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嗚呼、僕が見ただけじゃないが。
双児のも見て居たから、――と云うより僕より先に居たから、後で聞いてみたら如何だ?
[確か無いと云って居たが、と云って]
そうだな。もう、誰が兇されても、誰を兇しても可笑しくは無い。
自分が兇されない為にな。
[其れから申し出には、少し考えてから首を横に振り]
否、其れはお前――
水瓶のと、お前、獅子ので見て来れば良い。
僕は、行こうと思っていた所に往くよ。
――ジョエル。
[ふと、聴き慣れた声に其方へと視線を向ける。
何処か安堵したように、僅か目を細め]
…巨蟹と、人馬の二人がぶつかった様です。
そして丁度今し方、オーフェンの気配が絶えました。
[恐らくは。
続きを口にせず、再び視線を部屋へ。]
[と、とても早く駆けてきた乙女の姿。
其の肩から下ろされた白の姫君に、仄かな笑みが浮かぶ。
――和んでいる場合でも無いのは判って居るが。]
――双児、が…
…判りました、有難う御座います。
[シャロンの言葉に、一瞬訝しげに眉を寄せ。
何処か、考え込む様に視線を巡らせた後短く謝礼を述べる。
続く言葉に、浅く頷いて]
ええ、承知しました。
引き止めてしまい、申し訳有りませんシャロン。
と言う事で、僕は様子を見に行きますが。
カレン。…ジョエルも、貴方方は如何なさいますか。
礼を云われる様な事でも無い。
[何かを考えた様子にも、何も云わず。云えず。
白猫から視線をずらして。]
別に構わないよ。
其れじゃ、失礼しよう。
[誰かがついてくると云うのを止める為か、其れ以上は何も聞かない様に、彼等から離れる。
そのまま直接、エドガーの部屋に行くのはまずいだろう。
――裏切りを匂わせるか、如何するか。
未だその答えが出ないから、直接向かえなかったのかもしれない。]
フフ、これは相当気をつけておかないと。
引き摺られ、引き摺り込みかねないさね。
本当はサッサと散らしておく方が楽なんだが、白羊のがまた怒るだろうし。
それともここまで来れば構わんのかネェ。
[生命の消失と共に収束する気配に抱えていた肩から手を外す。
呼吸を整え大きく手を振れば、立ち籠め始めていた香気が散る。
それを見届けながらクツクツと笑った]
やれ、どちらにしろ確かめねばならんだろうて。
[薄笑いと共に立ち上がり、扉に手を掛けた]
[マイルズの言葉に顎に指を当てうーんと考えていたが、シャロンの言葉にん?と顔を上げると]
行こうと思ってた所? 何か他にもあったんですか?
[すると向こうから人離れしたスピードで駆けてきたジョエル]
んー、まあ凡そマイルズの言った通り。後は推して計るべしかな
[背を向けて去るシャロンに、
視線を送りながらも引き止めるような事はせず。
カレンの問いに、あぁ。と短く相槌を零す]
何処かへ向われる途中だった様です。
どうにも、僕が引き止めてしまった様で。
[…詳しい事は問うておりませんが。浅い笑みを浮べ言葉を返し。
ふと、投げられる視線に気付いたのか、一つの扉へと意識を向ける]
――ミュウ、如何なさいましたか。
[にゃーにゃー鳴くレギーナに軽く肩をすくめ、シャロンへと彼女を差し出しながら]
…ご一緒します。
[飼い主のほうは真面目な顔して宝瓶に頷いた]
お揃いのようだネェ。
何が起きたのかはまだ未確認というところかい。
[薄く笑ったまま、声を掛ける]
どうもこうもあるかい。
あれだけの気配を飛ばされちゃ、おちおち休んでもいられやしないだろうが。
消えたのは…オーフェンのようさね。
[改めて一騒動あったらしき扉の方を見やる。
消えているのは凍える風のような少年の気配だった]
[シャロンの言葉にはふぅんと気の無い返事を返し、去っていく彼女を見遣っていたが]
そうだね。私も一緒に見に行こうかな。どういう状況かも気になるし
それに……カルロスと次に殺り合うのは私、かもしれないしね
[そう言って薄ら笑みを浮かべる]
[ジョエルから差し出された姫君は、一度喉を撫でてやって手を離していた。
其のぬくもりが手に残っている。
――逡巡。
其の部屋の前に辿り着いて、体が緊張を孕む。
黒の手は直ぐに動くように。
白の手は其の緊張の儘、扉に甲をぶつけた。]
確かに…あれだけの気配を発されては困難でしょうね。
今更確認と云う程も無いでしょうが、此れから行こうかと。
貴女もご一緒に如何ですか、ミュウ。
[少年の気配が消えた部屋へと身体を向けながら
小さく笑みを零して、双魚に応える。
ジョエルの言葉に、口許に柔い弧を描き。]
――判りました、参りましょうか。
カレン、貴女も気になる様なら一緒にどうぞ。
[笑みと共に告げ、部屋へと向け足を踏み出す。
事が起きたであろう部屋の前まで辿り着けば
中の気配を探りながらも、その扉を開け放ち]
―廊下→人馬宮の部屋―
ああ、ごきげんよう。
…そうさね、ご一緒させてもらうとしようか。
[カレンには微笑と挨拶を返す。
一瞬口元を押さえはしたが、マイルズの言葉にも頷いてその部屋へと向かう]
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