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……ああ、そうだな。
[先に薬、という言葉に一つ、頷いて。
器具置き場から、覚えのある容器を持ち出す。
肝心の容器はといえば、常時気化の結果かさほど重くはなかった]
……大量に必要なものでもないし……何とかなるか。
さて、戻ろう。
……あいつ、なんかやらかしそうで、心配なんだよな……。
[何気に、ユリアンに対しての認識が酷い。
ともあれ、先に投げ出した鞄を拾うと、実験室を出て、奥の部屋へと向かった]
…うぷ、…けほっ。
あ、はっ、…ぁ…――
[石の破片が周囲に充満し、石像の下敷きになる蛇もまた多かった。部屋の奥まで辿り着いて]
ユリアンっ…!
[彼の身体の蛇はなんとか退治したようだが彼が急に倒れれば足を引きながら近付き、倒れた彼の身体を抱き上げる。
周囲にはまだ僅かだけど蛇の気配。せめて彼だけでも、病から完治した未来ある彼だけでも、と身を楯にして彼の身体を抱きしめた。]
(誰か―――)
[重たい身体]
[ゆっくりゆっくり]
[動かして]
[回りを見る]
[きらきらとした視界]
[声でわかる]
[ベアトリーチェ]
[ブリジット]
[ハインリヒ]
[声だけわかる人]
[女の子]
[眼鏡の人]
[エーリッヒは、どこに行ったんだろう]
───。
[千切れた首輪]
[目を閉じる]
>>308
はい、わかっています。
僕は貴方の考えを支持します。
[重ねられた手と苦い笑みに……少し、強がった笑みを返して……]
[準備ができたと聞けば、先に駆け出す。さっきの蛇の部屋の前に人の気配は無かった。]
あああ、やっぱり。
[扉を開け放ち、後から来るライヒアルトの為に道を開けた。]
――――…っ、
[優先すべきを考える…。
目の前にあるかもしれない危険と、
緩やかに進みつつある危険と、遠くにある危機。
こういう時、―――――ならどの行動を選んだか。]
[触れていた腕をとられ、ハインリヒのほうへと差し出される]
私より、先生の方が先。アーベルさんだって。
だから、まだ私のは、いいの。
[点が掠れる様に映る。それが消えてしまったらどうなるのだろうと不安がよぎる。
大丈夫、大丈夫だと言い聞かせて。
ハインリヒの問いに、頷く]
判らないけど、多分、だって。
[言葉に出来ない。今視えているものをなんと表現すればいいのだろう]
ヘルムートさん、助けにいったんだよ、ね?
…っ、
[択ぶのは…、]
リーチェ、ゲルダ、ブリジット。
…まず、薬からだ…アーベル、お前も。
…せんせいもだ。
[オトフリートに打つのは…些か不安が残る。
けれども…、]
[やや遅れて、戻ってきた部屋の前。
開け放たれた扉の奥の様子に、思いっきり感じた頭痛はきっと、心理的なものだろう]
……おま、えらっ……。
中で気絶なんぞされたら、こんなお手軽危険物、使えんだろうがっ……。
[外からの風は、感じる。
換気は出来ている。
ともあれ、一緒に持ち出してきた作業用の皮手に手を突っ込んで]
……動けそうかっ!
[中へ向けて、怒鳴るよに呼びかけた]
と び
いーぐー
[首輪は、男へと移動して。
かまわず、ゲルダに近づく。
抵抗されないなら、彼女の手をそっと取って、
自分の頬に当てようと]
[首を傾げる。顔の辺りを見上げた]
[背後から聞こえる男の声。眉が下がる]
[音の無い息を吐く。
先程打って貰った薬は血中に染み渡り、蝕まれた組織をゆっくりと、溶かす。
進行が遅かったせいか、次第に元のやわらかさを取り戻す肌。
もっと進んでひび割れていたとしたら。そう思うと少し怖かった。]
―2F 6の部屋―
[少女の声。ベアトリーチェの方へ顔を向けた]
ヘルムート?
…ベアト、リーチェ、今、ノーラは 無事 なの?
[――あのいばらを見た後では、
ノーラとベアトリーチェの繋がりを語られた後では
恐らく、信じる方が、正しいと思うたか。
クスリを、との言葉に
聊か混乱した様子で瞬いた。]
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