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――…いいえ。
[言っても、然程効果が無いだろう事は想像していたが。
色の見えない返事に、苦笑交じりに短く返事を返す。
続く言葉と滲む失望の色に、苦笑の色を更に濃くして]
…管理間として、些細な子供の反乱に驚いてしまっては
先行きが不安にもなりますね。…従う気が起きないというか。
そもそも、特に親しくも無い者の監視下で、常に居ろと言われて
平気で居られるほど、僕は人間が好きと言う訳でも無いですし。
[くす、と何処か愉しげに笑いを滲ませる。
一番の子供と称されても、仕方の無い言い訳を淡々と零す]
秘密ネェ。
人にはオープンを求めて自分はそれかい。
まったく、マイルズの言う通りさね。
白羊のの腕を疑うわけじゃないが、もう少し上手に動いて欲しいものだネェ。
そんな状態じゃ従うこともできないさね。
[クツリと笑う]
何も信じない、ね。
其れまた、真理。
[メイドの少女の柔らかな口唇に自分のそれを優しく合わせ、微笑む。然し少女から離れた視線は先までのように何処か歪み]
お前が死んだと云うのがデマであったように、かな、双児の。
さて――
僕もお暇しようか。この子を待たせるのも可哀相だ。
んーと。キミ、誰かの専属さん?
違うんなら、ちょーっと、お付き合いお願いしたいんだけどなあ?
[にこにこと笑いつつ、来た時から気にかけていた栗色の髪のメイドに問いかける。
返って来るのは、専属ではない、という言葉と、自分でよければ、とい旨の言葉。
それにまた、にこり、と笑んで。柔らかな髪をそっと手に掬い上げて軽く、口付けた]
ん……あまそうな感じがする。予想通りなら、いいんだけど。
[シャロンの視線の先を認めれば、すいと目を細め]
そうね……簡単な話なら、知らされる事もなく、裏切り者とやらは粛清されてたでしょうし。
[言いながら扇子の先を首の前ですっと引いて。]
そして、今頃私たちはもっとアレを堪能出来てたでしょうしね。
お前も、お愉しみか
[くつと哂って、ディーノにそう告げると、
ミュウの手を振る様に、自身も真似て片手を上げ。
聞こえたアヤメの言葉に、違いないと云うように頷いた。]
詰まりは頭も良く回る。
厄介な事だね。
折角の愉しみの邪魔をされて、堪ったもんじゃない。
――それじゃ、お休み。
[エドガーのどうにかするさの言葉には、どこと無く挑発的な笑みを浮かべ。]
それじゃぁ、お手並み拝見させて頂きましょうか。
ま……所詮現状では貴方も被疑者。貴方に素直に従う気はないのだけど、ね?
[そうして、出て行くシャロンの背中に。]
おやすみなさい……愉しめればいいわね。
ま、なんにしてもですよ。
白羊宮の御方は、もう少し落ち着かれるとよいかと。
……足元掬われても、しりませんからねー?
[くすり、と笑いながらこんな言葉を投げかけて。
シャロンの言葉には、さてさて? と曖昧に返して立ち去るのを見送り]
んじゃま、オレもこれにて。
[場に居る面々にひらりと手を振り、用意された客室へと]
[カレンに向けていた表情のわずかばかりの温かみは消え、しかし別の親しみを感じさせる態度で、ミュウに応じる]
…秘密にするほどの事ではないのだがな。クローディアや君達の、ここ最近の行動や過去の記録を洗わせている。
疑っているわけじゃない。しかしボスにコンタクトを求めるには、いきなり「裏切り者などいない」では通じないのだ。
ただ彼女[気付かれぬよう、カレンを目線で示す]には言いたくなかった。
──この返答ではお気に召しませんでしたか?
[声は軽やかなのだけれど、どこかに沈んだような空気を感じ取れたかもしれない]
ジェネレーションギャップ、というものがこれだとしたら白羊卿には申し訳ないですけれどね?
力を持つもの持たざるものの差、というのもあるかもしれませんが…これに関していうなら、私や判官殿も能力的には彼に近いわけですから、一概には言えないでしょうけれど。
[信用できない、とでも言いたそうな。
けれど愉しそうな様子にもう一つくすりと笑うだろうか。
あくまで視線はメイドを選んだディーノやシャロンへと行き]
…さて、彼女たちには明日合えるのでしょうかね。
[ぽつりと呟く]
[事の成り行きを見守るかのように口を噤んだまま状況を見守っていたのだけれど、自然とお開きのような、そうでないような空気に白い手袋を嵌めた指先は自らの顎先へと添えられる。
視線はメイドを選んだディーノやシャロンへと行き]
…さて、彼女たちには明日合えるのでしょうかね。
[良い夜を、と見送りの言葉の後。
ひとりごとのようにぽつりと呟く]
―…→客室―
[聲が聞こえたか、アヤメに最後に笑みを向け。
辿り着いた部屋に其の身を忍ばせた。]
可愛い、良い子だね
大丈夫、痛くなんてしないよ
[耳元でそう囁いて。]
[暗い部屋に影が舞う。甘い嬌声はやがて空気を踊り、*柔らかな寝台は二人を受け止めた*]
成る程ネェ、筋は通っているじゃないか。
危惧も分からなくはないしネェ。
だが、全てが納得できる答えでもないさね。
それは自分でも分かっているんだろう、白羊の。
信が欲しければ、そうした動きを重ねることさね。
[僅か表情を緩めるか、しかし薄い笑みは浮かんだまま]
むぅ……それって結局歴史の勉強だって一緒じゃん
実体験? 『壊してきた玩具』なら数え切れないくらい居るんだけどなぁ
[そう言って腑に落ちない顔を浮かべる。ただ、まあいいかと呟くと、エドガーに向き直り]
秘密……まあ水面下で動くのは構いはしないけど
ただ爺ちゃん。私に仇なすってことになるなら……容赦はしないよ
[静かに目を閉じ、各人の話を聞いていたが]
「なるほど。確かに俄かに信じてはいただけませんでしょうね。
私とて、此度の星見の結果には目を疑いましたから。
しかし、私の占いは大局しか見ることが出来ないとはいえ、結果は絶対。この中に裏切り者が居るのは事実。
私を疑うことも、おそらく避けられない事でしょう。しかし、私としましては結果とともに信じていただくようお願いするしかありません。
そして、私がここに来てよりエレベータは閉鎖されています。
解除する方法はひとつ。全員分のカードを通すこと。但し、私は裏切り者を見つけ出すまでカードをお出しする気はございません。」
[それだけ言い再び口を閉じる]
…まぁ、会えたところ会えないところで何か変わると言うわけでもないのですが。
[ふ、と小さく息をこぼし。
ふいに沈黙を破ったクローディアの言葉にぱちくりと瞬き一つ]
…つまり、どうあっても殺し合え、という事なのでしょうか。
主殿も随分いい趣味をしていらっしゃる。
[軽く肩を竦めてもう一つ溜息]
やれよ、星詠姫。
アンタも面倒なことばかりを告げてくれるネェ。
[呆れた様子でクローディアを見やり]
それこそ和もヘッタクレもない。
身中に虫がいる以上、仕方が無いだろうがネェ。
閉鎖は対策として間違っていないだろうさ。
厄介なとは思うがネェ。
気を落としましたか?…その様なつもりでは有りませんでしたが。
[些細な空気に気づいたのか、
申し訳有りません、と小さく苦笑を滲ませて。]
世代差ですか。――強ち間違っていないかも知れませんよ?
古参者は新しい者を容易く信用しないように、
僕らも、古いモノに捕われる事を拒もうとする様に。
力を持つという変化を纏って生を受けた僕達と、
エドガー殿の差は、少なからず有るのかもしれません。
[くすくすと、何処までも愉快気に言葉を紡ぎ。
続く呟きに、部屋を後にする彼らへと自然視線を向ける]
……彼女達が心配ですか?
[笑みを湛えたまま、紅茶を口に運びながら短く問いを]
全く厄介な。
身中の虫なぞもっとスマートに探り出せなかったのかい。
まあいい。
久しぶりに他の連中の腕を見るのも悪くは無いだろうさ。
少なくとも窮屈な退屈はしないで済みそうさね。
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