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っと、しまったな。
インスリン、探す予定だったんだけど。
[小さく零れる言葉
――リディのカルテを診たハインリヒなら、
インスリンがどういう意味を持つか知っているかも知れない。
増えたカルテに手を伸ばし、片手で頭を掻く。
カルテを確認していく最中、
ダーヴィッドのカルテに付け足された文字に噴出した。]
−回想・廊下−
首輪ですか? 蛇がでた時に転んだ時に外れましたです。
ごめんなさい、直っちゃったみたいです。
[上のフロアに向かおうとした時にノーラに話しかけられた。
首輪が無いことに目を丸くする姿を見て少し罪悪感が沸いてきた]
では、いくです。
[気まずい気分になったので背を向けて3Fへと歩き出した]
─食堂─
……また、えらく集まっているな。
[中に入っての第一声は、ため息交じり。
とりあえず、空いている席に座ると、何かもらえるかな? と誰となく声をかける。]
[部屋に響くシャッター音。そして足音]
アーベルさん?
アーベルさんも、扉の向こうが気になるの?
[シャッター音がしたほうへと向かって歩き出す]
私が眠りにはいる前、
[ぽつりと、呟くように語りだす。
別に、彼女が聞いていようといまいとかまわない。
もし彼女がもう立ち去ってしまっていたなら、誰にともなく語る]
私がつとめていたがっこは、小さな通りに面した学校でした。
下校時刻になると、そのとおりが小さい子たちであふれかえって、きゃあきゃあ甲高い声が街いっぱーいに響くです。
[たわいもない、日常の風景。
瞳を細めて、目の前にそんな情景が展開されているかのように、言葉を紡いでいく]
(ああ、上手く、話せない)
[しゃべっているうちに、流石に自分でも舌の縺れを自覚した。
言葉が絡むたびに、詰まるたびに、少し寂しそうに眉をひそめる。それでも、ずっと話し続けた]
[自分の小さな宝物たちの、話。
教員生活は、はじめてから数年しかたっていない。
それでも、いくらでも思い出はあふれてきて]
あ、うん。いくね。
[ナターリエを追いかけて階段へ。]
武器、必要だよね?
…そういうの使ったことなくても、大丈夫なのってあるかな?
―医務室―
それは物理的に不可能ね。
……アーベル。結局こっちに来てないのね。
[無礼な言動を思い出してか、
結局医務室に来ていないことについてか、眉を寄せた。
不服の声には眼を細めて見下ろす態。>>373
笑われると腰に手を当てた。]
……そう。なら、ハインリヒ。
[謂い直した。困ったような笑いをされれば、
もう一度呼ぶのも悪い気がしたのか。
ああ、そういえば と 思い出す。
あの時、彼は自分に何を聞こうとしたのか。
覗いた数字。首輪、手招き。]
ハインリヒ、貴方、あの時何か――
[聞こうとして、薬を見つけてからだ――と、言葉尻に重なった]
[人の気配がしたので見る。]
リディ、だっけ。さっき会ったね。美味しいよ、ホットケーキ。
[冷凍のホットケーキは何故か大量にあるみたいだった。研究者で好きな人でもいたんだろう。]
カルテって面白いの?
[何を見て笑ったか解らなくてエーリッヒに尋ねただろう。
立ち上がって医務室の扉の方へ赤を揺らしながら歩み]
…食事は後でいいわ。
上を…見てくる。
…
もう、蛇いないわよね…。
[一度、振り返って不安げな言葉。]
集まっている、と言っても俺たちは移動するところだが。
[やって来たリディには、軽く手を振って挨拶を。
ホットケーキに関しては、説明がされたので、そちらに任せて、上へと向かう]
父さんの操り人形になるのが嫌で。
色々、無茶をしたけど――実際この状況になると、ね。
[羽ばたいた空は、狭いのに途方もなく感じられた。
うっかり弱音を漏らしたのは、見透かされるような新緑の所為か。]
上……行くならついて行くよ。
探し物も見つかるかもしれないし。
[護るとも言ったからとは――言葉裏にけして。]
リディちゃんも、たっぷり食べてねー?
[おそらく空腹だろう彼女に、ホットケーキどっさり盛り付けて食堂をあとにしたらしい。
キッチンの奥には乾パン、金平糖、それからまだ無事な缶詰や豚肉を濃い目の味付けで煮込んだものなどが几帳面に小さく小分けされて置いてある。]
-3F-
[結局とめられたにもかかわらず一人で来てしまった。
しかし、その選択に間違いなど無かったはずだ]
ええ、そうに決まってるですよ。
僕が一番動けるですから、だから僕がやらないとです。
[その身に芽生えるは罪悪感と責任感。
先ほどライヒアルトの言葉>>63の通りになりつつあった。
本人の頭からはそんな忠告など消えさっていた]
−隠し扉・階段−
[定期的にフラッシュをたいて]
[写真を撮る]
[一瞬の回りの把握のために───]
───リーチェ?
[下のほう]
[聞こえる声]
[耳のいい子だ]
[シャッターの音を拾ったのだろう]
大丈夫
[上から声を一つ落とす]
段差があるから───こっち来ちゃだめだよ。
[警告]
[上へ上へと声は上がっていく]
―三階への階段―
あっ。
[人一人分しか開いていなかった扉。
端に引っ掛かり、カーディガンが少し破けた。扉に切れ端が残る]
…お気に入りなのに。
[溜息をついて、階段を昇り始めた。
上がりきったところで、再び呼吸を整えて]
扉の無い部屋…?
[上がってすぐにあった部屋を覗き込み、瑠璃が見開かれる]
エーリッヒの父親も、厳しかった?
[親の圧力、その重さは「自分」を見失いそうになった。
「自分」という存在ではなく「優秀な星詠み」が彼らの目には映っていたのではないかと――。]
…私も、自信を失う事は多かったわ。
それでも…――自分を大切にしたかったの。
[上に行くなら付いて行くと言われれば]
助かるわ…。
[本当に。と心の中で呟く。]
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