいれるところだろうが。
[冗談めかして笑ってから
切れ切れに聴こえる謝罪の声には目を瞬かせて]
…気にすることじゃあない。こちらこそ…
[続けようとして、首を傾ぐ。
言おうとした言葉は何だったのか…靄がかかって。
―――…思い出せない、まただ。一つ咳が出た。]
…行こう。治るかもしれない…。
お前も…アーベルも、…皆。
[今度はブリジットに手を差し伸べる。
撫ぜる――…それ以外に幾度か伸ばされようとしていた手。
その衝動の正体は、まだ自分でも判別つかぬまま。
その先に、悲しい知らせが待っていることもまだ知らぬままに。**]
[ノーラとベアトリーチェを邪魔しないように、ゲルダの腕をそっと引いた。
>>81エーリッヒに向けた言葉は、ヘルムートの何時ものよく通る声ではなく、低く静かだったが。ゲルダの眼を見詰めながら言った声は、更に低く、抑えられた分熱の籠る、囁きに近い声だった。]
私は、誰も「見」殺しにしない。
[ゲルダの手を取り、サーベルの鞘に触れさせる手「ピューリトゥーイを置いて行く」と言う言葉に重ねる暗喩。]
だから、ゲルダ。
誰かを見殺しにする想像は、君はしなくていい。
[目の見えないベアトリーチェが自分達に気付くなら、ゲルダと自分だと伝える為に、腰を落とす。ノーラはまだ涙を流しているだろうか。小さな盲目の少女を眼差す以外に、もう目蓋は落とさない。]
―― 回想 2階6の部屋 ――
[ゲルダと一緒にここにやってきてから。
壁に寄りかかるようにして、石になりかかった青年の周りの出来事を見ていた]
(………うるさ、い)
[彼がまだ無事でいる。それを確認してから、気が抜けて。
顔の見えない人たちが、誰で、何を話しているのか。
集中しているのがしんどい]
[いらいらと、指でもたれている壁を叩いている自分に気がついた。
病人の側に、誰かが残っている。
それだけを見ると、カルメンを探しにふらりと扉を出た]
………かるめ、さ
か ルメン、さん
[名前を呼ぶ。彼女を探す。今度は、忘れない。
一つ、一つ、扉を開けて。
でも、左側に並ぶ扉しか、見えない。
とうとう二階は探し終わってしまって、一階に、下りた]
[カルメンが好きだと言った、詩の内容を、思う]
……い、え ……
[家を、出る。家。
比ゆ表現だ。何を表す? カプセルを見る。いない。
ぐるぐる、行ったり、来たり。
一階の捜索をあきらめて、カルメンの居場所を見つけるのはもう大分経ってから]
―― 衣裳部屋 ――
[奥の扉を開けたとき、視界の端で何かが動くのを見た。
一人の女性……ああ、カルメンだ。
それと、その側にいるのは、誰だろう]
………かる、めん
ごぶ ごぶじ、です、か?
[そっと、声をかけた**]
―図書室―
[>>24 ライヒアルトの困惑に苦笑を浮かべる。]
今はダメでも、メデューサが治ったら。あなたは健康なおとこのひとでしょ。
[険しくなる天鵞絨に目を伏せる、けど。]
うん。先を。目指す為に来た。生き残る為に。
[>>30気が利く方ではないと言われ瞬き。]
あたしには充分すぎる。勿体無いくらい。
[続く言葉に、頷いて涙が溢れる。]
ありがとう。忘れないから。
[奥の方へ行ったライヒアルトが戻ってくるまで少しの間泣いた。嬉し泣きだから苦しくはなかった。]
[>>52ライヒアルトが戻って来て、穏やかな言葉をかけてくれた。]
もう少しだけ。
[ぽつぽつと昔を語る、冷凍睡眠の三年前に流産した事、それが理由で付き合ってた恋人と別れた事、
救われたくて修道院へ入った事。]
あの後メデューサが流行って、子供が産まれててもメデューサにかかった可能性もあるって慰めてくれた人もいたけど。慰めにならなかった。
[メデューサを発症してここへ来る事に決まった時に別れた恋人が会いに来た事。]
あたしが生き残っても子供が産めないから意味がないからここへ来る権利をくれって迫られたけど、結局、病状が進んでて、あたしの目の前で石に。
だからあたし、亡くした子の分も彼の分も生きようと思ったけど。今は、あなたの傍にいたいから、
生きたい。
[話してる途中にヘルムートが来たか>>72その間は黙り込んでヘルムートの話を聞いて。]
―衣装部屋―
>>88
[話をしていると、誰かの気配……
振り向くと、そこにはオトフリートの姿。]
カルメンはここです。
[彼もまた捜していたのだろう。
呼びかけた。
カルメンは彼の前でどんな顔をしただろう。]
[メモの事を聞けば、一瞬浮かんだ希望。でも、ゼルギウスの差し金とわかれば表情をくもらせ。ヘルムート達が去った後だろうか、口を開く。]
あたしは生きたい。生き残りたい。ライヒと。でも、今のあたし達の状況はそのゼルギウスって人のせいかもしれないんでしょう。
[冷えた下腹。石になりかけてるか、なってしまったのは……子宮だとわかる。弱っている所から侵されるのか。
このまま病状が進めば、命に関わる。今は目だけに見えるライヒアルトだって。]
怖いよ。ライヒに死んで欲しくない。死にたくない。でも、信じられるかわからない人に命を預けるのも、怖い。
どうしよう。
[彼の答えを待って、彼の決断に付き合おうと考えている。決断を促そうと*ライヒアルトを見つめた*]
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