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[音を響かせて扉が開く]
開いた?
[ブリジットが座り込む気配に自分も腰を屈めて]
ブリジットさん、大丈夫?
[抱えたカメラを落とさないように、手を伸ばした]
[自分より年上らしい黒髪の男性が、ユリアンをこき使うと明るく行った。黒髪の女性も、明るい顔をしていて]
……ああ、あの人に伝えてこなければ。
[エーリッヒの、髭の男性の、どこか含みのある台詞。
つきつきと痛む胸。
抱える思いはあれど、その希望を今一番必要としている人がいると思う]
すみません、失礼します。
[ぺこりと一礼して、一階へ、医務室へと足を向けた]
へぇへぇへぇー、そんな放送あったんですか?
[聞き覚えの無い話。
きっと寝ていたか食事をしていたんだろう。
寝ている間と食事の間は他の事があまり頭に入ってこないのだ]
駄目です、かー、少し安心しました。
痛いのはやっぱりいやです。
でも医学的に血清つくれるなら使ってもいいですよ?
安くなく最高の最高級ですけど、僕。
[相変わらずのよく分からない発言だった]
……それも ほしのこえ、かしら。
[ノーラへ視線を向けた後、寄り添う彼女へは常どおりの返事。]
……平気よ。
大したことないわ。
あまり痛くないもの。
[少し遅れてやってきた痛み。
それがおかしい、と感じるのはまだ少し先だろう。]
ええ、…開いたわ。先へ進める。
進めば きっと。
[ベアトリーチェの手が伸びる。
少しの間逡巡した後、躊躇いがちにその手をとった。]
平気よ。
[少しだけ、囁くように。]
[ブリジットが立ち上がるのならそれに合わせ立ち上がる。
銀のレイピアは予想よりも役に立ってくれたようだ。]
どういたしまして。
…
[腰にレイピアを戻せば同じように廊下へと続く方の扉を見る。]
ベアトリーチェもありがとう。
貴方の手も怪我をしてるわ。
エーリッヒに見てもらいましょう?
アーベルも…
[新緑の瞳を向けて感謝を伝える。]
やはり男性が加わるだけで違うわ。
───ッ、は。
[大きく息を吐き出す]
[久しぶりの重労働]
[向こう側に続く道が見える]
記録───しておいたほうがいい、かな。
[ベアトリーチェに預けたカメラを受け取ろうとして]
[傷のある指先]
[溜息]
───じゃあ、俺が行こうか。
[上へ]
[ノーラの言葉に告げる]
未だ、それなりに元気だし。
俺は、美味しいトコ取りしただけだよ。
[感謝されるようなことじゃない]
[ノーラの言葉に肩をすくめた]
[だってそれは事実だ]
[ふと気付く]
[ノーラの腰に下がる物騒なモノ]
───それは?
[あんまり穏やかには見えないもの]
[交わされる周囲の言葉をしばしぼんやりと聞き。
それから、鞄を片手にゆっくりと立ち上がる。
挙動は落ち着いている──と思う。
自己認識だから、他者からどう見えるかはわからないが]
……さて。
そういやこの先、どうなってるんだ?
[蛇の登場やら何やらで、忘れていた事。
扉の向こう側の様子が気になり、そちらを覗き込んでみた]
[兄に一瞬間違えた男が、気がつけば傍に立っていた。
顔は似ていない
――唯、金の長い髪と、青い色彩の眸の色は似ている。
兄の眼の色はもっと薄い、アイスブルーではあったけれど。]
僕の名前は、エーリッヒ=A=エンツェンベルガー。
エーリッヒで構いませんよ。
[既に自分の名を何処かで拾っている人に、改めて名乗る。]
……ええ、信じますよ。
息子が必ずしも父親の操り人形とは思いませんから。
[囁かれるような声に、微笑んで頷いた。
囁かれた言葉に――この人は兄とは違うと改めて想いながら。]
…星の囀りは、人間より気紛れ。
けれど偽りは存在しない。
[ほしのこえ、と言う彼女に笑みを向けて
上へというアーベルに視線を移す。]
1人で?
また蛇でも出てきたら…大変よ。
[大きく息をついて辺りを見る。
苦しそうにしているものはいないか、
痛そうにしているものはいないか、
確認してしまうのは職業病なのかもしれない。]
[エーリッヒが首元のバンドを見え辛く下げていることに気付くと
思ったことがそのまま貌に出て、わかりやすいくらいに眉を寄せた。]
そういえば、どこいいった?アーベル?
……こっちでは、首のバンドをとっても死んでないヤツが出てる。
……クスリの効果かもしれないと……。
まあね。
[写眞家]
[眠る前の話だ]
[カメラを受け取り、また斜めにかける]
[首だけにかけるのは、やや不安がある]
───蛇。
[廊下に転がっていたものを思い出す]
そうすると───この服じゃ流石に危ないか。
[いくらか用意したほうがよさそうだ]
蛇がいるなら、火と煙も要る。
[考えるような表情]
銃弾飛び交う戦場よりは───きっと安全だよ。
[父親の操り人形云々は、
彼の背後と、自分の父親に聞かされた情報より。
自分も傍からみれば、父親の操り人形のように見えるかもしれないが――違うと示す意思。
そして医師の(卵の)勘は、人命を優先にといわれたこともあってか、6の部屋の方に、怪我人がいる――と告げる。]
……ちょっと、あちらの方が気になるので、
行ってみますね。
[引きずるまではいかない、重い足を6の部屋へと向けた。]
―― 医務室 ――
[目の前で倒れて、今、まさに石になりつつある老人。
眠っていたから、無理はさせたくなかった。
幾度か医務室に寄った時に様子は見たが、もう、無理なのだと、手遅れなんだと思った]
[息せききって、医務室の扉を開ける。
老人の元にと近づいて、その息がまだあることを確認した。
もう随分と石化が進んで、首輪の数字もかなりのもので]
……おじいさん。助かりますよ。
助かるんです。あとちょっとしたら、助かるんです。
だから、頑張ってください。
[耳元で、そっと囁いた。
彼の眠るマットを、そっと整える]
[手を取るその指先には傷。平気だというブリジットに]
でも、その怪我は治した方がいいと思うの。
いっぱい、切り傷が出来てるんじゃない?
[アーベルへカメラを返すと、聞こえたため息に少し手を止める。ブリジットが彼に投げた「写真家」と言う言葉に、そのカメラをもう一度撫でた]
上に行くの?
ブリジットが言うように、一人じゃ危険だわ。
向こうから、誰か呼んでこないと。
───二階の左奥の部屋。
[どこ]
[ここだよ]
上に続く通路がある───?
[首輪を?]
───ふぅん。
[面白くない、事態だ]
―医務室―
[そこには誰かいただろうか?
いたとしても、老人がそちらに目線を向けることはできず……
ただ、よみがえってきた意識……。
同時に、急速に冷たくなっていく己を感じていた。]
[写真家。銃弾、戦場。仕事現場にしては物騒な場所だと思う。
そしてそのような世界を知るのは本や新聞でのみ。
もしかしたらその中の写真のひとつは彼が撮ったのかもしれないと思えた。]
服も…このフロアにあるわ。
用心は必要。
…やはり一度戻った方が――
[足をずる、と少し引きながら廊下側の扉へと近付けば
エーリッヒの姿も見えるのだろう。]
特効薬が、出来ましたよ。
治った人が、いるんです。
だから、頑張ってください。
[今にも、気道や心臓、脳まで石に犯されそうな老人。
感触が伝わらないのは分かってる。
それでも、崩さないようにそっと彼の手をとって]
[彼に聞きたい質問など、ない。
負担をかける気も、ない。
ただ、ほんの少しでもこの希望が彼にとどけばいいと、そう思って声をかけ続けた]
ゼルギウスとやらが投与した「色々」
──な薬の効果の一つが、当たりでユリアンに。
それは、案外合っているのかもしれないね。オトフリート。
気が付いている者も居ると思う。
武器庫の武器は、食料庫等の話と対照的に錆びて居ないものが複数混じっていた。
此処にある、斧、弓矢、散らばっているどれを見てもそうだ。
金属は常に使い込んでいるか、
手入れをしている状態でないとこうはならない。
蛇以外に何かが出るのかもしれないな。
[武器庫の中の使える武器は、意図を持って置かれたものかもしれない。
女性を不安にさせる事を考慮して、最後の言葉は言わずに。]
[数値は、そんな格好で。誤魔化そうったって。
言いたいことは多くあったが全部飲み込んで。
エーリッヒにこれ見よがしに溜め息をついてやった。]
報告しに行った兄さん一人で向かわせるのも危ないし、
爺さんの様子も見たいし一度医務室戻ろうと思うんだがね。
…怪我人はいるか?
ろくな治療はできないかもしれんが、
やらないよりかはマシかもしれん。
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