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清掃員 ゲルダ に 1人が投票した。
シスター ナターリエ に 1人が投票した。
写眞家 アーベル に 2人が投票した。
娼妓 カルメン に 5人が投票した。
教員 オトフリート に 4人が投票した。
政治家 ヘルムート に 1人が投票した。
娼妓 カルメン は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、医大生 エーリッヒ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、清掃員 ゲルダ、植物学者 ライヒアルト、令嬢 ブリジット、シスター ナターリエ、研究員 ハインリヒ、盲目 ベアトリーチェ、写眞家 アーベル、職人見習い ユリアン、教員 オトフリート、消防士 ダーヴィッド、政治家 ヘルムート、星詠み ノーラ の 12 名。
風邪、ひかないでね。
[屋上に残ると言うノーラに言って、手を振る。]
面白いでダメなら、有益なもの。
[そう言って笑って。天鵞絨が指す方へ向かう。そこには本がたくさんあった。]
うわぁ、図書室。有益なものも面白いものもありそう。
●業務連絡●
ヘリコプターのドアが開きました。
実は中にゼルギウスからのメッセージと生存人数分の薬(注射器)が入っています。
これを打つことで全員10%回復をします。LVも回復します。
そのあと症状悪化ランダムをしてください。
-------------------------------------
回復のクスリ、お届けします。
あとは研究所にきてください。
ゼルギウス
-------------------------------------
なお、打つ打たないも自由となります。
ヘリから薬と手紙を見つけるRPは
<<星詠み ノーラ>>か<<政治家 ヘルムート>>か<<盲目 ベアトリーチェ>>あたりに無茶ぶるか、ノーラさんお願いします。
―3階―
――え、
[誰を。]
[言葉が途切れた。]
私――、…
[待っていた。
けれども、来なかった。
だって、――― 。だから意味などないと――]
─三階・図書室─
……有益なもの、ね。
何かあればいいんだが……。
[呟きながら、先へと進む。
扉の前を通るとき、振動のようなものが走ったのは、気のせいか、否か]
……?
[後で確かめるか、と思いつつ。
まずは、図書館へと足を踏み入れた]
[髪を撫でられる。その温かさが、どこか儚く感じて]
でも、大丈夫なの。
私、ね。起きたとき死んでもいいと思ってた。
だって、このまま病気が治っても、私が生きていくのは問題が一杯あるんだもの。
でも。
でも、今は、死ねないの。
私が死ぬと、この糸が切れてしまうから。
[階段を上へと。ゆっくり上がって]
●業務連絡●
ノーラさんがコミットアンカー可能とのことなので、甘えてしまいます。よろしくお願いします。
それと、今日とくに天声ですることはないのですが、
いろいろ助けて天声!はメモでおっしゃってくだされば対応いたします。
あと、みなさん、あまりご無理なされませんように。
注射…
[すぐに思い浮かべるのはエーリッヒの顔。
彼なら皆にこれを打てるはずだ。]
本当に回復…するのかしら。
それにこれを持って杖をついてなんて降りれない。
…ぁ
[糸が近づいてくる。]
[揺れていた所為で零れた奥底。
喘ぐ様に謂ったのは
同時によみがえる記憶の拒否だろうか。]
――… …―― ッ
[でも、と謂いかける。
――自分の言葉に驚いたようにまた口元を覆う]
どうして、そんなことを 聞くの
/*
申し訳ありません。
先に中発言で表に出ることをお許し下さい。
お墓の皆様、お疲れ様です!
回想は間に合いませんでし、た。
其処も申し訳なく。
そして何より、村建て様は
進行とか、キャラとか色々お疲れ様!
いろいろと労いたいこと、謝りたい事はありますけど、
ほどほどで、今は抑えておきますね。
エーリッヒさん大丈夫? 足。ごめんね、無理させたよね。
[階段を上がりきると、エーリッヒの傍を離れる。手を一度握って、もう一度その温かさを確かめた]
エーリッヒさんはここで休んでて。
段のないところなら、私一人で大丈夫だから。
[笑みを作ると、その場を離れる。上に、さらに階段の先にノーラがいるのがわかる。蛇がいるかもしれないと、慎重に足を運んで。壁伝いを手で確かめながら、見つけた扉に手をかけた]
[静かに開けたドア。誰かの気配を感じて身を竦めた。部屋に流れる機械音]
誰かいるの?
[扉には研究室の文字があったけれど、見えるはずもなく]
これって、パソコンの、音?
/*
やあ。
リディさんとイレーネさんはいらっしゃらないのかな?
カルメンさん、お疲れ様でした。
ギュン様も、あまり無理なさらないようにね。
僕は、自分の死にざまが分らないとRPできないので、
しばらく傍観してます。
―研究室―
[画面のOpenの文字を見て、ふうっと息をつく。
屋上のヘリの部分にも緑の点滅がついた。
きっとこれで、開く…と思った。]
>>10
[ドアが開いたのに気づいたのはそのあとだった。]
[けれどまだ遠い糸。足はまだ大丈夫。
左の杖をその場に置いて左手に鞄、右手に杖を持ち立ち上がる。]
…蛇だけは…出ないでね。
[願いを込めて屋上の階段を下り始める。]
/*
いらっしゃるのは。
ぎゅん太くん、エーリッヒさんと、イレーネさん?
……なんだかお名前を呼べるのが嬉しいのです、が!
皆様、お疲れ様でした。
そしていろいろ、有難うございました。
─ 二階6の部屋 ─
上を見て来る。
上に危険が無さそうか、
むしろ二階が危険になりそうなら、担いで行こう。
[と言って立ち上がり、アーベルを見下ろす。]
そう言えば、私は名前を知らないままだ。
―図書室―
少なくとも、植物図鑑とかはあるかも。……必要ないか、ライヒには。
[振動はお腹に響いて、不思議に思ったけど、ライヒアルトが気にしてないようだから口にせず。椅子に座って本ではなくライヒアルトを見る。]
ね、ライヒ。あたし、ね。
[言いかけて口ごもる。けど、黙っているのも苦痛で。]
あたし、あなたの子供が見たい。本当は、あなたが子供の時を見たいんだけど、それは物理的に無理だから。でも、あたしは。
[喉に不調はないのに、喉が詰まった気がする。それでも頑張って言葉を続ける。]
……あたしは、方舟に乗る権利、本当はないの。抽選には選ばれたんだけど。
[胸が詰まって、それ以上言葉にできなくて。*下腹をそっと撫でている*]
[髪の隙間、そ、と開く蒼
ぱちぱちと幾度か瞬いて、触れる音]
……?
[見回しても音の先は、無い]
ここ、は?
[辺りを認識する為の、誰にともつかない問い]
[届く音は
耳の奥、キィキィと少し高く鳴いている]
……。
[随分と変質して聴こえるそれに、
緩く首を左右に振って、微笑。]
/*
あ、イレーネさん居られた。
カルメンさんも回想間に合わずは、ドンマイでした(なでなで
墓ログ読み終えてギュン様宛て。
マゾイ子はね……そうなるだろうなぁとは思ってたから。
回数制限した方がいいんじゃないかなって……。
じゃないと、ランダの意味がなくなるような……とは。
付け足さなくても死にかけだった、エーリッヒが云ってみる。
―3階―
…誰か!
[こつこつ、と松葉杖の音を鳴らしながら階段を下りて声を上げた。左手にはケースが握られている。
来た道を戻るように角を曲がって歩いていく。]
[本当に一瞬だけど、
リーチェがカルメンに見えた。
自分でも不思議だった。
今も不安がっているのだろうか。部屋で大人しく待ってくれているだろうか?]
>>19
ああ、ここは研究室みたいだ。
パソコンがあってね。操作してたんだよ。
今、館内のキーをアンロックできたはずなんだけど…。
―3階廊下―
ベアトリーチェ!
誰か…
[糸の導きか、命が通じたのか蛇は姿を見せず
研究室が見える通路まで辿り着けるだろう。]
だれか、…
…エーリッヒ。
ところで、リーチェはここに一人で来たのかい?
一人だと3Fは危ないから…。
[パソコンから他の情報も出せないものかと弄っている。]
………?
[ふと廊下に異変を感じる。]
─三階・図書室─
[並ぶ本を見て、瞬き一つ。
一部には娯楽書の類などもあるようだが、大半が専門書]
……ん。やはり、薬学関連のものが多いな……。
[背表紙を確かめながら呟いた所に聞こえた、言葉>>16。
天鵞絨に浮かぶのは、戸惑い]
……俺の子供、ってな。
それもそれで、多角的な観測から無理だろうが。
[病が身体に与えている影響、そこから理論をめぐらせれば、答えは明快。
更に続けられる話。
天鵞絨は、今度は険しさを帯びる]
……資格があろうとなかろうと。
ここにいるのであれば、先を目指す。
そういうものじゃない、か?
[又顔を研究室に戻し]
研究室? ロック解除できたの?
なら、ここからでも屋上までいけるのね?
それなら、あの長い階段を上る必要もないんだ。
[嬉しそうに言葉にする]
今、ノーラさんの声が聞こえたの。
呼んでるみたいだった。
ううん、エーリッヒさんと来たのよ。階段のところで、待ってるはずなの。
[廊下から聞こえる自分を呼ぶ声にもう一度廊下を見た]
ノーラさん?
私、ここにいるよ。どうしたの?
分かった。
一緒に行くか、
二手に分かれても良いが。
[ヘルムートが選んだのは、音の規模から推察してヘリポート側へ向かうルート。階段を出来得る限りの速度で駆け上がり──]
ヘリの入口に、
フロアへの扉が開いている?
[大きくサファイアブルーの両眼を見開いた。]
>>25
ああ、そのはずだ。ついでにヘリももう開くはずだ。
なんとなくだけど、いい方向に向いてきたかな?
[リーチェに向かって笑いかける。]
ノーラ?
僕には聞こえなかったけど……やっぱりあの糸ってやつか?
[そして、部屋の外に出ようとする。]
―3階 研究室付近の廊下―
エーリッヒ…
[ケースの中、12本の注射器だった。2人少ない。
よた、と片方だけの杖でベアトリーチェの前まで辿り着く。]
ヘリコプターの扉が開いて
中から注射器と手紙が…。
注射を打てば回復すると、あったわ。
[ゼルギウスから、とは今は言わないままで]
エーリッヒか、ハインリヒと相談したいのだけど…
……死者?
[眉を顰めた。
一度周囲を見回して、また彼女に戻す。]
見ているだけ、の。
[ぽつぽつと反芻する。]
……私は、なんで
此処にいるの、かしら。
……上手く、 そう
うまく、思い出せなくて、
[思考に掛かる霞を振り払うように
首をゆっくり左右にふった]
……正直なところ、俺は気が効く方じゃないから。
望みの全て、汲み取れんかも知れんけど。
[自慢にならない上に、身も蓋もない事をさらりと言って]
……過去に囚われて、今を失うつもりも。
今に囚われて、先をなくす気も。
どちらも、ない。
それだけ、覚えておけ、な。
[短く言って、図書室の、奥の方へと歩みを進め]
ヘリに乗れるの? なら、助かるのかな。みんな。
[一人一人の顔が浮かんでくる]
ダーヴィッドさんはパソコンの近くにいるから聞こえないのよ。
糸は見えるけど、糸で声は聞こえないの。
[口にしたところで、ノーラの声]
ヘリのドア、やっぱり開いたのね。
注射器? 回復するの?
なら、悪い人から打ったほうがいいわ。
アーベルさんが酷い具合だったから。
先生も、酷かったけど……ノーラさんも足、痛いんでしょう?
―6の部屋―
[出て行く二人を見送る。
そして地面に座り込む]
僕は、病弱、で意地っ張りな王子様の見張りを、するで、す。
[王子様、なんとなく口から出た言葉だった。
だけどその言葉はものすごく適切だと思った。
皆に心配されて、それを受け入れない姿、そしてお付の者に痛い目に合わせれるあたり、まさに王子様]
ふっふっふ……。
そうすると僕はなん、の立場になるんで、すか、ね?
[下らないことを考えながらも見張りの目は緩めない]
[発見は出来なかった。
ゼルギウスからの手紙だけがヘリの床に落ちている。]
注射器は何処に?
誰かがあちらに運んだか。
[ゼルダに頷く。──開いていると。それから、ゼルダに手紙を差し出した。]
[廊下に出ると、ノーラが何か重そうなものを持っている。]
ノーラ?
何?薬?ヘリに?
[ともかく一度そこにおろすように言った。]
そうだな、薬のことは、エーリッヒかツヴァイに…。エーリッヒが階段のところにいるんだっけ?リーチェ?
……気のせい、か。
聴覚には、影響ないはず……なんだが。
[そんな呟きをもらしつつ、本の背表紙を辿ってゆく。
医学書、専門書。
あって不思議のないものたち。
その中に混じって、植物学やら薬草学の書物も見受けられるのは、研究のためか、などと思いつつ]
……俺の資料が、薬物と関わりあるとは思えんけどな……。
[何冊かの見知った著作に、小さく呟きつつ。
ふと、見やった奥には、石像が一体]
―3階・廊下―
…ノーラ?
どうした。
[研究室付近の廊下へ向かうのならば、
恐らくはすれ違っていただろう。
短くとも説明はあったのか、
それとも呼んだ名を探しに先に行ってしまったのか。]
[愉快犯なら、逆に手紙だけを置く事はしないだろう。
そう考えてヘリ内部を調べるが、注射器の入った箱は見当たらない。]
──14人で乗るには狭い。
[医務室のときのように、パニックに陥らなかったのは
人の気配と、音と――声のお陰か]
…ッ…、――
[びくり、と肩を震わせて]
…、っノ、ーラ…?
[詰まりながら 胸元で手を握り締めた。]
…………。
[何か、メモらしきものを持っているような、それ。
近づいて、よくよく見ると、そのままでは手に取れそうになく]
……あんまり、いい気はせんのだが。
これで、砕けるか。
[小さく呟き、取り出すのは山刀。
鞘に収めたまま、かつかつ、と数度叩いた後、思い切り鞘を叩きつける。
数度の繰り返しの後、崩れ落ちる、石。
はらり、落ちたのは、メモ]
……で。
これだけやって、白紙とか言うオチはなかろうな。
[そんな呟きを漏らしつつ。
鞄を下ろして、メモを*手に取った*]
[ゼルギウスからの手紙は、腹立たしいほどに簡潔な物だ。
-------------------------------------
回復のクスリ、お届けします。
あとは研究所にきてください。
ゼルギウス
------------------------------------- ]
うん、階段の方に、いるはずよ
[ダーヴィッドの問いにそう答えて]
回復できるなら、みんな喜ぶよね。
でもツヴァイさんの咳は別のものだって行ってたから、無理かな…。
●業務連絡●
B&Dの石像の持つメモは?
発見者[[fortune ]]で奇数が出ればメモに何かある。偶数の場合は残念ながら読めない。
BとD どちらかがスカでどちらかが当たりです。
手紙…。
[薬を、と。書かれた文面に目を通す。]
きっと効くよ。…すくなくとも、これで悪化する事はないと思う。
[観察しているのならば、バタバタ死なれては困る。そう言う心算なのだろう。
それは多分、完治はしないだろうという予感でもあったけれども。]
飲み薬じゃなくて、注射?
じゃ、誰か打てる人が居ないと…
エーリィ、できるよね。
エーリッヒさん?
[いるはずの場所へ、駆ける]
下に、行ったのかな?
[気配がないと、立ち止まる。ノーラの足が止まった音に気づいて首をかしげた]
[ 先ほどまであそこに 石像は 無かった。 ]
……
[どくん、どくん、と心臓の音が五月蠅くて
他の誰かが喋っていたとしても 聞こえない程。]
――…
[松葉杖をついて一歩、また一歩と近付き]
[引きちぎられたベルトと、石になったエーリッヒを見つけた。]
[14人では狭い。
その一言に、蘇るあの冷たい声。]
…見殺しに、することになるって。
全員では飛べないから。
大勢を生かすために、誰かを犠牲にしなきゃならない。
[俯いて。
声も、握り締めた手も震えていた。]
そんな、予感がするの。
…硬いわ。
[誰がこんなことを。
彼が何をしたというの。]
っ……
[石化した肌は冷たく、あの温もりはもう、どこにもなくて]
えーり…っひ、…。
[こみ上げる感情は渦巻いて
ぱたぱたと涙が零れ落ちて
落ちて、落ちて、止まらない。]
……掠れてる、な。
[記されていたらしき文字はかすれてよくは見えず。
ため息一つ]
ムダな労力を使った、か。
[はあ、と。
零れるのはため息一つ。
とりあえず、視覚に霞がかる自分では、ここでは得られるものは少ない気もしていて]
……向こう側見てくるか。
それとも、誰か、呼んで来るか?
もう少し、休みたいなら、それでもいい。
[ナターリエの所に戻り。
向ける言葉は、*穏やかなもの*]
[ゲルダに頷く。]
ハインリヒ、ライヒアルトあたりも。
人間にした事があるか分からないが、
──注射器自体は扱えるだろう、な。
[最初に回復と言って真っ先に必要なのは、きっとアーベル。
見張りを引き受けてくれたユリアンは、アーベルが王子様がどうこう──掴めない相手だと思いながら、でも信頼していた。]
[多分という声には、瞬き]
そう。
…イレーネ。
[一つ頷いて]
私は、カルメン。
……宜しくね。
[イレーネへ視線を向けると
一拍置いてからそっと笑う]
ここ、に?
[嫌な、予感がした。ノーラの足が動いて、止まるのは、すぐ近く。
手を伸ばした]
……エーリッヒ、さん?
[触れた、冷たい硬いもの。指の形は、さっき触ったときと余りかわらずに、ただ、温もりと肌の柔らかさが欠けていて]
見殺し?
[フロアに向かい掛けて、ゲルダの言葉に足を止める。]
ヘリが開いたのは、今さっき──だろう。
誰がそんな事を。
……予感か。
[もう一度ヘリを振り返る。]
乗れて、10人程度だろうか。
ベアトリーチェは軽いから、11人。
否、詰め込んで12人──飛べるのか。
[ゲルダが震えている事に気付き、首を横に振った。
彼女の肩に両手を置く。
冷たい声を聴いたとは知らない。その事実を聞いても理解出来ないかもしれない。だが、手のひらでなるべくしっかりとした温もりを伝えるように。]
>>51
……ノーラ……。
[石になったエーリッヒをノーラをただ見てるしかできない。]
>>54
うん、ここに……。
[リーチェがうまく手を伸ばせないなら、少しだけ介助して……。]
首のベルトが切れてる……。
[ノーラが泣き崩れる様子に顔をふせる…。]
/*
赤ログの子>
滅茶苦茶見えてる、よ!
御願いします。色々と有難う。
今日、お休みだから、さ。
ホントは今日、
いろいろ赤らしくはっちゃけるつもり
だったん、だ。
あんまり場を創りきれない赤でごめんね。
[頬から、唇、顎、首へ細い指先が滑り落ちる。
生きていた時、こんな風に触れたことなんてなかったのに。
頬を伝って零れ落ちる涙のように指先は下に降りて
そして――
胸元へ辿り着く。]
…貴方の願いは
[服の胸ポケットから鎮静剤を4つ取り出して]
――叶えたくなかったわ。
[自分のポケットにしまい込んだ。]
さっきまで、温かかったの。
ついさっき、階段で落ちそうになったのを、止めてもらったの。
頭を、撫でてくれたの。
声だって、かけてもらったの。
ど、……。
[どうして、と紡ぐより先に、零れて来る涙。声が出せずに、口を押さえた]
あっ…………。ぁ、。
[離れなかったら。自分が上に来なければ。ついてきてもらっていたなら。
何より。誰が。
彼の命を奪ったというのだろう]
[沈黙が続く。
睡魔が襲い掛かる、そして体の痛みがそれを後押しする]
ふぁぁぁ……、眠くなるです。
でも、寝れま、せんで、す。
[後を任された以上寝てしまいましたじゃ話にならない。
誰かが戻るまでは攻めて起きていなければならない]
アーベル王子、恐れ、いりませ、んがお話し相手にな、れです。
お差し支えなければ、なぜ? そんなに、死、に急ぐか教えてくれ、ま、せん、かー?
[純粋な興味だった。
止めるつもりはない、それでも理由は気になったのだ]
[ここからは聴こえない…、ノーラの泣く声が。
だからまだ知らない、エーリッヒがどうなってしまったのか。
しゃくりあげる声にただブリジットの頭を何度も撫ぜて]
…少しくらい、ゆっくりしたっていいさ。
[堪えなくていい、と。
亜麻色の髪を見下ろす先に、白の花弁。]
[静かに頷く。
両肩に触れる手は、しっかりと大きく、暖かい。]
なるべくなら、みんなでいけるといい…けど。
……っ!?
[びくり、と身を竦ませる。]
なんで、…だれ、が……。
エー…リィ…。
[唇を噛み締める。摘み取られた命を、感じた。]
/*
すみませ、ん
連日のアレやソレで、
ちょっと寝不足気味なので今日は失礼します。
皆さんおやすみなさい。
そして、イレーネ、有難う。
付き合ってくれて、嬉しかった。
大好きよ。
*ノシ*
[肩が震えて、息が上手く出来ない。しゃくる喉。
何かの間違いだと思いたかった。別の人なら、と思う自分が嫌だった。
まだカプセルの中で夢を見ているのだったら良かったのに――]
い、や。
やだ。やだ。
エー、リッヒさんは、しんじゃ駄目なの。駄目、なの。
[どくん、どくんと動悸が激しくなる。病気ではなく。
その、冷たい体は、何より死を実感させて、少女から冷静さを失わせた]
[肩を手を置いた事が不味かったか、と離しかけ、]
エーリッヒ?
──彼に何かが。
[唐突にゲルダの口から零れた名前に驚いて、ゲルダの顔を覗き込んだ。]
……貴方は、優しすぎるの。
いつも、いつも…笑ってばかり。
…ばかよ。
騎士の誓いだって…っ、…
[手の甲に触れてくれたあの唇はもう硬くて冷たい。
揺れる視界でもう一度見上げて、そして――]
[そっと触れるか触れないか、彼に唇を寄せた。]
[生まれて初めての口付けは
――冷たく硬い石のようだった。]
[しばらくは様子を見守っていたが……]
すまない。みんなの様子をみてくる。
あと、なるべく一人にはならないように…。
リーチェ、ノーラから離れるな……。
[そして、二階に向かって歩き出す。
途中、ハインリヒとブリジットに会えば、しばし沈黙したあと、エーリッヒのことを告げるだろう。]
……こんばんわ、おねえさん。
[暗闇からスッと現れ、カルメンに語り掛ける。]
残念ながらここは行き止まり。不毛の世界。
死は安寧とも人は言うけど、見るだけの苦痛は計り知れず。
さあさ、嘘を吐いているのは誰と誰と誰と誰と誰?
貴方も悲しいのね。ベアトリーチェ。
エーリッヒのこと…好きだった?
そう、私 …彼の事、好きよ。
それなのに酷いわね。
…ほんと、こんな突然の別れだなんて。
酷すぎるわ…
なんとか、言いなさいよ…――エーリッヒ…!
[ぺたりと足に触れても、もうそこに彼の温もりは―――ない。]
[周りの声は何も聞こえなかった。音も。
泣いては駄目だと言い聞かせて、しゃくる喉を落ち着かせて、流れるままの涙を止めようと、手で拭う]
泣かない。から。
だから。
[嘘ならいいのに。夢ならいいのに。
耳に流れる音波のような音が、次第に大きくなる。
それ以外は無音で、心音すら良く聞こえなかった。
ようやく止まった涙が、又出てこないようにぎゅっと目を閉じる]
―二階・6の部屋―
[暗い顔で戻ってくると、そこにいたのはアーベルだけだったろうか?
エーリッヒの死を告げ、カルメンの居場所を訊く。
が、たぶん、返事は知らない、というものだっただろう。]
どこにいった?
[そう、いなくなって会うたびに、いつも混乱している彼女…それでも放っておけなくて……。
一部屋ずつ、呼びかけながら探す……。]
[コールドスリープから目覚めた時と同じような。
頭の芯が、ぼぅとした状態で目覚める。]
あれ、僕は……。
[唯、コールドスリープから目覚めた時と違ったのは、
――見ていた夢。
翼を抱えて、雨に濡れていた。
その雨が、酷く切なくて愛しくて。]
嗚呼、泣かないで……。
[いつもよりもっと上から見下ろす形で、涙を流す星詠の人を見た。
――夢で降っていた雨は、彼女が降らしたものだろうか。
涙を拭おうとする指は、届かない。]
ごめんね。
[生きたいと願ったけれど、生きようと思っていたけれど。
どこか――そう長くないんじゃないかって、感じていた。
引きちぎられた首輪。
自分は殺されたのか――ぼぅっとして思い出せない。
でも、もし、殺されなくとも盲目の少女を助けた時に……。
そのことに後悔なんて、していないけれど。]
よろしくお願いします。
[石像となった自分の胸元から取り出される錠剤。
その数までは見えてなくて。
見えていたら、訝しんでいただろうけれど。]
[声がした。ようやく、届いたのは、ノーラのエーリッヒを呼ぶ声]
ノーラさん……。
[きっと自分よりも辛いのだろうと、ノーラのほうへ手を伸ばす。座り込んだノーラの肩に触れると、そろそろとその髪を撫でた]
ううん、あのね。
エー……。
[名前を呼ぼうとすると、涙腺から涙が滲む。又拭って]
ノーラさん、元気、出して、ね。
[ぽんぽんと、母親が泣く自分をあやしてくれたときのように、優しく叩く]
ベアトリーチェさんも、落ち着いて、ね?
ノーラさんと一緒に、生きて。
[盲目の少女のしゃくりあげる声に、そちらを向く。
伸ばす手はやはり、届かなくて。]
―――…。
[困ったなっと、頭を掻く。
これほどまでに動揺を与えてしまったことに罪悪感。
ベアトリーチェを慰めて欲しいと、再度ノーラを見やる。]
あっ……。
[自分だったものの唇に触れる、星詠の人の唇。
自分の指先を、霊体である自分の唇に触れる。
つぅっとその指に伝うのは雫。
なんだろうと水跡をたどれば、自身の眦へ。
我知らず――涙が零れていた。]
──まさか。
[イレーネの名前を呼びかけ、口端が震える。ゲルダの肩に置いた両手を一度だけ温めるように彼女の腕まで滑らせた。抱擁にならない程度に背を抱き、それから離れて。首を振った。鮮やかなサファイアブルーの瞳は、虚空を睨む。]
否、行こう。
殺人者が居るなら尚更。
辛い か?
[彼がフロアへ向かう途中蛇が出るのか──{6}-{6}。]
―衣装部屋―
[そして、みつけたのは衣装部屋……。
色あせてはいてもいろいろな衣装の中に、丸くなって……。]
………カルメン……どうした?
[その手を取って、話しかける。
でも、やっぱり今までと同じく……きっと、多くを彼女は語らない。
うっすら目を開けて、暴れはしなかったけど、悲しくこっちを見ている。]
カルメン……?
[その顔はでも、泣いているだけじゃなくて、笑っていたりにも見えただろう。]
[胸に去来するのは、幸せの後悔。
――彼女の心に触れなければ、悲しませずにすんだかもしれない
そう思いながら
――自分の死を悼んでくれる、彼女に人々に
自分という存在があったことが嬉しい
そこに、自分が生きていた意味があった気がして。]
ごめんね……。ありがとう……。
[自分勝手な幸せと後悔を胸に。
もう一度、謝罪の言葉とお礼の言葉を紡いだ。]
…だいじょう、ぶ。
[包まれた腕の中から返す声は、掠れて弱いけれど。]
止めなきゃ、いけないもの。
行くよ。
…行って、なんとかしなきゃ。
[毅然とした背中を、見失わぬよう追った。]
カルメン………
君は大丈夫?
[浮かぶ、メモのパソコンの情報。
ピューリトゥーイは、情緒の変化、攻撃性の増加をもたらすという……。]
カルメン、君は、…大丈夫?
カルメン、君は大丈夫?
じゃあ行こう、ゲルダ。
[一旦、図書室の方へ入りかけ、ライヒアルトに出会う。手短にヘリで発見した事とエーリッヒの事を伝え、知らないと分かると休憩室を抜け──、最後はノーラとベアトリーチェの場所へ辿り着く。]
……………。
──エーリッヒ。
[そこにあるのは、生きたエーリッヒでは無く石像。小さな少女の手がノーラのほっそりとした背中を母親のようにぽんぽんと撫でている光景。]
[知っていたのに。感じていたのに。
姿を見て実感する。失ったものの大きさと、失われた無念。]
…エーリィ。
[潤む視界を、袖口で拭う]
[ノーラの傍を離れないように、手を伸ばす。触れるのは石になったエーリッヒの体]
……。
出来るか判らないけど、エーリッヒさんの代わりに、私がノーラさんを護るね。
[もう一度、最後に触れた腕を取る。
きゅ、と硬くなってしまった掌を*握り締めた*]
red
ピューリトゥーイ ×3
続けて経過観察中。
とくにピューリトゥーイに関しては、成果が期待できるが、副作用として、情緒に変化、衝動的に攻撃性が高まる危険在り。
[すでに記憶している文章を思わず、反復する。]
エーリッヒ。
[金の髪の青年。柔らかな物腰と人を安心させるエーリッヒの笑み。
彼がヘルムートに、否、目の前のノーラやベアトリーチェに見せていた表情。
石像になってしまっても、それらが浮かんで離れない。沈黙。]
──エーリッヒ。
我々に、ヘリに乗るしか選択肢が無いなら、
ピューリトゥーイを置いて行く。
[それを見付けられるか、分からないが。
回復薬を運んだのがノーラだと知るのは、失われた医師の卵の青年に瞑目して、再び両眼を見開き──後なのかもしれない。]
――…こら、そこはおじさんじゃないと
フォローをいれるところだろうが。
[冗談めかして笑ってから
切れ切れに聴こえる謝罪の声には目を瞬かせて]
…気にすることじゃあない。こちらこそ…
[続けようとして、首を傾ぐ。
言おうとした言葉は何だったのか…靄がかかって。
―――…思い出せない、まただ。一つ咳が出た。]
…行こう。治るかもしれない…。
お前も…アーベルも、…皆。
[今度はブリジットに手を差し伸べる。
撫ぜる――…それ以外に幾度か伸ばされようとしていた手。
その衝動の正体は、まだ自分でも判別つかぬまま。
その先に、悲しい知らせが待っていることもまだ知らぬままに。**]
[ノーラとベアトリーチェを邪魔しないように、ゲルダの腕をそっと引いた。
>>81エーリッヒに向けた言葉は、ヘルムートの何時ものよく通る声ではなく、低く静かだったが。ゲルダの眼を見詰めながら言った声は、更に低く、抑えられた分熱の籠る、囁きに近い声だった。]
私は、誰も「見」殺しにしない。
[ゲルダの手を取り、サーベルの鞘に触れさせる手「ピューリトゥーイを置いて行く」と言う言葉に重ねる暗喩。]
だから、ゲルダ。
誰かを見殺しにする想像は、君はしなくていい。
[目の見えないベアトリーチェが自分達に気付くなら、ゲルダと自分だと伝える為に、腰を落とす。ノーラはまだ涙を流しているだろうか。小さな盲目の少女を眼差す以外に、もう目蓋は落とさない。]
―― 回想 2階6の部屋 ――
[ゲルダと一緒にここにやってきてから。
壁に寄りかかるようにして、石になりかかった青年の周りの出来事を見ていた]
(………うるさ、い)
[彼がまだ無事でいる。それを確認してから、気が抜けて。
顔の見えない人たちが、誰で、何を話しているのか。
集中しているのがしんどい]
[いらいらと、指でもたれている壁を叩いている自分に気がついた。
病人の側に、誰かが残っている。
それだけを見ると、カルメンを探しにふらりと扉を出た]
………かるめ、さ
か ルメン、さん
[名前を呼ぶ。彼女を探す。今度は、忘れない。
一つ、一つ、扉を開けて。
でも、左側に並ぶ扉しか、見えない。
とうとう二階は探し終わってしまって、一階に、下りた]
[カルメンが好きだと言った、詩の内容を、思う]
……い、え ……
[家を、出る。家。
比ゆ表現だ。何を表す? カプセルを見る。いない。
ぐるぐる、行ったり、来たり。
一階の捜索をあきらめて、カルメンの居場所を見つけるのはもう大分経ってから]
―― 衣裳部屋 ――
[奥の扉を開けたとき、視界の端で何かが動くのを見た。
一人の女性……ああ、カルメンだ。
それと、その側にいるのは、誰だろう]
………かる、めん
ごぶ ごぶじ、です、か?
[そっと、声をかけた**]
―図書室―
[>>24 ライヒアルトの困惑に苦笑を浮かべる。]
今はダメでも、メデューサが治ったら。あなたは健康なおとこのひとでしょ。
[険しくなる天鵞絨に目を伏せる、けど。]
うん。先を。目指す為に来た。生き残る為に。
[>>30気が利く方ではないと言われ瞬き。]
あたしには充分すぎる。勿体無いくらい。
[続く言葉に、頷いて涙が溢れる。]
ありがとう。忘れないから。
[奥の方へ行ったライヒアルトが戻ってくるまで少しの間泣いた。嬉し泣きだから苦しくはなかった。]
[>>52ライヒアルトが戻って来て、穏やかな言葉をかけてくれた。]
もう少しだけ。
[ぽつぽつと昔を語る、冷凍睡眠の三年前に流産した事、それが理由で付き合ってた恋人と別れた事、
救われたくて修道院へ入った事。]
あの後メデューサが流行って、子供が産まれててもメデューサにかかった可能性もあるって慰めてくれた人もいたけど。慰めにならなかった。
[メデューサを発症してここへ来る事に決まった時に別れた恋人が会いに来た事。]
あたしが生き残っても子供が産めないから意味がないからここへ来る権利をくれって迫られたけど、結局、病状が進んでて、あたしの目の前で石に。
だからあたし、亡くした子の分も彼の分も生きようと思ったけど。今は、あなたの傍にいたいから、
生きたい。
[話してる途中にヘルムートが来たか>>72その間は黙り込んでヘルムートの話を聞いて。]
―衣装部屋―
>>88
[話をしていると、誰かの気配……
振り向くと、そこにはオトフリートの姿。]
カルメンはここです。
[彼もまた捜していたのだろう。
呼びかけた。
カルメンは彼の前でどんな顔をしただろう。]
[メモの事を聞けば、一瞬浮かんだ希望。でも、ゼルギウスの差し金とわかれば表情をくもらせ。ヘルムート達が去った後だろうか、口を開く。]
あたしは生きたい。生き残りたい。ライヒと。でも、今のあたし達の状況はそのゼルギウスって人のせいかもしれないんでしょう。
[冷えた下腹。石になりかけてるか、なってしまったのは……子宮だとわかる。弱っている所から侵されるのか。
このまま病状が進めば、命に関わる。今は目だけに見えるライヒアルトだって。]
怖いよ。ライヒに死んで欲しくない。死にたくない。でも、信じられるかわからない人に命を預けるのも、怖い。
どうしよう。
[彼の答えを待って、彼の決断に付き合おうと考えている。決断を促そうと*ライヒアルトを見つめた*]
[女は彼女の深層。
其処にある、自身への疑惑を知らない。
何せ、今の今まで名も知らぬ存在だったのだから。]
……
[イレーネとの名乗りを交わし、
『世界』を見て、そっと頷いた。
霞の晴れぬ、世界。]
真っ暗、ね…
[少なくとも、女に見える『世界』は。
ごく一部から漏れる灯り以外は深い闇だった。
灯りの中に、少しの光景が見える、だけ。]
[2人の側に近寄っていき]
……ふぉ す
[言えない。出てこない。でも、大丈夫。
この人は、大丈夫な人だ。鈍いベールの中で判断する]
[奇妙に右に、右にと曲がりながら、カルメンの体をはさむように、ダーヴィッドの反対側、衣裳部屋の奥側へと、回る]
[膝をつくと、カルメンの髪にそっと手を伸ばした。撫でる]
[守る。止める。
ピューリトゥーリの副作用が落ち着く薬が手に入るまで。
守る。どうして? 教え子だから。
だけども、具体的な方法は何も思い浮かばない]
あり、が、と、
[ダーヴィッドに、言った。
ダーヴィッドがカルメンに何かをするなら、いかなる行為でもそれが彼女のためだと信じて、一歩引いて見ている。
誰かが入ってきて、急な事態の変化が起きるなら。
その緊急の事態に対処が出来ず、反応はものすごく遅れるだろう**]
……?
[見て、息を飲んだ。
ゆっくりと、首を傾ぐ。
事態が、把握出来ない。]
え?
[空虚な音が漏れた。
二人の傍にいる、あの女は、誰?]
わた、し?
[ソレは確かに、自分の容姿と瓜二つの、存在。]
[『イレーネ』は。
死後の世界、という様な事を言っていなかったか。
ならば、何故あそこに?]
…なん、で
[漏れる疑問を解消する存在など、ある筈も無い。
空虚が広がっていく、ばかり。]
死んでる、んでしょ?
わたし、じゃない、だれか?
誰、なの?
[信じられない、という質の声。
誰、と問うても自身以外には考えられない。]
[背を撫ぜる小さな手。
優しい心地。温かい。
それも知らない。解らなかったこと。]
[『転んだ位で涙を見せないで。』
『1人で立てるだろう?』]
[糸すら感じられない、近い距離。
そっと小さな少女を抱きしめて]
…ありがとう。
私もベアトリーチェの為に…
…見つけるために、信じるために――視るわ。
ピューリトゥーイを見つけられれば
貴方を守れるはずだから…
そして、彼のためにも…
[ベアトリーチェの手の先、エーリッヒを見上げ
灰色になってしまった瞳を新緑は見上げる。
まだ眼尻は赤く少し腫れ涙も浮かぶけれど]
生きましょう。
[強い言葉。決意するように。]
彼も…そう望んでいるわ。
[彼の手に手を伸ばして、彼が手を差し伸べてくれたような形。少しだけ力を込めて立ち上がる。石化しながらも騎士のように。]
そうでしょう…?エーリッヒ。
[返事のない問い、杖をついて確りと立ち上がる。
気付けばゲルダやヘルムートの姿もあるだろうか。
スーツケースを一度取りに戻りその場にすぐ戻る。]
ゼルギウス――信じるな…
[再度、ぱかりと開かれた箱の中に注射器が12本。]
けれど――この箱は不吉な星に感じなかった。
ヘリにのってどこかに来いと言うのな…
[その1本、徐に手を伸ばし]
行くまでよ。
[実験するなら見つけた自分から――、
と注射器を腕に刺した。]
[視界に映るのは、カルメンと話すオトフリートの姿。
何の話をしているのだろう。
彼は、呂律が回らなくても、何か必死にカルメンに訴えようと、顔面を引き攣らせながらも、話をしながら……
そのうち、カルメンの反応がなかったのか、薄かったのか、ふっと止めると、ついっと後ろに下がっていく……。]
………。
[そのあと、小さく、カルメンが(せんせ…)と呟く声が聞こえた。]
…っ
[体内に侵入する薬物に軽い眩暈。思わず足に力を込めるけれど、それでは意味がないと頭では理解したが先に足が動いた。]
…!
[動いた?]
足が…
[変色していた足、その色は徐々に薄くなりやがて消えていくだろう。その様子を見ていた者は注射器が本物と気づけるだろう。]
皆にも…これを、…
後、誰かベアトリーチェに…お願い。
[傍に来た人には注射器を差し出していくだろう。]
[僕もまた、それを眺める。
カルメンは、静かにオトフリートに近づいて、
その視点の合わない表情や、呂律の回らない口を眺めていただろう。
そして、また、(せんせ)とだけ呟いて……
その細い指を、オトフリートの首に絡ませたかもしれない。]
カルメン?
それは駄目だ……。
[カルメンは、小さく震えながらも、確かに笑って……
その手をオトフリートの首に食い込ませていくだろう。
一瞬どうしていいかわからなくなる。]
[女の力は思ったよりもとても強くて……。
引きはがそうとしても、かえって、その華奢な指を折ってしまいそうになる。]
カルメン……駄目だ、……離れて……
[オトフリートの首に絡みついて、それは離れない。
段々と、オトフリートの顔が虚ろになってきただろうか…。]
本当に、ベアトリーチェさんの方が騎士みたいだね。
[自分の代わりに星詠の人を護るという、少女の声が聴こえる。
思い出すのは、ハインリヒの手を引いていた姿。]
僕は何も、護れてなんていないけれど……。
[僅か悔しさが滲むのは仕方のないこと。
自分を殺した人が居るなら、恨んでしまうのも。
少しだけ天上を見詰めた。]
さて、僕がこうして在るということは、
彼女達も何処かにいるのかな?
[どんなことにも意味のないことはない
――そうであるならば、きっと此処に在る意味もまた。
医師の卵であった青年は、2人の少女の姿を求めて彷徨う。
カルメンという女性が死に至ったことは、知らぬまま**]
あ………
[千切れるベルト……きっとそれは、それまでも、彼女が自分自身で引っ張っていたせいだろうか。
ゆるんで、いとも容易く……]
カル……
[そして、目の前で彼女はみるみる石化していく。]
/*
おはようございます。
午前中はちょっと覗く程度ですが、
午後は誰か居られたら、超低速で反応できるかもです。
イレーネさんも、寝落ちしないようにですよ。
そろそろ寝落ちが風邪に繋がる季節ですから(ぽむぽむ**
―衣装部屋―
[石になったカルメンを見て、ただ、呆然としていた。
が、ふと、我に返る。
そして、手に握っていたバンドを再び彼女につけようと……
つけようとして、それはぽとりと落ちた。
そう彼女は石のまま……。]
………ッ
[それからはじかれるように立ち上がると、部屋を出ていく。もしオトフリートが呼んだとしても振り返らずに…。]
[そして、部屋を出た瞬間胸に痛みを覚えて一旦蹲るが、
荒い息をしながらも、すぐに立ち上がり、のろのろと移動する。
三階への階段を上る。エーリッヒの石像は上った先にあっただろうか。
それを見ると、顔を伏せ、先によろよろ歩いていくが…
やがて、その途中でやはり胸を押さえて片膝をついた。]
どうして、…
[皆、居たのに。
目の前で、石に。
誰が。ピューリトゥーイ。ゼルギウス。
何がしたいのだ――何が。
階段で立ち尽くす。
震える唇を手で覆った。
繋いだ手も、震える。
ノーラの眸は濡れていて
ベアトリーチェも、
其処に居たならゲルダも泣いていて
けれど、――ノーラの眸は確かな星を宿す。]
─ 階段 ─
[皮肉な事に回復薬は12本。目の前のエーリッヒを除外した全員分あった。
階段を降りて来たブリジッドに、ヘリ内にあった手紙を無言で差し出し、]
ロシアンルーレットでは無いと、
私は考えるよ。
[回復出来る人数と、ヘリの定員が異なっている事が根拠。
これが実験か、悪意あるゲームならば、被験者同士が椅子の奪い合いをしなくては意味が無いだろう。]
ご丁寧に自打ち出来る形態の注射器が、12本。
──人数分ある。
ベアトリーチェに打つのは、
私は怖がらせてしまいそうだ。
[と言って、一番適任そうなハインリヒを見た。]
―階段―
[ヘルムートにメモを差し出され、
ブリジットは包帯に包まれた手でそれを受け取る。]
――“ゼルギウス”
[眉を寄せた。常緑樹の眼の奥に湧き上るのは憤りか。]
どういうつもりなの――この、ひとは
[誰かがメモを見たいというならば、直ぐに渡す。]
12 で 人数 分 ?
待って 足りないわ
……、―― まだ 13人、居る でしょう?
[彼が居なくても、とは謂えなかった。
ずっと、姿を見ていないけれど。カルメン。あの、ナイフを持って居た、虚ろな目の(いつか、の 自分と重なるような)女性。何処へ。]
―3階階段前―
ブリジット…、…
[人が増えれば少し窶れた顔を彼女に向けて
白い花、気になって、違えばよい。だけど僅かな不安。]
…、――みせてもらうわ。
[新緑は深く、彼女を視ただろう。]
私も最初同じ事を考えた。
ユリアンだ、ブリジッド。
だが、エーリッヒがユリアンだった場合は
──その通り。数が足りない。
それに、ヘリはついさっきまで閉じていた。
[ノーラが落ち着き、研究室の方へ行くのを視送る。自身はエーリッヒの像の側を離れずに。
ノーラが戻ってきて注射を打つのをじっと聞いていた。
12人分。エーリッヒはもう、いない]
あと一本足りないわ。ああ。
ユリアンさんはいらなかったっけ。
[呟いた]
[出来得る限りの速度で下る階段に、響く靴音がやけに大きく感じられる。
否、靴音なのか自身の心臓の音なのか。ずっと続いている頭痛が鮮明だ。それに身体がさっきよりも重い。手足に痺れがあるのは、石化が脇腹の傷口から内臓に到達しつつある所為か、それとも市販薬が合わなかったのか。ヘリポートから走っただけでこうなのか。それとも──。]
ダーヴィッド。
──死ぬな。
[名前を呼んで、すぐ目の前にしゃがみ込んだ。
閉じられたダーヴィッドの目蓋。誰もがそうだったが、色の悪くなった皮膚。
指を伸ばし滑らせるのは、ダーヴィッドの首筋。
バンドの数値を確認するため。
──触れた男の首筋は、]
嗚呼。
まだ温かいな、ダーヴィッド。
[息を漏らして、目を伏せた。数値もさほど変わっていない。]
[彼にしてはだらしなく、脚を投げ出すようにして床に座り、]
腕を出してくれ。
一時的かもしれないが、回復薬がある。
[ダーヴィッドの腕を引く。
相手が病状の悪化ではなく、酷く動揺している事にまだ気付いていない。]
[像の傍に腰を落とす。聞こえてくるのはブリジットと、ヘルムートの声。ハインリヒの声もしただろうか]
注射……。怖くないよ。少し、痛いだけだもの。
でも、刺すときは刺すと言ってね。
急に刺されるとびっくりするから。
[ぽつぽつと口にする。
聞こえなかったノーラの声を、思い出した。
好きだったのか、と問われた気がする]
好きだったけど。たぶん、ノーラさんのとは違うの。エーリッヒさんは、違うのよ。
[医師の卵だった青年の魂は、古城の中を彷徨う。
生前の身体の重さを感じさせず軽やかに、
まるで飛ぶように行ける足。
少しだけ苦笑いが浮かぶ。]
どこにいらっしゃるかな……。
[こんなに軽いなら、もう此処には居ないかもしれない。
ふと、そんな想いが擡げるも。
否――と直ぐに思い直したのは何故か。]
あ〜……。
[やがて、割と直ぐに彼女達の姿を見つける。
3人の女性の姿――自分が思うより1人多い。
傍には老人の姿もあっただろうか。]
……大丈夫ですか?
[ちらり――石像になったカルメンの姿を見。
視線は幽体となった彼女達へ。
そして、生前と変わらぬ穏やかな微笑を湛えて、
一先ずは、そう問いかけた。]
―――――――…だ、
れ が…
[ダーヴィッドからの報せのあと駆けつけた階段で、
石になったエーリッヒを目の当たりにすると目を瞠って。
また間に合わなかった…違う。落ちたベルト。
呆然とその姿を見つめて―――次に湧き上がるのは憤り]
―――――………っ、ん で……!
[小さな声で呟くと、右手を像の足へと伸ばした]
このままにしておいて、特効薬が見つかって、それで元に戻らないかな。
[叶うとはあまり思っていなかったが、つい口にしてしまう]
でも、あのヘリで行くなら、ここにはもう戻って来られないのかな。
置いていくのは、寂しい。
[しばらく、気を失っていた。
本当に胸が痛くなって……
それが、病からなのか、それ以外のものからなのか…。
>>120人の気配を感じて、目を開ける…。]
………回復?
[聞こえた咳の音。ハインリヒだとわかると、どこにいるのだろうと気配を探る。
先ほどのヘルムートの言葉を思い出し]
ツヴァイさん、私より先に、重い人に打ってあげて。
アーベルさんとか、先生とか。
私は、後でいいから。
[そう言って、階下へ行こうと立ち上がる。ノーラはもう大丈夫だろうかとそちらを視た]
[ぴくり。]
[見開かれた目、息が詰まる。]
…ちが、
[口元に手を当てたまま、視線はゆっくりと虚空を追う。]
ユリアン、いれないと…11人、だよ。
だって、……カルメンさん。
[震える肩を抱く手に力が入らない。]
[ダーヴィッドの目を見詰め、腕を取り脈を探しながら頷いた。
回復薬の効果。ゼルギウスからの物である事。先ほどノーラ達に述べた推論。現状を全て話そうとする。ゲルダの話の続き、カルメンに言及した部分は、耳に届かないまま階段を下って来た。]
使いたく無い、か?
―――…?
[ゲルダの様子がおかしいことに気付いて、
そちらを向く。…そういえば、まだ名前を知らない。]
…ど した…?
[出てくるカルメンの名に…虚ろな蒼の女性の名に。
つきりと何処かが痛むような感覚、緩く眉を寄せる。]
>>136
………ッ
[まだ胸が痛くなってくる……。
そして、空気が飲み込めない塊のようにどんよりとしていて……。額から、全身から脂汗がにじんだ。
目をまたぎゅっと閉じて……息はしようと口は大きく開けた。]
……あ……
[だから、ヘルムートが何を言っているかが聞こえなかった……ただ苦痛に顔は歪んだ。]
[砕け、千切れていくこころの欠片。]
…あぁ……ぁ……
[蹲り、頭を抱えた。]
人殺し
ひとごろし
[アリス・マクレガー。その名が脳裏に浮かぶ。
赤い、赤い、ナイフと共に。]
欲しいわ
だから、いらない
[ポツリと呟いて、うなだれたまま動かなくなる。]
──…ッ
[ダーヴィッドの腕を強く引寄せ、上着を捲り上げる。
関節の内側のまだ滑らかさの残る皮膚をさすり、浮き出た血管を目指して、注射針を突き刺した。──相手の了承を待たず。
抵抗されて、針が折れては不味いと、ダーヴィッドの身体を壁際に押さえつけ、抱き込むような体勢。]
少し我慢してくれ。
頼む。
[床に投げ捨てる使用済みの注射器。
容態の急変が恐ろしい。背筋が凍り付くようだ。バンドの数値変化とダーヴィッドの歪められた顔のどちらからも目がそらせない。息が酷く荒くなっていた。]
>>145
[痛みにまた意識が遠のいて、もう手放していいと思った時、
腕に何かが刺されて、ビクリと身体を震わせる。
痛さは感じない、熱い、熱くて、冷たい…その違和感に無意識に押しのけようとする動きを何かが制して、そのままただ、動けずいたけど……。
痛みの頂点が過ぎたようで……下り坂を感じる感覚にほっとしたけど、痛みが逃げると同時に浮かんでくるカルメンの顔…。]
……あ……
[思い出して、また震えた。]
………僕が………
[ヘルムートの肩口で掠れた声をだした。]
………僕が………ころし………
[そこまで言いかけた時、今度は深い睡魔が頭を包み込んだ。*]
…ひと ごろし、
[拾えた声を反芻して、
吸い寄せられるようにゲルダを見つめる。
―――…あの時と同じような、
…どの時だ…?―――――…思い出せない。
思い浮かんだのは…鏡の、]
…大丈夫か…?
[うなだれる姿に、慌てて駆け寄る。]
[階段を降りようとする時、ゲルダはなんと言ったのだったか?
そして、──今、ダーヴィッドは何と言ったか?
ゲルダの言った言葉を尋ねるように、強い眼差しでブリジッドを見た。]
[少しだけ立ちくらみを感じて、咳をした。
呻き声が聴こえるとそちらを見る。]
…ダーヴィッドと…お前さんは、大丈夫か?
[ヘルムートにそう声をかけてからゲルダの様子を窺う。
眸を覗くようにしたのは、カルメンの姿を思い出したからかもしれず]
カルメン。
……彼女 を。
ッ、 く──
[人間の頭部は存外に重い、ダーヴィッドの首筋のバンドを確認しようとして、己自身が上手く動けない事に気付く。衣服で分からないが左脇腹から腰に掛けてが、不味くなっている気がした。だが、ダーヴィッドの吐息で皮膚が僅かに湿るのが分かる。]
ダーヴィッドは、
生きてる。
[緩慢な動作で、意識を失ったダーヴィッドに負荷をかけないよう、床に倒れ込みながら、赤毛をまさぐり──数値を確認した。]
数値 さがっ……た。
[ブリジッドに、理解出来た助かると言う風に頷いた。──ぎこちない動作だ。
それから首を横に振る。スローモーション。ブリジッドだけではなく、ハイリンヒにも、その場に居た全員に、特に動かなくなってしまったゲルダに届くように、出来得る限りの明瞭な声で言った。]
ダーヴィッドで
なければ、
私が
カルメンを殺した
かもしれん。
[もう一度呻き、サーベルの鞘に触れようとする。ハインリヒが声を掛けてくれた事に気付くが、己の事となると答え方が思い付かなかった。]
[ケホ…咳の後、ゲルダの首の数値を確認して。
虚ろな眸を隠さぬゲルダの頭を撫ぜて離れる。
――…その色を見る度、脳裏が揺れそうになる。
ダーヴィッド達へと振り返ったのは、
眸から目を逸らすためでもあったかもしれず]
薬…は、本物って…わけか。
[ヘルムートの報告、注射器を探すように
紺青を泳がせてからヘルムートの下へ向かう。]
腕、出せ。
[相手が動く前にヘルムートの腕を掴むと
袖を捲くって手早に注射を打った。]
発作……。
[その一言に、少しだけ歪む表情。
嗚呼、生前気がつくことが出来なかった。
リディもイレーネも、石化病と持病とを抱えるのは、
どれほど負担だったろうと。]
ごめんね。持病があるのに気がついて上げられなくて。
悲しいのも苦しいのも当り前だよ。
だって、君の心はまだ此処に在るんだから。
胸が痛むのは何も、身体だけからくるものじゃない。
[慰めるように、優しく、彼女の髪を梳いた。]
[少しの空白の後──、]
一本寄越してくれれば、
多分、自分で打てる。
……ダーヴィッドが、見た目より重いんだ。
[口端を僅かに捲り上げて、そう言った。けれども、ハインリヒの処置には素直に従う。体内を流れる冷たく熱い薬液──手足の痺れが取れ、感覚が戻って来る。そう、左脇腹の縫合後が引き攣れる痛み。身体の軋みが。]
意味、は、
──恐らく、
ダーヴィッドが
カルメンを殺した。
少なくとも、死を確認している、と思う。
[胸を上下させて、息を吐いた。意識を失う際のダーヴィッドの言葉を、先刻のブリジッドのようにハインリヒに伝え、]
恐らく、それで酷くショックを……。
とは、推察に過ぎない。真実は、彼の意識が戻らない事には。
否、二階へ向かう方が先か──。
[カシャンと空になったアンプルが落ちて音を鳴らす。]
―――… …んで…
[殺した…?声が掠れる、また咳が零れた。
ダーヴィッドを見て、きつく眉を寄せて。
ヘルムートに問うてもそれ以上の答えは返らないだろう。
意識を落とした、ダーヴィッドに聞かないことには。
けれども、ゲルダの眸はまるで…]
――…下、先に行く。
後から…、……
[なんとか、そう口にするとその場から立ち上がる。]
[殺す。殺した。誰が。誰を。
いつから、こんな風に周囲は変化してしまったのだろう。
さっきまでみんなで生きようとしていたはずなのに]
[思考を巡らせても、解らなくて
傍にいるベアトリーチェの手を優しく握って
ハインリヒが下へ行くと言うならベアトリーチェの背をそっと後押しする。彼に注射を後ででいいから打って貰いなさいと。]
…3階、奥に…屋上への扉があるわ。
扉の左手…何かあって――
ライヒアルトと…ナターリエは多分、そこに。
……いって、くるわ。
つたえることが 多い…から。
[再びゲルダ達の下へ…、
ゲルダの様子はまだ戻らぬのだろうか。
――――虚ろな 瞳。]
………ェ ル。
[呟いたのはゲルダではなく、違う名前。
ゆるく、かぶりを振って]
…お嬢さん達に薬を打つのは…下へ行ってからにしよう。
即効性で…数値が下がるのが思った以上に早いから…
打った後は、少し疲れると思っておいてくれ。
[行けるか?そう訊いてから。
ゲルダが動けないようなら抱き上げて階下に連れて行くつもりだ。]
[耳に届いたのは、毅然とした声。
肌に感じたのはやわらかいぬくもり。
ゆっくりと、目をあげる。
だいじょうぶ、と伝えようと動く唇。
けれども喉は、空気を震わせる事がもう出来なかった。]
…いいえ。
[謝られて、また首を横に振る]
私、言わなかったんだもの。
石化病が治るまでは内緒にするって約束したから。
[カルテの改竄。それが意味あったのかどうかは別として、権利が消えないようにと約束した]
心が苦しい…。
そう、見てるだけって苦しいの。
[優しい手の下で、小さく震えた。
甘えさせてくれる人がいると、甘えてしまう]
でも。
向こうにいる人だって苦しいのよね。
心も身体も、両方。
[それが生きているということ。
羨望と、同情のような何かと。声の響きは複雑になった]
[違和感。
ゲルダの様子に眸を眇める。
…この症状は…よく、知っている。]
――…あまり、強く抑えないほうがいい。
[喉元を押さえるゲルダに落ち着いた声で告げて
自分の喉元を抑えて]
…多分、ここに来てる。
薬を使えば落ち着いて…喋れるようになるだろうから。
それまでの辛抱だ。
[足取りはしっかりとしたゲルダに頷いて]
…
[1人は危険。右側だけ松葉杖をついて立ち上がり
少しだけ不思議そうな顔をしてブリジットへ顔を向ける。]
…私は、1人じゃないわ。
[それとも一緒に来てくれるのかと思い、足を運ぶのを止めた。]
云わないように、か。
此方の事情を知ってる人が、近くに居られたんだね。
……イレーネさんを、とても心配した人が。
[イレーネの言葉の意味合いが分って、微笑む。
持病が分かれば、選に漏れると考えた人がいたのだろう。
そう考えれば――きっと彼女は、愛されていたのだと。]
うん。見ているだけって辛いね。
僕も一緒だ……。
[髪を撫でていた手は、
彼女をあやすように背をポンポンと撫でる。
あちらの世界には届かない、声もこの手も。
だから、せめて……]
僕でよければ、辛かったら話して欲しいな。
例えば、生きている人が羨ましいとか、そんな感情だとしても。
[こちらの世界で、護れるものがあるのならば。
それがきっと――自分が此処に在る理由だと。
複雑な感情が混じる声に、浮かべるのは微笑。]
独りじゃないよ。
[それはイレーネだけに向けた言葉でなく。
リディにも――そして、カルメンにも。]
兄さんが医者だったの。
抽選といっても、人の手が関わることだからって。
少しでも研究に近い人のところは、良く行っていたみたい。
[可能性に賭けて、それでも家族で選ばれることが出来たのは自分一人だったけれど]
エーリッヒさんも辛いの?
…そうだわ。同じなんだもの。
[あやすように背中を撫でられて。
瑠璃で見上げると、そっと手を伸ばしてもう片方の手を、その腕ごと握り締めようとした。
疲れていても抱きしめてくれた兄にしていたように]
[ハインリヒの言葉にうなずいて、笑おうとした。
けれど、きっと情けない顔にしかならなかっただろう。
倒れて眠るダーヴ。それに寄り添ったまま辛そうなヘルムートさん。
心配そうに、見つめる。]
……1人では ない?
[ただ不思議そうに その言葉を繰りかえす。
下に行くなら
見るだろうか彼女を
カルメンを 確かめるのが 怖い。
――要らない
――意味などないと、もう]
…、蛇を追い払うくらいは、出来てよ。きっと。
[と、階段を昇る。
それから、階段の上からハインリヒを見下ろして
暫く見つめて]
…後で薬を打って頂戴。
あ〜……なるほど、お兄さんが。
イレーネさんの、お兄さんなら、僕と年齢近いのかな。
[イレーネの印象的な瑠璃を見るたび、記憶の端に引っかかる人。
学部内の新勧コンパで少しだけ話した、
同じ瑠璃が印象的な先輩が
――そうかどうかは分からないけれど。
イメージとして、優しいその青年を、彼女の兄のイメージに重ねる。]
そう。同じだよ……。
[もう片方の腕を握り締められれば、少し驚いた顔をして。
けれど、彼女の兄がしていただろうことをなどるように、
――優しく落ち着けるように、抱きしめた。]
―6の部屋―
うーん、そろそろ大丈夫そうです。
それに見張りもあきたです。
[拳を握り、腕を回して感触を確かめる。
問題ない、痛みは多少あるが周りの人間に比べたら軽症だ。
それに、じっとしてるのはあまり得意じゃなかった]
羨ましい。生きているのは羨ましいわ。
だって触れることも話すこともできるんだもの。
私だって死にたくなんかなかった。
なんで私が死ななくちゃいけなかったの…!?
[話していいと言われて、暗い感情の一部を吐き出す。
心の苦しさが少しだけ減った気がした]
独り、じゃない。
そう。私だけじゃないよね…。
[浮かべられた微笑にも宥められる。
リディを、カルメンを、ギュンターを。瑠璃の向けられる範囲にいるなら順番に見て、息を吐いた]
うん、大丈夫。
独りじゃなかったら、きっと見ていられると思うの。
苦しくても、我慢できると思う。
[ハインリヒとブリジットの疑問形の言葉に
そっと胸元に手を置いて表情を緩めた。]
糸もある。
だけど…蛇は、そうね――お願い。
でも、貴方も…好きじゃないでしょう?
[核心めいたような言葉を伝えて
注射器の入った箱はハインリヒ辺りに預ければ
松葉杖をつきながら歩きだす。]
[吐き出される感情を、唯、抱きしめて受け取る。
やがて落ち着いて行く、少女の頭を、
抱きしめたままで、もう一度撫でた。]
ん。でも、我慢しすぎないようにね。
[少しだけ距離を開けて、
パチリ――と、片目を瞑ってみせる。]
27歳かぁ、僕と4つ違いだね。
同じ大学だったら、どこかですれ違っていたりして。
[きっとお兄さんのように思ってくれているのだろう。
相手の仕草に、そう悟る。]
あはは。うん。同じだね。
多分、君と僕の憤りは――近いんだろうなぁ。
[皆までは言わない――殺された部分が同じだとは。
視界の端にカルメンが映る。
少しだけ困った表情を浮かべた。
聖人君主ではないから。
クスリの副作用かもしれないと思っても、
それでも、自分を殺した人は憎い。
――カルメンがそうだとは云えなくとも。
脳裏をよぎるのは、ナイフを構えていた、彼女の狂気。]
アーベル、大人しくしてるですよ?
僕は外に行ってくる、です。
[ドアを開いてとまった。
念のため釘をさしておくのも悪くないと思った]
勝手に動いたら、ツヴァイにまたさっきと同じ事してもらうように頼んでおくです。
[反論が帰ってくるのは容易に予想できた。
ドアを手早く閉めて逃げるように外へと出た]
―― 回想 衣裳部屋 ――
[カルメンの、髪を撫でた。
喉の奥から、たくさん言葉を紡いで。
けれど、そのほとんどはきちんとした言葉にならない、音。
だんだん、言葉を発する前に考える言葉も、紡げなくなる]
………らぁ あ ばって、くぁさ……
[言葉を止める。ダーヴィッドに譲ろうと下がった]
[カルメンの、静かで、穏やかで、何かを含んだ声がする。
顔を上げて、蒼を探す。
首に、もろそうで、しなやかで、どこか冷たく優しい指の感触]
[右手が小さく痙攣して、左手でカルメンの手に触れた。
移ろう視線は、上にあるだろうダーヴィッドの目を探す]
……か めさ
[名前が、呼べない。
喉に食い込む痛みと、頭の奥から浸透する闇と。
ああ、そうだ。思い出した。攻撃衝動を、無差別ではなく自分に向けたかったんだった。自分に向けてくれれば、ぎりぎりで止められるかもしれなかったから。どうして、こんな簡単なこと、忘れていたんだろう]
ら じょぶ こわ な ……よ?
とな……見、て。し……あ……せ、まて、る
[彼女の手をはがそうとするダーヴィッド。
カルメンに、彼を、未来を見て欲しかった。
最後まで言葉をかけようと思うのに]
[酸素が、頭まで、回らない。
背後から絡みついてくる、魅惑的な安寧。
嵐の中の、魔王の手。
まるでジプシーの舞姫のように抗いがたい、誘惑]
[堕ちきるぎりぎりの瞬間、カルメンの手が離れ、ダーヴィッドへと振り向いた。その表情は見えなくて。幸せそうだったらいいと]
そう、特にエーリッヒさんとは。
やりきれなさも…同じかも。
[困った表情の先を瑠璃で追えば、カルメンの姿があって。
言われなかった部分もすぐに気がつくことができた。
こちらで話した限りでは、狂気も殆ど見えなかったのだけれど。
石化前の様子といい、聞いていた話といい。どうしても疑いは持ってしまうというものだった。
殺した人にはそれだけの報いを。
その思いが消えてしまったわけでもない]
そういうところで同じになるのは。
あまり嬉しくないですけれど。
[離した手を握り締め、強張った笑みを浮かべながら。
昏い方へと向かいかけた意識をどうにか*そらそうとした*]
/*
低速にお付き合いありがとうございました!
次はまた夜に顔出します。
反応とか動かしとか必要だったら遠慮なくお願いしますね。
[ドアから出るとすぐにハインリヒの姿があった。
彼は当然のようにアーベルの事を聞いてくる。
最後まで見張りをせず出てきたことが少し後ろめたかった]
え、えーっと……、多分大丈夫、です。
勝手に動いたら、またツヴァイに口移しさせますですと釘は刺したです。
[釘をさすのに使った本人にそれを言うのはなんだか間違っている気がした。
気まずくなり、なんとなく横を向いて口笛を吹いた。
ごまかしたつもりだったが、聞こえてくる舌打ちの音がそれを否定した]
―― 衣裳部屋 ――
[けほけほと、咳き込んだ。しばらくして、楽になる]
[顔を上げた。顔と手の右半分には、斑みたいにうっすらとした変色がところどころに浮かんできていて]
おー あーん?
[目の前からばたばたと去る人影を、左目が瞬きして、追う。
首をかしげた]
[息が、整う。隣にある石像に左手を伸ばした。
右手はだらんとたれたまま。時たま、ゆらり、ゆれる]
あーじょーかー?
[石像の、目を探すようにぺたぺた触れる。
やがて、額らしきところにたどりついた。
左手で右手を持ち上げて、石像の額らしきところに当てる。
もちろん、左手は自分の額]
[左眉だけ、寄る。足に当たった、ちぎれた首輪を拾う。
胸ポケットから、右半分になった眼鏡を取り出して、かけた]
[そうして。誰かが来るか、満足するまで。
毛布や、暖かそうな衣服を石像にかけている**]
―3階奥扉前―
…解らない、――わ。
[離した手、もう一度手を伸ばして
恐る恐るその扉を開いていく。]
―――――
[そこに見えたのは 無数の蛇と、多数の石像。]
……い、や …
[ぐらりと視界が揺れた。]
…そう、か。
今から行くから、大丈夫だろ…。
[>>184先に任せて部屋を出たのはこちらで。
悪かったな、と申し訳なさそうにユリアンを見た、が。
その後の言葉にはとても疲れたような溜め息。]
……病状悪化するようなこと言ってくれるなよ…。
[向かうのが少しだけ怖く、なる。
溜め息ついた後、表情を切り替えると少し険しい目を向け]
…病状を和らげる薬が手に入った。
完治とまではいかないが…即効性で数値がかなり下がる。
特効薬が完成してるってのに、真実味が帯びたってとこか…。
[何処か悔しげにしつつも注射器の入ったケースを見せて]
――――…あと、
[言いにくそうに口篭って]
………また、…ベルトが…
[石になった、と口にすることができないのは。
まだどこで受け入れがたいと思っているからなのかもしれず。]
……イレーネの時と同じ…、…エーリッヒが。
/*
イレーネさん>
す、すいません。
急に用事が入って、間が開きまくりました。
もうすこし、落ち着いてからレス返させてください。
こちらこそ、超低速にお付き合いありがとうございました。
薬があったです、か。
じゃあ、早く口移ししてあげてくださいです。
[笑い出そうとした、しかし出来なかった。
ハインリヒの口から出た言葉に衝撃を受けた]
また、ですか……。
エーリッヒも、です?
[前回ほどの衝撃はなかった。
二回目だからだろうか?
直接見てないからだろうか?
あるいは、自分が守る約束してないからだろうか?
それでも、感情は苦しみを訴えてきた]
[どれぐらい呆然としていたかは定かではない。
ハインリヒが目の前にいるという事はたいした時間ではないのだろう。
沈黙する空気を吹き飛ばそうと口を開く]
でも、黙ってる場合じゃないで、す。
アーベルに薬を使うです。
[アーベルはそれを望まないかもしれない。
だけど、それでも生きて欲しかった。
これ以上の犠牲はいらない、心の底からそう思っていた]
…エーリッヒと…もう1人。
確認はできてないが――恐らく、カルメンも。
[人の変わった様な様子を見せたゲルダも、
ダーヴィッドを抱え込んだヘルムートも
同じ名を口にしていた――何かがあったのは確かで。]
……今から行く。
[頷いて、それから廊下の奥の方に紺青の眼差しを向ける。]
…せんせいって人は、集合場所に来たか?
顔に、症状が出てきてた人だ。
[喋ることもままならないようだったから、彼にも早く使ってやりたい。
少しでも良くなれば…治りたい、生きたいと思うはずなのだ。]
[あまりの衝撃で身体全体が硬直した。
ぐいと腕を引かれればなされるがまま]
……!?
[これは、あの時視えた 白い花?
違う。コレは、茨――。だけど。]
く、…ッ
[松葉杖を伸ばし、バタンとその扉を閉める音がしただろう。]
カルメン? だれです。
知らないです、僕は。
[知らない人がまたいたことに驚いた。
そして、知らない人の死には何も感じない自身の感情にも]
フェヒナーさんですか?
そうい、えばいつの間に、か消えてた、です。
確かに、言葉も辛そうだったでした、直して、くだ、さいです。
[オトフリートの様子を思い出して苦い顔をする]
[扉が閉まった。
“危機”―と、そう彼女が感じたもの―が遠のけば
白い花をつけたいばらは静まりほどけていく。]
ッ……は
[ノーラの腕を掴んだまま、
さらに数歩退くと。]
は―― 、…
[膝から、かくりと崩れ落ちる。]
お姫様は平気、です?
[ブリジットの事だった。
振る舞い、気品などがやはりしっくりと来た故だ]
爺は面倒見てあげないと駄目で、す。
でも、今は王子様優先でもいいと思うですです。
[爺といわれて少しむっとするであろうハインリヒから少し距離を離した。
一緒にいないということは恐らく3Fにいるに違いないと考えた。
ならば、爺の代わりに自分が行けばいいのだ]
…助かった、わ。
[それは彼女と、助けてくれた白い花と茨に向けて。
彼女が崩れ落ちれば腕は掴まれたままで
一緒にその場にぺたりと座る形になるだろう。
ふわりと赤と長い黒髪が揺れて、横を見れば彼女も―――]
…
[僅かに見えた首の隙間――数値が上昇して]
あ、そうだツヴァイ、一つ薬よこせです。
数があるんだったら、途中で誰、かにあったら渡してあげます、です。
そして、お姫様は任せ、ろです。
僕が様子を見てきてやろうで、す。
[ハインリヒから薬を受け取って偉そうに胸を張った]
…知らないか?
ふわっとした、大人しい感じの綺麗な…
[ユリアンに向けた自分の喩えがあまりに抽象的すぎて眉を下げる。
他に特徴を思い出そうとして浮かぶのは――あの、虚ろな]
…彼女は、
もしかしたら…クスリを飲まされてた…かもしれない。
[今思えば――…そうなのかもしれない。
あれが…あれが、クスリによるものだったとしたのなら。
何故だろう、それ以上を考えようとすると脳が揺れる心地だった。]
お前さんも派手に動いてて石化とは関係なく
怪我してそうなんだがな…そこは我慢せず言えよ?
ああ…行くならついててやってほしい。
せんせいとやらも、ついでに探しに行ってくれ。
[>>197爺という言葉にはムッとしたように眉を上げてから、
大きな溜め息と共に用事をもう一つ押し付ける。]
体が一つじゃ…足りんな。
――じゃあ、姫さんのことは今は頼んだ。
誰かに薬を打った後は疲れるだろうから休ませるようにな。
[薬を渡すと、また咳が零れる。――…軋む音。
すぐ近くにも聞こえるのに何処が軋んでるのかわからない。
もどかしいような感覚にまた一つ溜め息が出た。]
…行こうか。
[ゲルダとベアトリーチェを、促して。]
えぇ…
[座ったまま、扉を見て]
蛇と石像だらけ。
他の部屋と――比較にならないわ。
[意見を求めるようにブリジットを見ながら]
…中に大事な物がある時って
決まってこんな状態だと思わない?
…それと、
さっきの茨は…――?
ふわっとした大人しい感じです?
綺麗な人はいっぱいいるです、でも大人しい感じは記憶に無いです。
………………。
[イレーネを除いてとはあえて口に出さなかった、
いや、出せなかった……]
クスリ飲んでてなんで、殺されるです?
[副作用の話をむっとした表情のハインリヒから聞きだす。
同時に仕事がもう一つ増えた>>202]
な、るほど副作用です?
そして、僕は丈夫だから平気、です。
それじゃ、行ってくるです。
―3F扉奥―
何か……守ってる、かもしれないわね。
[扉を睨みつけたまま呟く。
入れるだろうか、少しだけ腰を浮かせる。]
…蛇も噛むのでしたかしら
[逡巡。荊について訪ねられれば
少し困ったような顔になる]
…分かりませんわ。…私も、驚きましたもの。
―3F・休憩室―
[休憩室に目当ての人物達は見当たらなかった。
そのままでようと思った時、光を放つものを見つける]
ああ、立ち寄ってよかったです。
[光を放つもの、それは刀だった。
近くに落ちていた鞘と合わせて拾い上げる]
短剣も拾わないとです。
[短剣を探し始めた]
…そう。
それが妥当。
[何かを守っている。同意するように頷いて]
火でも…持って来ましょうか。
[ぽつりと呟いた。焼き払う事に躊躇はない。
困った顔が見えれば、正面を向いて呟く。]
――…ガードシーカー。その可能性は?
私は貴方を視た時、「異質」なものを感じたわ。
もしかして、貴方も何か…投与されたのかもしれないわね。
[短剣を拾い上げた瞬間に三匹の蛇がその姿を現した。
投擲で始末しようかと短剣を抜こうした。
しかし、感情がそれを拒否した。
前回の結果を思い出したのだ……]
逃げ、る、です……。
[感情はお前のせいでイレーネは死んだ。
お前があの混乱を起こしたから彼女は死に至ったのだと容赦なく攻め立ててきた。
そんな感情を振り払おうと別の方向へと走り出した]
●業務連絡●
Dの石像は、ゼルギウスに関するファイルのパスを持っています。
このパスを持ってパソコンでアクセスをすると、
ゼルギウスからの反応が返ってきます。
→つまりゼルギウスと短い会話が可能になります。
そんなに長くアクセスはしないはずなので、ゼルギウスに訊いておきたいことがあれば考えをまとめておくといいかもしれません。なお、すべての質問に答えてくれるとも限りません。全員も無理でしょう。
―図書室―
[奥に向かう前、向けられた、ありがとう、という言葉>>89には、微か、笑んで]
[戻った後に語られた過去は>>90は、静かに聞いた]
……そう、か。
[声に出したのは、短い言葉。
伏した天鵞絨に過る感情は様々で]
……なら、生きろ。
俺も、そのために、生きるから。
[静かな宣。
ヘルムートたちの訪れは、その後の事。
伝えられる話>>78。ヘリと、薬と、そして]
……あいつ、が。
[エーリッヒの事。
天鵞絨が僅か翳る]
……わかった。
俺たちも、行く。
[空白を経て、告げる声はやや掠れていたか]
[どうしよう、と問う、声>>92。
しばしの思案の後]
……研究者、というやつは。
扱う研究にもよるが……希少サンプルの扱いには、気を使う。
[淡々と告げた言葉は、本来の肩書きを知らぬナターリエには唐突か]
ゼルギウスの目的の一環に、俺たちの経過観察があるならば。
病弱悪化による全滅は、最悪の結果だろう。
なら、それを回避するための延命措置を考えるのは自然だ。
……全くリスクがない、とは断言できんし、正直、飼い殺し同然のこの状況は癪だが。
使えるものは、使う。
……生きるために。
[迷いなく言い切った後、微か、笑んで。
行くか、と*促した*]
…――そうね。
蛇が居ると…厄介ですもの。
[そうして、今度こそ立ち上がる。]
“ガードシーカー”…
あの、クスリの一覧に在った?
……――
[自分の手を見る。
視界の端、いばらは白い花を咲かせている。
――異質。]
そう。…そうかもしれないわね。
[投与。クスリ。お父様は、―― …だ]
[後ろをみると追ってくるものは無かった。
ほっと一安心して膝を突いた]
い、きな、り全力疾走はつかれた、です。
何してるんですか、僕は馬鹿です、か。
[乱れた息を整えようとしているとまた別の気配を感じた]
…それなら、貴方の大切な人にその力を使って。
私のようには――ならないで、欲しいの。
[語尾を徐々に小さくしつつ]
…その力、ピューリトゥーイに
知られてはいけないわ。
[似ていて、どこか違う。そんな女性。
横にいて心地よいと思わせてくれる。
ふわりと甘い花の香りに包まれた気がした。
それと同時に身体が軽くなる。]
…貴方の場合は――癒しの花ね。
―2階6の部屋―
[6の部屋に辿り付いたのならノーラに渡された
薬を取り出して、準備をしていく。
少しでも消毒できるように救急箱も置いて。
オトフリートも、屋上へ向かった二人も此処にはいない。
アーベルは、声を掛ければ反応を返しただろうか。]
…薬打つから、腕の部分を捲くってくれ。
[ゲルダとベアトリーチェに腕を差し出されたのなら
手早に注射を打っただろう。
その後はアルコールを染込ませた綿布を渡して。]
[気配の先にいたのは二人の女性だった]
ふぃぃぃ……。
ああ、よかったで、す。
無事で、すか?
[むしろ自分が無事なのかと問われるような状態な気がしたのは気のせいに違いない]
―3F奥の部屋前―
何、…
……、…ノーラ、貴方
[小さくなっていく語尾に、胸が痛む、ような。]
……――ええ 心する、わ。
貴方も、気をつけるのよ。
[じ、とノーラを見て
癒しの花、と言われるとなんだか
照れたようにそっぽを向いた。]
おやめなさいな、…何だかくすぐったい…わ
…、ユリアン?
…ユリアン。
[男の声に顔を向けて首を傾ける。無事と問われれば、無事だと返し]
…、…
[一瞬、考え込むように手を口元に当てて、そして視線を上に]
そこの部屋の中に大量の蛇がいたわ。
どうにかしてもらえないかしら。
…お前さんはどうする?アーベル。
[アーベルに真っ先に薬を投与しなかったのは、
先程の遣り取りが引っかかってたからかもしれず]
…これを使えば、症状は大分和らぐ。実証済みだ。
気休めじゃなくて、本当に完治する…可能性だ。
……それでも、薬を使うのは嫌か…?
元気になりゃあ、カメラを使ってまた…仕事だって。
[返答は返ってきたのだろうか。
拒まれたなら自分はまた無理にでも使うのだろうか。
「気休めなんて、いらない。」『どうせ…助からない。』
アーベルの言った言葉が、記憶と被る。
……そうだ、言ったのは確か―――エルだった。
そして…―――数度、大きく咳き込んで軋む音。]
え、え、大丈夫で、す。
少し走って疲れただけでありますです。
爺から姫様を、頼まれたので参りましたです。
無事ならそれでいいのでありますです。
ノーラも無事でよかった、で、す。
[間に大きく息を吸って。呼吸を整えながらも一気に答えた]
中に蛇がいるですか。
こ、まりましたです、ねー。
[蛇がいるという言葉を聞いて体が少し強張ったの感じた。
それでもやるしかない、前に進めないといけないから]
分かりました、やってみるで、す。
その前に二人は薬平気です?
ツヴァイから一つ預かってるからまだなら使いましょう?
[ドアの前に移動しながらたずねた]
―3階の奥部屋―
……爺?
……姫?
[ユリアンの言葉に
きょとりとして、眼を瞬かせた。]
まあ、ええ……無事よ。
[ノーラが申し出るなら、
出来る?と問うように視線を送り]
クスリ――ああ、…未だでしたわ。
>>156
[眠っていた。
それまでになく深い眠りに…。
身体が、なぜか、少し、軽い。]
………議員?
[すぐに映る人影は、金糸を揺らすから、すぐにわかった。]
[ライヒアルトの研究者についての講釈に少しぽかんとしたけど。生きるためにと言われて微笑んだ。]
約束、したもんね。
[納得して頷く。行こうと促され、椅子から立ち上がる。でも立ち止まったままライヒアルトを見る。]
ね、もう一度だけ。
[赤くなって俯いた。]
姫がブリジット、爺がツヴァイです。
[眼を瞬かせるブリジットに説明をする]
じゃ、これ使うといいです。
ノーラはごめんです、後でツヴァイに貰ってくだ、さいです。
その間に僕は蛇退治で、す。
今は少し自信有りません、がやるしかないで、すよ?
武器持ってる、なら貸してください、です。
[一瞬だけをドア開く。
その瞬間に強張る体を意思で押さえつけて短剣を部屋の中へと投げた]
こうやってとりあえず数減らすでございます。
[手持ちの武器だけじゃ足りないと思い武器を要求した]
[図書室から出ると、ノーラ、ブリジット、ユリアンがいた。]
あれ、何してるの、こんなとこで。
[顔色はあまりよくないけど、機嫌よく声をかけた。]
す、すみません……。
そのまま、床に転がしていただいてよかったのですが……。
[そして、髪の乱れを整え始める。
だが、そのうちぴたと手が止まり……下を向いて、考え込んでいるかのように動かなくなる。
実際、記憶を追っているのだろう。]
[ナターリエたちを見ると、目礼の後
すっと扉の方を指差す。]
この中に、何か在るみたいですの。
……蛇の巣窟ですから無闇にはあけないで。
─図書室/少し前の時間─
……ん?
[頷いて、立ち上がったナターリエから向けられた言葉>>225。
ほんの一瞬、意を捉え損ねるものの]
……あの、なぁ。
[呆れたように言いながら、それでも手を伸ばして。
先ほどよりも強く、深く、触れる。
覚えておく事を望む無意識は、しばし。
時の流れを忘れさせるか。
意識を現へ呼び戻したのは、行き交う声。
それを訝りながら、先に見えた扉へ前へと向かった]
蛇退治、です。
メイスの人、中で蛇相手に暴れてくれませんか?です。
きっと、すっきりするで、す。
[現状の説明と同時に冗談を言ってみる]
─三階・奥の扉前─
……蛇の巣窟?
[ブリジットの説明>>229と、短剣を投げ込むユリアンの姿>>226]
奥に何かあるなら、行くべきだろうが。
……数の暴力となると……厄介だな。
[ブリジットに目礼を返す。]
なにか。
[ちょっと麻痺した頭で考えてたらユリアンが冗談を言った。]
あたしはか弱いから無理。メイス貸してあげるからユリアン行けば。それともあたしに殴られる方がいいかな。
[にっこり笑い、冗談で返した、つもり。]
[暴れるの殴るの殴られないの、と物騒な話をしているのを横目に、しばし、思案する]
……さすがに、殺蛇剤の類はなかろうしな。
火計が一番早い、か。
[ブリジットの言葉>>234に一つ、頷き。
踵を返す背には、気をつけろ、を声をかける]
……ああ、あれか。
[蛇を食べる生物、という言葉>>235。
あの生き物自体には、色々と思うところもあるのだが]
……確かに、使えれば一番早そうだが。
誘導する方法が、ないも同然だからな。
あれ自体、いつどこから出てくるかもわからんのだし。
…武器、…これを。
[護身用と貰った短剣を必要ならユリアンに差し出し
奥から男女の姿が見えると少しだけ安堵の表情。]
…っ、…
[扉が再度開かれ、中の様子が見えるとやはり身体が強張った。]
[メイスでユリアンをからかいながら。]
火計、……蛇、燃やす、とか。
[微妙な勘違いをしながらブリジットを見送った。]
使えない作戦なんて使えない生物とおなじくらい役に立たない、あたしも、あんまり役には立てないみたい。
[ちょっと落ち込んだ。]
[扉の向こうの状況。
開いて自分でも確認したい、と思いはすれど。
身を強張らせるノーラの様子を見てしまうと、安易にはできず]
焼くというか、燻す方だろ、むしろ。
実際に火をかけたら、中のものがどうなるかわからんしな。
[ナターリエには、こんな突っ込みを入れながら。
落ち込む様子に、ぽんぽん、となだめるように頭を撫でておいた]
―階段―
[蛇は姿を見せない。
階段まで降りていくと、ヘルムートとダーヴィッドが居たか。
思案に沈む様子なら控えめに声を掛け
奥の部屋へと援軍を要請する。]
私は、火を持っていこうと思っていますの。
燻せばきっと。
[そう付け加え、次に顔を出すは
2階、6の部屋。咳が聞こえれば眉を寄せて――]
ハインリヒ、
[と声を掛け、奥の部屋のことを伝え*る*]
イレーネさんと、お兄さんは仲が良かったんだね。
羨ましいな。
[向けられる笑顔に、目を細める。
言葉裏に、自分はそうでなかったと
――アイスブルーを思い浮かべて。]
……そうだね。だから、僕らが忘れてはいけないのは、
きっと、恨んでも先はないってこと、かな。
[もうお互い死んでしまった魂だから。
カルメンが仮にそうであったとしても、恨んでもしかたないと。
憎しみの果てに、相手を殺すことはもとより、
――僕らは、理性をクスリで狂わされてる訳でもない。
相手の昏い方へ向かう意識を、再度ぽんと頭を撫でることで、
穏やかな笑みを浮かべることで引き戻そうと。]
なによりも、彼女の話を聞きたいと、僕は思うよ。
[視線は、唯問うようにカルメンの姿を追った**]
そっか、城まで燃えたら困るし。
[ライヒアルトに撫でられて嬉しくて笑って、ノーラとユリアンを見て、ライヒアルトに甘えすぎてる自分が恥ずかしいと思って俯いた。]
/*
アーベルさん、心配ですね……。
割とコアタイムって21:00〜とかも多いですし。
早い時間は、来られないだけかなぁとは……。
(何事もないのを願う願望。)
僕は時折のぞいてるような、いないような……**
ま、そういう事だ。
[燃えたら困る、という言葉に頷く。
前にも、似たようなやり取りを誰かとしたな、などと思いつつ]
……と、そう言えば。
薬が出てきた、という話だけは議員殿から聞いてるんだが。
……結局、扱いはどうなったんだ?
[ふと、思い出して場にいる二人に問いかける。
彼から聞いた、もう一つの話に触れなかったのは、多分、無意識]
―― 衣裳部屋 ――
[色とりどりの、洋服。物言わぬ石像を中心に、広がる]
らーい、いー
[また、石像と自分の額を比べる。首をかしげた。
拾った、ちぎれた首輪を見る。
液晶部分には、errorの文字。上から見る。下から見る。
表から見る。裏から見る]
[彼女の首に首輪を嵌めようとした。
バンドはへらりと落ちた]
[首輪の、ちぎれた箇所を合わせて見る。
バンドの腕は、すぐに離れた。
裏返しにして合わせてみる。
バンドの腕は、すぐに離れた]
[首を傾げる。
首輪をしゃかしゃか振ってみた。
ついでに、叩いてみた。
落としてみた。
首を傾げる]
[石像の首に、腕に、足に、嵌めようとする。
首輪はへらりと床に落ちた]
[首を傾げる]
[目を輝かせた。
自分の首元に手をやる。がちゃがちゃ引っ張った。
外れなかった]
[首を傾げる]
ぅさーすー いーし えり
[頷いた。ベルトのちぎれた首輪を拾う]
[石像の髪と、頬のあたりをそっと撫でた]
[そうして、左手にぷらぷら首輪を振り、扉を開けた]
―― 衣裳部屋 ⇒ 2F廊下 ――
―部屋6―
担ぐには、重いよ。
[苦笑]
[理解している]
[だから遠慮する]
───なま、え?
[今更]
[もう一つ]
アーベル───アーベル=シャハブレッド。
[答えて瞼を閉じた]
[少しだけ、疲れていた]
───見張りなんか、いらない。
[ユリアンの声]
[おどけたもの言い]
[ささくれた気持ちには]
[煩わしく]
[棘のある口調]
[どうしてどいつもこいつも]
[薬で薄れていく感覚]
[溜め息]
[瞑目]
[『私』を撫でる手。
せんせいの優しい手をぼぅと見遣る。]
……
[聴こえる音が、見える光景が、
少しずつ少しずつ、霞を晴らしていく。]
……ぁぁ
[ああ、そうだった、と。
思い起こさせる感情は、散り散りになりそうで
繋ぎ止める事が出来た筈の枷は、もう、無い。
いや、無くなってしまうのだ、と。]
[たどたどしい、声]
[違和感]
───薬が、嫌いなだけだ。
[死に急いでいる]
[そんな風に見えるのだろうか]
[ただ、薬が嫌い]
それだけ、だ。
[嘆息]
[欠伸をしているユリアンへ]
[聞かれたから、答えるだけ]
[指先が、触れる。
一度ならず二度までも、抗えぬまま。]
……御願い。
[蒼をきつく閉じ、祈る事しか出来ない。
本当はそうじゃ、無い。
そんな筈じゃない、のに。]
……御願いだから
[涙は零れない。
どうやら、バンドと共に失ってしまったのだろうか。]
[顛末は、静かに飾る絵画の様だった。
ただ、その絵画を見る女は、
其処にある『私』の心を思い出せない。]
……違う
こんなの、私じゃ、
わた、し、じゃ…
[怖かった。
其の先に求めてしまった、顛末。
誰でもない、自分が在った、『私』なのに。
否定するのは、一つの思いに捉われるから。]
―― 2階廊下 ――
[廊下にでると、すぐ左に進む。
眼鏡が落ちそうになって、ずりあげる]
[最初の左の扉を開けた。中に、入る。
その部屋にある、全ての扉を開ける。
棚の扉、机の扉、かまわずに]
[覆う茨が手をつつく。
ぶつりと血が出ると、眉をしかめた。
怪我をさせた元凶を、むんずとつかんで手繰り寄せる]
うるーーあ ご、い
[左手で、ぶんぶんしばらく振ってみた。
にらんで、喉から音を出す。
しばらくして、アシンメトリーに笑って茨を撫でた]
[扉を出る。また、左に進む。
次の左の扉を開けた]
[幾人かの人影。半面の、笑顔を作る]
あー えーぐ
[低い、高い、声]
―― 2F6の部屋 ――
子供扱い、するな。
[大人しく]
[言われなくとも動くのがきつい]
[口には出さないけれど]
[同じ事]
[眉が依る]
───さっさといっちまえ。
[最後に掛けた声は、それだった]
[瞼が、重い]
[鎮痛剤のせいだろうか]
[何も食べていないからだろうか]
[酷く]
……ごめんなさい。
[だから。
石化した『私』を見ても、捉われない。]
……ごめん、なさい
[そんなつまらないものなんてどうでも良い。
それを囲む二人を見ることが、
思い出すことが、ずうっと辛かった。
零れるのは引き金を作った罪からの、謝罪。]
―3階廊下?ヘルムートの横―
>>241
援軍?火?
[ブリジットが奥の部屋で蛇と攻防していることを報せてくる。
火を使う…には、眉が寄った。
ブリジットが行ってしまったあと……]
……火は、あまり賛成できない……。
そもそも、無理してそんな部屋に入る必要もないかと思うのだが…。
[ヘルムートに、何もなかったかのような顔で問うが……。
自分の記憶が確かならば……。
そう、自然に、相手の顔色を窺うような目になってしまう。]
─三階・奥の扉前─
[問いかけに返るは、如何様な答えか。
いずれにしろ、薬の事を聞けたなら、そうか、と小さく呟いて]
……とりあえず、ここで固まっていても仕方ない、か。
まだ、見ていない場所もあるし。
そっちを見てくる。
……あんまり期待はできんが、冷却系のものが見つかれば、御の字、だからな。
[そう、言い置いて、歩き出す。
大雑把に叩き込んだ間取り。
それが正しければ、後一つは部屋があった気がしたから]
[ヴィヴィが]
[せんせいが]
[其々に出て行く様子を見ることしか出来ない]
……
[蒼二つが、緩やかに己が右手へと向いた
触れられはしない、のに
もう永遠に、何も、治りはしないのに]
……治ら、ない?
[思考に首を傾ぐ]
そっ、か
……そっ、か
[は、と零れた自嘲
矛盾した願いに、気付いてしまった]
……本当に、莫迦だよ、ね
ごめんね、 ヴィヴィ。
ごめん、ね
せん、せ…
[そっと両手で顔を押さえて
零れる事のない、雫を押さえるように]
[どれぐらい意識がなかったのか]
[覚えていない]
[回りを把握しようと]
[視線を巡らせて]
[落ちてきた声]
───おとー、さん。
[まだ見えるはずの右の視界]
[何故だかキラキラしていた]
[光の拡散]
[息を吐き出す]
[ゆっくり]
[ゆっくり]
[イレーネの声も。エーリッヒの声も。
言葉を紡いでいれば、リディやギュンターの声も。
聴こえてはいたけれど、]
……
[暫くは、両手で顔を押さえて佇んでいた]
エーリッヒさんは…。
[違うの、と続けることはできなかった。
細められた目>>+77とその声に宿っていた思いは、自分が触れてはいけないもののような気がして]
…うん。
恨んでも何も戻らない、のよね。
[頬を押さえるカルメン>>+84に瑠璃を向けた。
言葉で言うように割り切れたものではないけれど。話を聞きたいというエーリッヒの邪魔はしないようにしよう、と心に誓った。
ただ、昏い感情を思い出したら、すぐにはカルメンを穏やかに見ることが出来なくなってしまって。
他の、まだ生きている人達はどうしているだろうかと、そちらに意識を向けた]
[休憩室の近くを横切る際、何か気配があった気はしたが、何か出る事もなく。
その先の扉へ向けて、歩いていく。
扉には、鍵のかけられている様子はなく、容易く中へと踏み込めた]
─ →三階・実験室へ─
……ん。
予想通りというべきか、これは。
[扉を開けた先。
目に付くのは、実験用と思われる機材たち]
……ここになら……アレが、あるかもな。
―3F・奥の部屋前―
[ノーラから短剣を受け取る]
ありがとうでございます。
あらら、二人は行っちゃい、ました、か〜。
じゃ、僕は中にいってきます、です。
火と冷却があるとは限りません、です、し。
少しでも減らすです、中でノック、したら開けてくれると嬉しいです。
[短剣を手に持ち口に鞘をくわえた。
そして刀を抜いて逆の手に持って中へと踏み込んだ]
[左の目が、きょろきょろ動く。
ベアトリーチェ、ブリジット、ゲルダの順に視線が止まる。
姿勢が伸びた]
こーち、はー
べーい ゆらー と びー
[ひらひらと1人1人に左手を振る。
手首に、持っていたちぎれた首輪のバンドが当たる。
首をかしげた]
[そうして、大柄な男が仰向けの青年の処置を終えるまでそばでぼうっとして――]
[ノーラに声をかけられ、振り返って微笑む。]
ありがと。
[部屋につけば、書類の束を見るとは無しに見ている。]
えっと。彼女は顔を上げ、挑発的に髪をかきあげた……、書きかけの小説、かな。
[途中で物語が切れているので机に書類を戻した。]
……何があるんだ、一体。
[呆れたように言いながら、天鵞絨が辿るのは、薬品関係の置かれた場所]
……この規模なら、液体窒素くらいは常備してそうなもんだが。
[こちらはこちらで、何を探しているのやら]
[ゲルダの言葉や、薬を使う様子や。
そうしたものも気にはなったのだけれど]
…ユリアンさん?
ユリアンさんは治ったんですよね?
[他の人はあまり気づいていないような、それがとても気になった。
その話し方が、言葉のリズムが、どこか違和感を感じさせて]
ねえ、何を謝ってるんですか。
ユリアンさんも出来る限り頑張っているのに。
あの鳥豹も鎮めてくれたの、ユリアンさんなんでしょう。
[聞こえた呟きに首を傾げる。
最期から石化した直後の記憶は思い出しても本当に曖昧で。
けれど、強い想いの篭められたピアノの旋律>>2:67だけは鮮やかに*残っていた*]
/*
アーベルさんの心配、杞憂でよかったですね。
カルメンさんはいらっしゃるのにごめんなさい。
また少し離れてしまいます。戻って来たらまたよろしくです**
……と。
[その内、天鵞絨行き着くのは覚えのあるものと良く似た容器。
そう言えば、同僚はこれで遊び半分に料理するのが趣味だったな、などと。
余計な事に意識を逸らした時]
……っと!
[視界の隅、掠めた陰。
とっさに後ずさり、ひとまずは距離を取った]
……一匹だけ……か。
[咳が酷くなると、周りの音が聴こえなくなる。
戻ってきたブリジットの姿に気付いたのは、
咳が少し落ち着いてからで、オトフリートの姿も。]
――…もどって、きてたのか。
[顔に斑に張られた石の症状に険しい表情にもなり]
…くす り、
届けられたんだ…せんせい、…打とう。
[注射器を取り出して、オトフリートを呼ぶ。
誰の名を呼んでいるのか それが名のかすらよくわからず。
傍に来れば首に残る痕に瞠目した。]
[ノックが聞こえるように扉の前で気を張り詰めて待つ。
聞こえればすぐに開けられるよう手はドアノブに。
1人だった。けれど、糸の先、少女の気配はちゃんとある。]
…
[嘆く私の背を撫ぜてくれた優しい子。
私の欠落していた部分を持っている感覚まで覚えた。]
…っ
[彼が、守ると言っていた 少女 。そう、エーリッヒが。
思い浮かぶ顔は、笑顔が多くてそれが胸を締め付けた。]
あたしならこんなのは書いても隠しておくな、枕の下とかに。
[爪先で書類を弾く。]
液体窒素って聞いた事ある。バナナで釘が打てますってやつ。料理、できるんだ。
[不思議そうに言って、ライヒアルトが後ずさればそちらを見て咄嗟にメイスをつかんだ。]
ええっと、殴ればいいのかな。
[怖いから目を閉じてメイスを蛇の方に振りかぶってみた。]
―回想―
[ここに、ちゃんと。そう言って包まれた手は、ノーラの心音を感じ取った]
うん、でも。
エーリッヒさんは一人になってしまうのよ。
ずっと、ここで。
そんなの。
[頷いても、残る寂しさは消えることなく。
ゲルダの声が聞こえた。エーリッヒの姿に驚いたのか、それとも違うことが原因なのか。ただ、いつもの彼女と違うことはわかった]
ゲルダ、さん? どう……。
[その言葉の意味に、ぎゅっと手を握り締めた]
―3F・奥の部屋―
[中は予想通りと予想外が同時に存在していた。
予想通りの無数の蛇と
予想外の無数の石像だった]
こふぇはこふぇは、大変ふぇす!!
[言葉と共に短剣を蛇に向けて投げつけた。
同時に口にくわえていた鞘を腕で掴み投げつけた]
蛇の放し飼いは禁止ですっ!!
ゼルギアスとやら、おぼえてやがれです……。
後でひどいですっ!!
[石像を使ってうまく逃げながら襲い掛かってくる蛇を斬り続けた。
本当に減ったのだろうか?
そう思うぐらいとてつもない数だった]
ううん、お薬はまだいらないの。鎮痛剤は、痛いときに飲むものだもの。
痛く、ないから。
[ノーラの言葉>>137にそう返すと、ゲルダの様子やみなの声に耳を傾ける。
ヘルムートの声が聞こえると、この内容に息を呑んだ]
ダーヴィッドさんが? そんな、の。
[嘘だと思いたかった。何か理由があるのだと思った。押し黙る。
ノーラに背を押され、注射を受けるように言われて、ハインリヒのほうへ。名を呼ばれるとびくりとしてから、答える]
何? ま、だ。私には打たなくっていいよ。
でも心配しないで。受けたくないわけじゃないんだから。
みんなが受けるのを、確認してからにするの。
[笑う。まだ涙の後は乾かないまま、ぎこちない笑み]
ノーラさん、気をつけて、ね。
[別の部屋へ行くというノーラに声をかけて]
糸はね。私と、ノーラさんを繋いでいるの。
私からは、ノーラさんがどこにいるのか、わかる。
ずっと、私の見る世界は、何もなかった。
点みたいな、糸みたいなものだけど、ノーラさんがいる方向に、それが視えるのよ。
だから、一人でいても怖くないんだから。
[薬のせいか、ひどくからだが熱い。
だるいからだ。音の無い息を吐く。]
[戻って来た先生の姿。
声をかけようとしたけれど、もしも薬が効いても声が治っていなかったらと思えば恐ろしくて。
けれど、彼の様子は…まるで魂が粉々に砕け散ってしまったかのようで。
たとえ、声が出たとしても、掛ける言葉が見つからない。]
[疑問を持ったらしいハインリヒにそう言って、階下へと向かう。階段は、慎重にではあったけれど上手く降りることが出来た。
6の部屋にたどり着くと、ユリアンの声。エーリッヒがなくなったことの報告を、耳だけが聞いていて。
せんせい、という言葉に意識が向く]
先生、どこか判らないの?
無事、かな。
[行こうか、といわれると部屋の中へ。苦しそうなアーベルの音が聞けただろうか。
薬を打つといわれると抵抗した]
言ったでしょう? みんなが先だって。
痛いのが嫌なわけではないのよ。
[腕は出さずに部屋の中を逃げて。ブリジットの声が聞こえると、止まってノーラの無事を思った]
―回想・了―
>>269
ああ、確かにそのとおりです。
[いや、いつもの自分なら、もう動いてた。
火を甘くみるな、と駆け出しているはずだった。
すぐに返事ができずにいると、まっすぐに訊かれて…
うつむいたまま、目を見開いた。]
そうです。
僕が………
殺した。
[そして、事の顛末を正直に、でも端的に述べた。]
せん、せい?
[部屋に響く声は、オトフリートのもの。言葉でなくなっているその声に、傍へと寄った]
先生? 私、ベアトリーチェよ、わかる?
[手を取る。何かが手首にあった。触ると、自分の首にあるものと同じ]
誰の?
[他の、石になった患者のものだろうか。でもどうしてそれを彼が持っているのかわからず]
[仰向けの青年を、じっと見る。
咳をしていた男も、じっと見る。
眉を、ひそめた]
ら おーうー
[ブリジットの声が聞こえて、向き直る]
いー、なーんしょー?
[男が、注射器を見せる。
またたきした。顔をしかめて、首輪を差し出す。
首を左右に振る。ベアトリーチェを、見た]
─実験室─
料理とのいう名の破壊兵器も、よく作っていたが、な。
[天鵞絨は一瞬、遠くを見た。
液体窒素に不純物が混ざっている可能性を指摘した時の遠い目を思い出していたらしい。
そんな、記憶の彷徨の間に、振り上げられるメイス]
って、無理はするな……!
[慌てた声で制止しつつ、自分も鞄の中の山刀を引っ張り出して]
な
んで…
[オトフリートに差し出された首輪は、引き千切れていて。
―――…誰かがやったもの。…誰が?――…誰を、
浮かぶのはゼルギウスが投与した3錠のクスリの名。]
――…っ、リーチェ…ッ!近付くな…!!
[そして、イレーネとエーリッヒ、二人の会話に耳を傾けていたが、]
心が苦しい、か。……………まったくだよ。
こうして、ただ事の成り行きを見ていることしか出来ないなんて、地獄の責め苦にも勝る苦痛だよ。
[イレーネの告白(>>+62)に誰に向けるでもなくポツリと呟く。
だが、その目は背けられることなく現世の成り行きを見つめていた。]
あたしの料理は破壊兵器じゃないから安心して。………普段は。
[創作料理さえ作らなければ。]
あたしの前に出てくるから。
[振りかぶったメイスは床を叩いた。蛇は威嚇から攻撃へ動きを変えた。]
なんだ、その普段は、ってのは……!
[思わず素で突っ込みを入れつつ。
鞄はひとまず放り投げ、山刀を鞘から引き抜く]
……時間、かけてられねぇんだよっ……!
[動きを変える、蛇。
目の焦点は定まらないが、いろは、見える。
その色へ向けて振り下ろした刃は、どうにか、蛇の頭部を捉えた──らしい。
伝わるのはただ、手ごたえのみ]
……やった、か……?
[気付けば蛇に囲まれていた。
自分はただの職人見習い。
そして武器も十分じゃない。
当然の結果だった]
ちょっと厳しいです、でも今更です??
うーんなんか対策無いです?
そうだっですっ!!
うーん、でも……。
[策を思いつくも出来れば実行したくないものだった。
その戸惑いが致命的な隙を生んだ]
し、しまったですっ!!
[両手両足に蛇が絡みついた。
手の中の刀を持ち続けることは適わず地面に落とす。
刀が地面にぶつかると甲高い音があたりに響いた]
───なんで、そんなに
[治したがるのかがわからない]
[自分が治りたいのではなく]
[虚ろな右の眼]
[見上げて]
[首を傾げた]
[その理由を尋ねるかのよう]
[咳が聞こえた]
おとーさんも、歳なんだから
[軽い声]
俺の面倒より、先に───自分の面倒見なよ。
[そんなに薬というなら]
[まず自分が使えばいいと]
[ハインリヒの声が飛んで来る]
大丈夫だよ、ツヴァイさん。
[髪を撫でようとする手の動きに、髪が触れると気づいた]
撫でてくれるのね、先生。
友達じゃなくて、先生は、先生なの。
先生、私の名前を、覚えてない?
言えなくなったら、掌に書いて教えてって、言ったのも、忘れてしまったのかな。
[オトフリートの変わり様に、涙が落ちそうになる]
レシピさえあればだいじょぶ。
[叫んで。
目を開けると、ライヒアルトの山刀で首を断たれた蛇の姿。]
あ、ありがとうライヒ。液体窒素、は。
[床にめり込んだメイスを抜きながら。]
……ピューリトゥーイ。
[時間が無いと理解しながら、じっと耳を傾ける。
カルメンの首のバンドが緩んでいた。彼女自身が自分でバンドを引っ張っていた事が有ったと聞いた時には明らかに顔を顰め。
うつむいたままのダーヴィッドをじっと見詰めたまま、]
ダーヴィッド。
それは、救命行為に事故が重なっただけだ。
実際、オトフリートを助けた。
私なら、カルメンがオトフリートの首を絞めなくても。
ピューリトゥーイだと判断した時点で、
彼女のバンドに手を掛けただろう。
脱出用のヘリは10人用程度。
空中の密室にピューリトゥーイは連れて行けない。
躊躇わず、彼女を石にする。
[ハインリヒの大きな声]
[少しだけ眇める瞳]
[滲む視界]
[焦点を合わせるように]
───首、輪?
[不思議な言葉]
[まるであかんぼうのような]
[眼鏡の人]
[その手にあるもの]
…!?
ゆり…あん?
[『しまったです』]
――ユリアン!何が…
[武器が落ちる音。]
…くっ、…
[ドアノブを開いて無数の蛇の中へ無我夢中で飛び込んだ。
これは蛇じゃない蛇じゃないと心の中で必死に訴えて]
…リーチェ、
[大丈夫…その保障がない。
今は優しく触れる仕草が何時刃に変わるかもわからない。
ピューリトゥーイ…その副作用には衝動的と書いてあった。
今度はゲルダに差し出される首輪。
ケホ…咳をして、立ち上がって]
……せんせい。
それは…誰の、首輪…なんだ?
[既に落ちた物を拾ったのか、それとも…。
新たな名が書かれていたのなら…]
……なら、いいが。
[レシピさえ、という言葉が多少不安だったが、今はそれを追及せず]
……野外採取で、この手のトラブルには慣れているが。
今の状態だと、きついな……。
[動きの鈍さと、視力低下による、反応の遅れ。
今の動きでそれが覚れて、ため息一つ。
ともあれ、山刀の刃を拭い、鞘へと収める]
物は、見つけた。
後は、専用の器があるはずだから、それも探して。
上の扉は、開け放しておかないと危険だな。
[淡々と説明する様子は無意識か、『植物学者』としてのそれ]
―3階 蛇部屋―
[武器は腰の楯しかない。
それを震える手で必死で持ち]
ユリアンから――…離れ、なさいッ!
[両手に噛み付く蛇、目がけてぶんと振り下した。
嫌な感触が手に伝わったからおそらく命中しただろう。
しかし、その勢いで奥にある石像の一部まで壊したとは知らず]
>>291
[議員の口から出る正論。
そして、それがピューリトゥーイならば、躊躇わないと。]
そうですね……。
[反論の余地はない。ただ………]
………圧倒的な事実です。
[殺したのだという……]
[その時ヘルムートはどんな顔をしただろう。]
とにかく、動きます。
[頭を振って、よろりと立ち上がる。
そして転がっていた斧を手にとった。]
[もはや悩んでる暇は無かった、目の前の石像を必至に力を振り絞って地面に叩き付けた。
石像はその重さで蛇を押しつぶし砕けた欠片で更に多くの蛇を傷つけるだろう]
ご、ごめんなさ、いですっ……。
で、も、僕一人じゃ、ないんで、すっ!!
だから、こわ、されてく、ださ、いっ!!
っ!!
げげげ、限界、で、すかっ……。
[幾多の石像を倒し続けて部屋の奥まで辿り着いた。
目の前にはまだ像が一つあった、だけど限界だった。
石像では地面にいる蛇を殺せても自身に巻きついた蛇には効果が無い。
体中に力を入れようとする。
しかし締め付けられた痛みで体は反応しない、もはや意識を保つ事すら不可能だった。
地面の蛇は片付いただろうか?
残り4匹ならなんとかしてくれるだろうか?
そんなことを考えながら意識を手放さざるを得なかった]
[ベアトリーチェの声。
首を傾げる]
べーいー
べーいーちー
べーぁ いーち
[ぽい、とそこらに首輪を投げ出した。
音にならない音が、いくつもこぼれる]
[そっと彼女の腕をとる。
大柄な男の、注射器の方へとおしやろうと]
[受け取る首輪。
その持ち主が誰なのかは、知っていた。
震える手で、ハインリヒへと手渡す。
アリス・マクレガーのために作られた首輪を。]
薬、先にもらえば良かったね。
[気遣わしげにライヒアルトを見る。]
うん、じゃあ早く探して行こう。なんだかやな予感がする。
[点が振れる。糸が細く、映る。ノーラの身に何かあったのだろうかと、心配になる]
ツヴァイさん、ノーラさんが、大変そうなの。
危ないの。大丈夫、かな。
[左手でオトフリートの腕に触れたまま、ハインリヒへ助けを求めるように]
どうしよう。
もし。
[石になったエーリッヒの姿を思い出した]
[仰向けの青年の、掠れた声。ブリジットの、声。
咳き込む男の声。
交互に視線を流す。男を、見上げた]
あー うめ
[ブリジットが首輪を手に取る。一人、何度か頷いた。
視線が扉の外を向く]
私は助かる可能性がある人員を一人でも増やす為、
一人を犠牲に出来る人間だ。
この施設に入る事を決断した時も、そうだった。
自分が生き残るべきだと、信じて。
私の手がバンドを千切ったなら良かった。
[まだ、地面に置かれていたダーヴィッドの手に、自身の手をそっと重ね。
その時、はじめて生き残った事への罪悪感、後悔、翳りをダーヴィッドに向けた労りに似た笑みに滲ませた。
とにかく動くと、ダーヴィッドが意識を切り替えた所で、手を離した。]
行こう。
財閥令嬢が奮闘しているのに、
大人の男が二人、床に転がってる訳にもいかない。
[頷くのは強い眼差し。ブリジッドに聞いた方角へ、急ぐ。]
…ケホ、
[オトフリートの仕草、ベアトリーチェの声。
苦しげに眉を寄せる。
絶対的に数が足りなかった、もう1人自分が必要だ。]
……マリア…、
[知らない名前だった。
目覚めなかった者の名前だろうか、それより]
…ノーラが危ないのか?リーチェ…
……ああ、そうだな。
[先に薬、という言葉に一つ、頷いて。
器具置き場から、覚えのある容器を持ち出す。
肝心の容器はといえば、常時気化の結果かさほど重くはなかった]
……大量に必要なものでもないし……何とかなるか。
さて、戻ろう。
……あいつ、なんかやらかしそうで、心配なんだよな……。
[何気に、ユリアンに対しての認識が酷い。
ともあれ、先に投げ出した鞄を拾うと、実験室を出て、奥の部屋へと向かった]
…うぷ、…けほっ。
あ、はっ、…ぁ…――
[石の破片が周囲に充満し、石像の下敷きになる蛇もまた多かった。部屋の奥まで辿り着いて]
ユリアンっ…!
[彼の身体の蛇はなんとか退治したようだが彼が急に倒れれば足を引きながら近付き、倒れた彼の身体を抱き上げる。
周囲にはまだ僅かだけど蛇の気配。せめて彼だけでも、病から完治した未来ある彼だけでも、と身を楯にして彼の身体を抱きしめた。]
(誰か―――)
[重たい身体]
[ゆっくりゆっくり]
[動かして]
[回りを見る]
[きらきらとした視界]
[声でわかる]
[ベアトリーチェ]
[ブリジット]
[ハインリヒ]
[声だけわかる人]
[女の子]
[眼鏡の人]
[エーリッヒは、どこに行ったんだろう]
───。
[千切れた首輪]
[目を閉じる]
>>308
はい、わかっています。
僕は貴方の考えを支持します。
[重ねられた手と苦い笑みに……少し、強がった笑みを返して……]
[準備ができたと聞けば、先に駆け出す。さっきの蛇の部屋の前に人の気配は無かった。]
あああ、やっぱり。
[扉を開け放ち、後から来るライヒアルトの為に道を開けた。]
[イレーネの、違うの?と問いかけるような(>>+86)語尾が消える。
曖昧に微笑むことで、ある種の答えを示し、
細めていた緑を再度、カルメンへと向けた。
――まだ、話しかけるのにためらう様子(+85)に、
小さく何かを押し殺すように、吐息一つ。]
何を頑張るんですか?
[身は次にリディの傍へ。
色々聞き咎めていた言葉(>>+91)に、ひょいっと眉をあげる。
叶うならそのニマリとした顔、額の部分を小突こうと。]
……ごめんね。
辛い時、気がついてあげられなくて。
[そして、小さく零れた謝罪は、
彼女の最期に気を配れなかったことに対して。]
――――…っ、
[優先すべきを考える…。
目の前にあるかもしれない危険と、
緩やかに進みつつある危険と、遠くにある危機。
こういう時、―――――ならどの行動を選んだか。]
[触れていた腕をとられ、ハインリヒのほうへと差し出される]
私より、先生の方が先。アーベルさんだって。
だから、まだ私のは、いいの。
[点が掠れる様に映る。それが消えてしまったらどうなるのだろうと不安がよぎる。
大丈夫、大丈夫だと言い聞かせて。
ハインリヒの問いに、頷く]
判らないけど、多分、だって。
[言葉に出来ない。今視えているものをなんと表現すればいいのだろう]
ヘルムートさん、助けにいったんだよ、ね?
…っ、
[択ぶのは…、]
リーチェ、ゲルダ、ブリジット。
…まず、薬からだ…アーベル、お前も。
…せんせいもだ。
[オトフリートに打つのは…些か不安が残る。
けれども…、]
[やや遅れて、戻ってきた部屋の前。
開け放たれた扉の奥の様子に、思いっきり感じた頭痛はきっと、心理的なものだろう]
……おま、えらっ……。
中で気絶なんぞされたら、こんなお手軽危険物、使えんだろうがっ……。
[外からの風は、感じる。
換気は出来ている。
ともあれ、一緒に持ち出してきた作業用の皮手に手を突っ込んで]
……動けそうかっ!
[中へ向けて、怒鳴るよに呼びかけた]
と び
いーぐー
[首輪は、男へと移動して。
かまわず、ゲルダに近づく。
抵抗されないなら、彼女の手をそっと取って、
自分の頬に当てようと]
[首を傾げる。顔の辺りを見上げた]
[背後から聞こえる男の声。眉が下がる]
[音の無い息を吐く。
先程打って貰った薬は血中に染み渡り、蝕まれた組織をゆっくりと、溶かす。
進行が遅かったせいか、次第に元のやわらかさを取り戻す肌。
もっと進んでひび割れていたとしたら。そう思うと少し怖かった。]
―2F 6の部屋―
[少女の声。ベアトリーチェの方へ顔を向けた]
ヘルムート?
…ベアト、リーチェ、今、ノーラは 無事 なの?
[――あのいばらを見た後では、
ノーラとベアトリーチェの繋がりを語られた後では
恐らく、信じる方が、正しいと思うたか。
クスリを、との言葉に
聊か混乱した様子で瞬いた。]
……いや、お前は無理するな。
[突入しようか、というナターリエの言葉>>322にとっさに口をついたのはこの一言]
[部屋の奥のノーラとユリアンの様子>>323は、ぼやけた視界でも捉えられて]
……どうするか……っと。
ちょうど良かった!
[思案しかけたところに、やって来た二人。
上がる声には、僅かな安堵]
[薬]
[未だそう言っているハインリヒの声がした]
しつこいな───わか、ったよ。
[打ちたきゃ、打てばいい]
[半ば諦めに似た、それ]
[嘆息]
[目を閉じる]
無理なんか。
[強がりを言いかけて。ヘルムート達が来ればほっとして顔をほころばせた。]
ノーラとユリアンを助けて。
[蛇から助けてくれた二人だから安心だと思った。]
――…全員順番に打つから。
大丈夫だ。
[ベアトリーチェにはそう告げて。
ゲルダから受け取った首輪はジャケットのポケットに突っ込む。
少女の視ることのできる唯一の糸。
それを切りたくないという気持ちと…
ヘルムートとダーヴィットが目覚めていることを願うしかなく]
…すまんな。
[アーベルの数値、薬を打っても
直ぐに悪化してしまうかもしれない。けれど…
アーベルの右腕を取ると、注射を打って、薬を投与した。]
─ 蛇部屋 ─
[壮絶な光景。まるで被災地訪問に行った時の現場のような。石膏の匂いと、大量の蛇の死骸。紅いワンピースはノーラ、それから。]
──なん、
一番奥 か?
[ライヒアルトとナターリエに、]
こっちの男二人で、救助する。
火力以外の方法があるなら、運び出してから──
あ、あ、ナターリエは、入り口で……運び出しの補助を頼みたい。
[それで問題無いか?と言う風にダーヴィッドを見た。]
…せんせい、と…ブリジットも。
[アーベルの諦めたような声、
それを今はあえて聞き流すことにして
オトフリートとブリジットを呼ぶ。]
[注射をするように言われて迷う。まだ平気。それは確かで。
アーベルが注射を受けたのがわかると、ほっとしたように笑う]
ツヴァイさんが、大忙しだものね。早くしないとただのわがままになるわ。
[オトフリートが離した、その腕を仕方なく出した。
ブリジットに聞かれると、頭を縦に振る]
まだ、無事。でも、きっとね。
無事じゃない時は、多分私も無事じゃないのよ。
[掠れる糸。そんな気がした。
ようやく、ふわりと糸が強さを帯びる。ほっとしたように、息をついた]
[強がりを言いかけるナターリエの様子>>329には、は、と一つ息を吐く。
先ほどの図書室の様子を思えば、無理をさせたくはないのは自然な思考。
ヘルムートの言葉>>331には、一つ頷いて]
救助は、お任せします。
策の方は、かなり無茶ですが。
一時的に、冷凍庫にしてしまおうかと。
[火力以外の方法と言われ、示すのは液体窒素の保存容器]
[右腕を掴む何か]
[視線がそちらを見て]
[今度こそ心底嫌そうな顔をした]
───注射だなんて、聞いてない。
[飲み薬じゃないのか]
[投薬されている間]
[視線は左を限りなく見て]
[見ないふり、みないふり]
[手の中で、ゲルダの指が曲がる。
眉をひそめた]
と しーな
[彼女の手を、そっと頬から外す。
ゆっくりと自分の右手をその手に重ね、両手でそっと撫でる。
視線が、顔の辺りを上下左右に動く]
[ふと、左手を上げて。彼女の喉の辺りに手を伸ばす]
あー ょー んー?
うーい めー
イレーネさんは、何を視てるのかな……。
[何処かを眺めている彼女の想いに重ねるよう。
そうすると、意識は彼の人のところへ。
その場に行かずとも、見えること。
――それは便利であって、不便だと思う。
想いを傾ければ、視ることから逃れられない。]
―――…。
[その人の名を呼べない。呼んでも届かないから。
歯噛みする――苦しい。これが死ということ。]
君が気にしなくても、僕が気にするんだよ。
僕の為に謝らせといて欲しいな。
[小さく頭を振ってから、小突いた少女に微苦笑を向ける。
小突いた額に指先を伸ばす。
生前一度振りはらわれたことのある、それは、
果たして撫でること叶うか否か。]
[がたがたと体が震えていた。咄嗟とは言え飛び込んだのはどうしてだろう。今までだったら、きっとそんな事はしなかった。]
…ユリアン、しっかりして。
助けが来たわ。
[手放した意識を引き戻そうと彼の名を呼ぶ。
ふと、何か視界に――光?と思って顔を横に向けた。
それは先ほど壊してしまった石像の一部。]
[あれは紙?]
[導かれるようにそれに手を伸ばしただろう。
それをポケットに無意識に突っ込んだ。]
[突入した二人を格好いいなぁってぽーっと見て。
ハッと気づいてライヒアルトを見る。]
えっと、これはミーハーな気持ちだから。
[言わなくてもわかってると思うけど、フォローしておいた。]
[蛇と石像。
正直、蛇の特性が非常に生きるとりあわせかもしれない。]
議員、石像を壊しては駄目です。
足元の瓦礫に蛇が隠れますから。
[といっても、かなりもう壊された後だったかもしれない。
そして、おしゃべりできたのはそのくらいで、
数十匹蛇を叩き潰したのち、やっとノーラ達のの元にたどり着いただろうか。]
ノーラ……無茶する。
ベアトリーチェを心配させてどうする?
……わざわざ、注釈せんでも。
[唐突なフォローに、やや、呆れたようにぽつり、と。
それでも、視線は危険物を扱う手元に集中する。
今、焦点がぶれるのは、笑えない自体に繋がりかねないから]
[奥へ辿り着く前に靴が紐状の弾力のある生き物を石像の欠片と共に幾つも踏みつぶしたようだった。血臭と靴裏の感触。瓦礫の中に潜り込んだ蛇を潰しながら、奥に辿り着くと、ノーラの周囲に見えている蛇達は弱っているようで、蠢いているが飛びかかる様子は無い。]
…ノーラ、ユリアン。
もう、大丈夫 だ。
ライヒアルトが残りを片付けてくれる。
[足の悪いノーラを引寄せながら、ユリアンに掛かっていた瓦礫を除ける。]
先にノーラを運ぶぞ。
ダーヴィッド。
その間に、ユリアンを見てくれないか。
彼が何処か打っているなら、すぐ戻るから
運び方を指示して欲しい。
聞かなかった事にして。
[床を見ながらライヒアルトに言った。]
あ、あたし救急箱持ってたっけ。エーリッヒから受け取ったやつ。いるかな。
[肩から下げた救急箱に視線を落とし、部屋の中をみた。]
[薬は、効いているのだろうか]
[わからないけれど]
[何かが血の中をぐるぐると巡る気配]
[きっと、何らかの薬効成分]
───。
[息を吐き出す]
[気持ち悪い]
[急に血液がめぐり出した]
[まるで、酷い立ちくらみに似ている]
……リ…ン、しっ……り、して…。
[誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた]
うーん、まだ眠いで、す。
ほって、おいてくださ、い。
っててて!! いた、い……っ!!
僕、なに、してたんで、すっけ?
[寝ぼけていられたのも一瞬の間だった。
体の痛みで飛び起きた]
[いくらか]
[視界の虹が収まってゆく]
[曇りガラスが渇いていくような]
───?
[視線を泳がせる]
[左目は相変わらず]
[青灰簾石]
[結晶のまま]
[一度視線を部屋の奥へ。
二人がノーラたちの所に達したのを見て、やれやれ、と息を吐き]
……まったく。
[聞かなかった事に、という言葉に、先とはやや意味合いの違うため息一つ。
続けられた言葉の内、エーリッヒの名前には、やや、天鵞絨は陰るものの]
そう、だな。
必要になる可能性は高いだろ。
>>345
[先にノーラを運ぶという議員に頷く。
そして、ユリアンの様子を見る。]
………ッ
お前……
[>>300そして、目を丸くする。
その足に絡みついた4匹の蛇……それはぐいぐいとその身体を締め付けている。本当はもっと絡み付いてたのを彼なりに引き剥がしたのだろう。
とりあえず、その4匹の頭を抑え一匹ずつ潰してから…ユリアンを背負った。]
[ゲルダの首筋に伸ばした手は、触れる直前に止まる。
それは、男の声が駆けられる直前。
指先に、ゲルダが頷く動作と微かな湿り気]
[背後からの、鋭い声。
ぱちぱちと瞬きをして、首をかしげた。
ぱたりと左手が落ちる。
もう一度、彼女の腕を軽く撫でた]
[ゆっくり、振り返る。
首元にある、手。目を見開く。
反射的に、払う。顔が、ゆがむ]
ノーラ。
利き腕じゃない左側で担ぐ事になるから、
しっかり首に掴まって欲しい。
[膝を付き、ほっそりとした女性の腰を抱き寄せ、左脇腹に負荷が掛からない体勢で、ノーラを抱え上げる。それが一番はやく入口まで運べる方法。お礼を言うノーラに、ただ、頷いた。]
ユリアンも、
大丈夫 だ。
あんな口をきけてる。
[ナターリエとライヒアルトのやり取りは知らず。]
──…ッ、
ナターリエ、ノーラを頼む。
[修道女姿の彼女にノーラを預け、再び奥へ。]
───おとー、さん?
[右の眸が瞬いて]
[眼鏡の人の首へ延ばされた手が見えた]
[ブリジットの声がした]
───。
[駄目だ]
[言葉にならない]
[ハインリヒの様子にオトフリートを庇うように立つ]
ツヴァイさん?
どうしたの? 先生は、怖くなんか。
[払われる手の音。止めるブリジットの声]
じゃあ受け取って良かった。
[エーリッヒに心の中でありがとうと言った。
ヘルムートがノーラを運んでくれば頷いた。]
ノーラ、大丈夫、痛いとことかない。
[傍で声をかけた。]
…あの、首輪は…誰の…なんだ…?
[払われた手、
けれどもオトフリートに対する警戒は消えなくて。
思い出すのはカルメンの…今はもう石になったという
彼女の…虚ろな、あの蒼い…脳が、揺れる。]
…かれ が…、あのクスリを投与されてないとは…
言い切れない。
[いつ、その喉元に伸びた手が彼女の首輪を外すかしれない。
――違う。牽制しただけで。
オトフリートの首輪を外したいわけではない…。
ただ、救いたい、護りたいだけだ…皆、皆を。]
あ、暴れ、てないです。
大丈夫、軽症で、すっ!!
っっっ……!!
[嘘なのは周りから見ればきっと明らかだっただろう。
獣に吹き飛ばされた体が回復しないうちにまた今回の蛇ときた。
丈夫な体が取柄だった、限界を超えていたに違いない]
[無事に、救助されたノーラの様子にほっとしつつ。
自分の作業に再度、意識を向ける]
……ああ。
そう、だな。
[受け取ってよかった、という言葉>>360に小さく呟きながら。
ダーヴィッドたちが戻るのを、待った]
[息が、荒くなる。首筋に覗く、あざ。
もう黒くなっているもの。出来たばかりのもの。
重なる]
[ブリジットの静止の声。
前に立つ、ベアトリーチェ]
[視線がゆれる。男を見る。右の瞼が痙攣する。
ベアトリーチェに手を伸ばす。
そっと彼女の肩に触れようとしてから]
[立ち上がる。男を、にらむ]
……、……!!
[伝えたいのに、知ってるのに、声が出ない。
ほんとに出なくなってたらと思うと、怖くて出せない。
あの首輪の持ち主が誰かってことも、先生は心配してくれているだけだと言う事も、ホントは知っているのに。
先生の首へと伸びるハインリヒの手。
ただ、ふるふると首を振る。]
―2F 6の部屋―
[控えめに伸ばした手、ゆるく握る。]
分からないわ
…知らない、 名前でしてよ。
[クスリ。聞いて、眉を寄せる。]
…ピューリトゥーイ… でしたわね。
[嗚呼。本当に。
まるで実験動物だ。
オトフリートを見る。判断は、つかない。
そしてそれは皆に謂える事だ、ろう か。
わからない]
――…
[首輪]
[千切れている]
[漸くはっきりと視認出来た]
[未だ気分は悪いまま]
誰、の。
[誰の首輪]
[自分がダウンしている間に]
[誰がいなくなったんだ]
[押し黙る]
[視界の端。
カルメンが何かに縋るように両手を伸ばす。
揺らめいた緑の眸は、それを映す。
言葉では促さない。
静かに彼女が喋るのを待つように。
唯、見つめた。]
[柔く制するように片手を出して、
立ち上がるオトフリートと、ハインリヒを交互に見た。
ゲルダが何か話そうとしている。
声は、聞こえない。]
――…… およしなさいな
[諭すような声で。
アーベルの微かな声が聞こえる――
ああ、そうか。彼は、まだ 知らないのだ。]
[ダーヴィッドに視線だけで頷いた。]
ユリアン。
体力を消耗するからしゃべるな。
[と言いながらも、何時もの調子が聞こえるうちは、焦燥に駆られてのミスをせずに済むのかもしれない。
埋もれていた蛇が足首に絡み付こうとする感触にぞくりとした時、入口が近付いた。待機しているライヒアルトの姿。]
……、
は、ライヒアルト。
続きを 頼む。
[ノーラの視線を追って切り傷に気づく。]
ちょっと待ってね。
[救急箱を開ける。消毒薬を見つけた。]
大丈夫かな。
[フタを開けて匂いを嗅ぐ。大丈夫そうな気がするが。]
[男に、ゆっくり手を伸ばす。手のひらを、上にして
視線は、うろうろさまよって。
行き着く先は、彼の手の中の、注射器]
めー てー あー
[蒼は届かぬ指先をなぞり、地へ落ちた。
ぼぅやりしていると緑が向く気配。
感じて其方へ首だけを動かして、
不味い所を見られた時のような
何処か情けない笑みを向けるだけ。]
[睨む男に、払われた手を握って。
苦しげに、眉を寄せる…咳が、零れた。]
――…薬を、打たせてくれ。
[そうすれば、そうすれば。
数値が下がる…症状が軽くなれば、
彼だって喋れるようになるかもしれない。
そうすれば――…咳、揺れて、目の焦点が少しぶれる。
ポケットに入った首輪。
アリスの名からカルメンを連想することはできなかった。]
[ピューリトゥーイ。メモに書いてあった名前。放送で聞こえてきた言葉。ああ。あれはそういう意味だったのかと思い当たる。それでも]
それでも、きっと違うわ。
先生は、優しかったもの。
今の手の温もりだって、変わってないもの。
だから、違う。
言葉がわからなくても、先生の優しさは、今も変わってないのよ。
[アーベルの呟きが耳に入る。誰の、と言われて。千切れた跡。誰かの死を見てきたのだろうかと、思った]
[無事に戻ってきた様子に、ゆっくりと立ち上がる。
続きを頼む、といわれれば、一つ頷いて]
……なるべく、部屋の入り口から、離れて。
風のある方に。
[場のいる者への指示は淡々と。
そんな様子はやはり、『園芸家』らしからぬもの]
……そういえば。
真夏に冷房壊れた時に、これをやるって言って。
全員に殴られてたっけな。
[容器に移した事で気化の始まる危険物をちらり、と見て、呟く。
思い出したのは、破壊的料理を作っていた同僚の事。
それを振り払うように軽く首を振って。
入れ代わるように部屋の中へと踏み込んだ]
迷惑…かけて、ばかりね。
…救急箱の中の物は、エーリッヒが
確認して大丈夫そうなものを入れていたわ。
[ユリアンにも、皆にも。後で謝らなければと思う。
強張っていた腕をだら、と落とす。]
[かさり]
[下した手が何かに触れた。紙だろうか。ポケットを探る。]
私たちの中の、誰かに投与された薬よ。
……悪趣味なことだわ。
[悪趣味――と。ゼルギウスへ向けてか、
そう小さく呟くのだった。
ガードシーカー――己のことをノーラはそう謂った。
いくつかのクスリの名を思う。
自分を抱くように、腕を組んだ。]
[首を振る。首を振る]
[注射器が封を切られそうになると、首を振る。
いらだつ]
[ただ、手は出したまま。
つかまれそうになると、鋭く奇声を上げて払おうとするけれど]
───クスリ。
[少しだけ表情が硬い]
[それはさっき打たれた薬の事なのか]
[問いかけるようにブリジットに向かう視線]
副作用───攻撃性。
[息を吐き出す]
[まだ、不快感が収まらない]
投薬───「された」?
[過去形]
[それは]
今の薬じゃ、なくて
[右の手がゆっくり]
[左の腕をさする]
[不快感]
[奇妙な]
[眩暈にも似た]
大丈夫で、す。
これぐらいで倒れる僕じゃないで、す。
それに、まだ、生きてるです。
手がかりを先に探してください。
[二人の手を振り払おうとした。
精一杯の力を込めたつもりだったが、どれぐらいの力が篭っていたかは定かではない]
[ナターリエが足に塗った液、冷たさも痛みもどこか遠い。]
…
[気になったのかその紙を開いてみれば長い間握られていたせいか色あせて文字も読みにくかった。
それでも目を凝らして、それを視れば――はっきりと文字が見えた。それが自分に投与された薬のせいだとは気付かないままそこに連ねられた文字を見る。]
『ファイル名:ゼルギウス
――― パスワード:Pegasus』
[書かれていた文字、その意味。考えて、沈黙を守った。]
[ノーラに大丈夫そうと言われて消毒薬を塗りながら。]
そっか、エーリッヒも頑張ってたんだ。
[小さく笑って。一番最初に手を差し伸べてくれた事を思い出した。あの時の事、謝りたくなって。でも後の祭りで。]
ユリアンも、消毒しよ。ちょっと染みるだろうけど。
[ノーラのが終わってユリアンをみた。]
[オトフリートの首振る所作に眉を寄せる。
こちらの苛立ちも表情に滲み出たか。]
[ただ…、ただ、護りたいだけなのに。]
[その為に作っているのに…]
…何故、薬を打とうとしない。
[そうすれば…助かるかもしれないのに。]
……何が、言いたいんだ。
[『どうせ助からない。』…そう言ったのは誰だったか。]
[少女達と楽しそうに明るく振舞う緑の瞳。
様子を微笑と共に見つめた。
此方へ向かう、緑の瞳。優しい言葉が続く。]
ありがとう。
だいじょうぶ。
[謂って、小さく頷いた]
[議員とともにユリアンを運び出す。
そして、ライヒアルトの指示通り、屋上方面の床に彼を下ろした。]
ユリアン……まず、蛇、とるからな。
[足に絡みついたそれを一本ずつひきはがしていく。
蛇は血に染まっている。それは頭をつぶしたのもあるけれど……]
…………
[ユリアンの怪我の箇所を訊ねる。]
[中に踏み込めば、すぐに蛇の近寄る気配。
足元を確かめつつ、一つ、深呼吸をして]
どれだけいるのかは、しらんが。
……しばらく、大人しく、してろっ!
[容器の中身を、部屋の奥へ向けて文字通りぶちまける。
大気の冷えるのを感じつつ。
酸素が失われる前に、とすぐ、部屋の入り口へ取って返した]
先生に、打つのね?
なら、邪魔しない。
[注射を打つらしいと気づき、身体を避ける]
アーベルさん、大丈夫? 薬は打ったのよね。
気分、悪いの?
[アーベルの声から不調なのだろうかと心配して]
そのお薬、あのヘリから出てきたんだって、聞いたの。ノーラさんが、持ってきてくれたんだ。
[そのノーラの心配はなくなったようで、今までと変わらない糸がそこにあった]
[足が、とん、とん、と動く。つま先が床をける]
[ぱたりと手を下げて。
そして、目の前に立つベアトリーチェをそっと押す。
注射器の方へ]
むー
あー おー いー
[低い、唸る声。不快。歯をかみ締める]
[遠く、異質な声が届く。
衝動が、強く惹かれるはずだった、音。
それも今は、これ程に、遠い。
『世界』の行方を見る蒼は、緩やかに瞬いた。]
回復───
[治癒ではないのか]
[期待をそこまでしていたわけではないが]
[人数分]
[眉間に皺が寄る]
───ッ
[鋭い叫び]
[思わず顔をしかめた]
[耳に痛い]
[苛立つ様子のハインリヒをちらと流し見てから]
……、 先に、ベアトリーチェを、
ということかしら…ミスター・フェヒナー?
[自分を、抱く。抱くは、怖れも内包し。
唸る声は苛立ちをよく現している。]
[ベアトリーチェの声]
[表情を緩めながら彼女のほうを向く]
───ちょっと、ぐるぐるする。
[だから薬は嫌いだ]
[息を吐き出して]
[目を閉じて]
[それでもやっぱりまだ]
[くらくらする]
●業務連絡●
>ノーラさん
実はどーしようかと思いつつ、全部が把握できてないので、
個人に任せようと思います。
また明日からは更新後、ランダム症状悪化、普通に行ってください。
いっっったい、です。
怪我? し、ってない、です、よ。
少し体が痛いだけで、す。
2時間も寝、てれ、ばこんなのは、治るです。
[そんなわけは無い。
少なくとも見積もっても一日は安静が必要だろう。
だけど足手纏いにはなりたくなかった。
なんとなくアーベルの気持ちが分かった気がした]
[咳が、止まない…苛立ちと共に思考までぶれそうだ。]
…わかってる。
順番にやっていく。
リーチェも、ブリジットも、せんせいも。
[低い唸り声、引き攣ったような。
焦れる、焦燥に…ぎりと奥歯を噛んで]
こうやって揉めてる間にも…
お前さんが打たせてくれりゃあ、いいんだ。
[ただ…ただ、救いたいだけなのに。]
(彼はもしかしたら、危険な存在なのかもしれないけれど)
[どうして、それが上手くいかない。]
……ハインリヒ。
ミスター・フェヒナーもだけれど…貴方もよ。
咳が、響くのではなくて。
[――蝕まれた箇所を知るわけではないが、そう謂った。
ちらと見遣った、その頚の数値に眉を寄せるか。
進行している。早すぎはしないか。]
[押され、注射器の方へ]
駄目よ先生。先生が先に受けるの。
私より酷いんだから。
[振り返り、オトフリートの腕を捜す]
──馬鹿、ユリアンめ。
[自分の足に絡みついていた蛇を潰し、ダーヴィッドと共にユリアンの蛇の始末を手伝う。蛇の始末にも随分慣れてしまったものだ。
ライヒアルトが戻って来たのを確認して、一度深く息を吐いた。]
[急激に冷えた大気は、蛇の動きを鈍らせるか。
運悪く直撃を受けたものがいたなら、そのまま凍りつくかも知れないが。
それを確かめる暇はなく、最後は転がるように部屋の外へ。
追ってくる気配は、どうやら、ないらしい]
……は。
やっぱり、やらんで正解だったぞ……。
[部屋から離れた壁に寄りかかって座り込みつつ。
思わず、こんな言葉を呟いた]
[ノーラの方を見る。メモを持ってるのに気づく。]
なにそれ。
[パスワードと聞き出せれば、研究室のパソコンの事を話すだろう。]
[咳]
[ブリジットの言葉で気づく]
[ハインリヒが繰り返す、それ]
───。
[莫迦]
[材質の違う瞳]
[眇めて睨む]
[あとで気分がよくなったら、一発ぐらい殴ってやろう]
[今は、その薬のやり取りを見たまま]
[探す間にも、響くハインリヒの咳に、振り返る]
ツヴァイさんも。
酷い咳だわ。
どうしてみんな、無理するの。
護りたいなら、自分だって生きなきゃ駄目なのに。
[思い出す。エーリッヒの温かさと、石の冷たさ]
[首を、振る。首を、振る。
ブリジットにも、男の言葉も、首を振る]
[苛立ちに、爪を噛む]
[左腕を上げた。ぱたりと、落ちる。
眉を下げて、ベアトリーチェを見た]
[半歩、ずれる。
がん、と壁を殴りつけた]
[泣きそうな目で、頭を抑える。男を、見る。
注射器と、ベアトリーチェを見る]
あー めー。
あー なー い!
わー べーいー。 べーいーち。
うー
…え、何、つめたっ…
[ライヒアルトが転がるように部屋の外に来れば
驚いたように彼を見ただろう。]
……
[再び紙に視線を落とす。やはり文字は掠れていた。読めないわけではないが、先ほどよりは詠み難いだろう。]
そう、…
まだ星が――導いてくれるなら…
/*
てことで更新直前だけどおネムになってきたんで、確認だけして寝ます。
気になることがあったら、ちょっとは反応返すかもだけど。
[転がるように出てきたライヒアルトを心配そうに見た。消毒薬を見た。ユリアンを見た。]
ちょっと待ってね、ライヒ。すぐに終わらせてそっちに行くから。
[順々に、視線をやる。
ベアトリーチェに。ゲルダに、ブリジットに。
仰向けの青年に。男に]
[最後に、もう一度、ベアトリーチェに]
[伝わらない。伝わらない、伝わらない。
自分の分を、ベアトリーチェに、彼女の予備に回せと。
それだけが、伝わらない]
これが園芸家の日常か。
[額の汗を拭った後、壁に座り込んだライヒアルトに親指を立てて見せ、]
と、ユリアン。
少なくともこの部屋の探索は後回しだ。
図書館の他の設備は、
ちらっと入ったが曲がり道の途中の実験室かな。
ライヒアルト?
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