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[ゆっくり]
[気をつけろ]
[下から聞こえてくる]
───わかってる。
[小さすぎる呟き]
[届いているかどうかは知らない]
[あと少し]
[あと少しで]
[そんな思いだけで、扉を抉じ開ける]
─ キッチンで食事を貰った時の会話>>278 ─
ヘムルートじゃなく、
ヘ ル ムートだ。
[たんまりと残り物が盛りつけられた器を受け取りながら、一音節ずつ言葉を区切るようにして、ゲルダにそう答えかけ、相手の声の調子が悪い事に気付く。それでも、蜂蜜を見付けて楽しそうになるゲルダの様子に、口角を少しだけ上げた。]
へえ。
蜂蜜が、喉やくちびるの荒れ以外に使えるのか。
女の子なら、その蜂蜜を少しつまみ食いしても良いのではないかな。
[気持ちを切り替える為にキッチンに来た事は正しい選択だった。以前の自分と比較すると食欲が落ちている事にも気が付いたが。それでもキッチンの鏡に映った顔色は、ゲルダよりもまだ明るかった。]
[開錠されていた扉をくぐり私は3階へ。]
─3階・休憩室─
……よう。どうしたんだ、ピアノの周りに集まったりして。
[休憩室の中、ピアノの周りに集まっている面々に声を掛ける。]
――…
[医務室に落ちる、白い花。]
[口元を押さえる気高き星、新緑は見た。]
ブリジット…?
[自分の荷物も見つからなかった。
けれど「意味がない」とは?――解らなかった。]
/*
占=ノーラ
霊=ゲルダ
狩=ブリジット
狼=カルメン
………男、にーとじゃね?
絆もノーラとベアトリーチェに撃っちゃったしな。
え、私?
ピクシーの癖に、めっちゃにーとですよにーと。
多分、一番のニート。
─三階・休憩室─
[調査の方はどうなのか、と。
そんな事を考え始めた矢先のリディの声。
天鵞絨を瞬き、そちらを見る]
ああ。
どうしたんだ、と言われても、見ての通り、としか。
うーん、なんです、かねー?
見間違いではなくてです?
蛇はともかく鳥で豹で四本足なんて聞いたこと無いです、よ。
[顎に手を当てて考える]
―研究室―
[扉に手をかければ、開いたからちらりと来た方を向いてから中へ。
中には石像がふたつと、鉄の箱。いや]
パソコン。
[パソコンの前の椅子に座り起動するか操作してみた。なにかしてないと気持ちがめげそうで。]
不思議と…感じる、もの…ねえ。
そういう部分では、両極の位置にいそうな職だね。
[見えぬものを信じる星詠みと、見える結果しか信じぬ研究員。
興味を持ったのは理解ができないものだからかもしれず]
翼を得るために…星は協力してくれそうかい?
[それでもそう口にしたのは、
是の答えが返ることで希望を持ちたかったからかもしれない。]
…生きているものと、
[そういえば…わかるといっていたゲルダの傍にはいつも…]
……死するもの…か。
[鎮痛剤――その単語が聞こえれば頷く。
自分にもしものことがあっても、
星詠の人なら上手くやってくれるだろう。
パスケースは知らなかった。
だから、そのままハインリヒに見送られて歩もうと]
――…?
[足は色のない声で止まる。
振りかえる――疑問を向けるような緑で少女をとらえる。
視界の端、落ちる白。
彼女の呟きは、その色に似ている気がした。]
─三階・休憩室─
[不自然に終わる旋律に、振り返れば手を押さえる姿。>>483]
……だから、無理はするなと。
取り返しのつかん事になったら、どうする。
[声にこもるのは、呆れと。
それから、案ずる響き]
[ダーヴィッドに引かれ、階段を上がる。次第に大きくなる音。風も、強く感じるようになって]
アーベルさん?
いばらが、扉を塞いでるの?
[続く音に、聞いてみる。ダーヴィッドからはその光景が見えているだろう]
ダーヴィッドさん、武器、持ってたよね?
私、ここで待ってるから、二人でやればきっと早いよ。
[そう促して手を離す。ダーヴィッドが先に行ったなら、立ち止まって階段に腰を下ろした]
[口元を押さえたまま、
表情に浮かぶのは――
驚愕。
恐れ。
それから、絶望の片鱗]
…… 厭
[思い出したくない。]
違う …違う、違うの …違うのよ
そんなはずがない そんなはず、だって、
[だって、意味がなくなったら私。
そうだ。階段を、のぼって。
その先に、行かなくちゃ治して、治ったら、
呼びかける声に眼は虚ろ。
一歩、退いた。]
[音を立てて起動したパソコンの画面。
そこにはこう書かれていた。《パスワードを入力して下さい_》]
間違えたら爆発するんじゃ。
[そう考えて動けずに、パスワードを考えている。]
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