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執事 ジョエルは時間を進めたいらしい。
夢、ねぇ……そんなモンは、オレも無縁だったね。
[くすり、と笑って。
仔猫の様子に起きるかな、と思うも、それきりなのを見て、相変わらず脅かさぬようにと、気を使いつつ]
『正義』を唱える皆様には、その責任転嫁が必須なようだけどね?
[召集前に始末をつけて来た、正義の味方気取りの小さな集団や、遠い昔に両親を殺した『神の使徒』。
それらを思い出しつつ、呟くように言って]
さあ、ね?
少なくとも、世界が変わってから、ヒトって定義自体、曖昧なもんだし、ねぇ。
[けらり、笑ってこう言うも。
最後の言葉に、碧はす、と伏せられて]
……オレは。それでいいのかも知れない。
けれど。
[けれど。あのこは。そんな言葉は、音を結ぶことはなく]
…大丈夫ですか?
[子猫を抱き上げたままのマイルズに、気遣う程度に静かな声音。
もしも顔を上げて瞳がかちあったなら、柔らかいけれど真っ直ぐな翡翠の瞳は彼にむけられているだろうか]
[ふと聞こえた声に、そちらを見やり]
……堕ちたのがオレで、申し訳なく?
[こて、と。首を傾げつつ投げる問いは、どこか冗談めいて]
其んな物を持てる者は、手を伸ばしても届かずに苦しむだろうが――其れが人の幸せと云うのだろうね。
[仔猫はすやすやと眠る。眠る事こそ彼の目的とでも云うかの様に。]
正義ね。馬鹿馬鹿しい。
他人を殺してはいけません。皆仲良く遣りましょう。正しい道は此方です。
――何て言葉は聞くのも飽いたし、愚かしい。
其れこそが自分を満足させる物なのだから、愚か者には必要なのだろうよ。
[くつ、くつと哂いながら。
生きている者たちを眺め――]
其うだね。昔は屹度楽であったろうに。まァ、人だろうが人で無かろうが、命に変わりはあるまい。
大切にしろ――と、聖職者なら云うのかも知れないな。
[哀れみの目でもって、と、其れこそ嘲笑う。]
残した者が心配か。だが――お前を知るなら、其うされているのが判って、屹度強く生きるだろうよ。
…それはそれは、潔いことで。
[清々しい気分になったのかすこしだけ晴れやかな表情をしてから、ノブにも紅茶のグラスを。
仔猫を抱き上げて沈黙するマイルズには流石に少し遠慮するべきだと思ったのか、ティーワゴンの上の残り一つのグラスにはまだ注がれる様子はなく]
やァ。
闇に囚われなかった様だね。
否、其れとも囚われたか?
まァ、話せるのなら問題在るまい。
――尤も此処に居る時点で問題かも知れないがね。
さて、幸せの定義なんて、ヒトそれぞれ。
もっとも、わかった所で、どうにもならないけどね。
[眠る仔猫の温もりは、何か、思い起こさせるようではあるけど、それを表に出す事はなく]
正義という言葉だけを振りかざして、結局は自己正当化の免罪符にしてるだけに過ぎないんだけどねぇ……。
ま、それはそれ、と。
……聖職者って、オレが一番キライな職種なんだけどなあ?
[ふ、と笑う。碧は刹那冷たく、笑みは艶なるそれか]
……どうなのかね。
オレは、ただ……血をもらえれば、それで満足だったはずなんだけど。
[どこか、おかしくなったよな、と。
こぼれる笑みは、自嘲のそれ]
──、ええ。
…大丈夫ですよ。
[一瞬の沈黙の後、短く返る言葉。
視線を向けられている気配を悟りつつも、
己の視線は、抱え上げた猫へと向けられたまま]
/中/
まあ、いつものことですが。
やー、オレが堕ちると一気に墓が厚くなるわwww
はっはっは、最終日生存組、例によってすまぬwwww
フン。
潔いというよりは開き直りに近いさね。
[肩を竦めてグラスを傾ける。
通り抜けてゆく冷たさが疲れを多少なりと流すようで]
ああ、美味いネェ。
[小さく笑った]
…そうなんだよねー…。
序盤から薄々気付いては居たんだけど、
必然的に仕掛ける側と仕掛ける相手が減るんだよなぁ…。
後半に狼側の負担が大きくなるのは判ってたんだけど…
どうしたもんか。
幸せだと思えば其れが幸せなのだろうね。他の幸せなど確かに必要も無い。己が総てだね。
[ゆると瞬き見やる地上]
自分たちで気付かなければ、全く意味も無い事だ。其ういう者の事など考えても意味も無い。
――おや、其れは失敬。
[三日月がディーノににィと哂って]
聖職者はお前を哀れとでも云ったかい?
[くつくつ、其れは冷たさに反応したか]
好いじゃ無いか、体からでも。おかしくなるのも正常だろうよ。
結果が此れではお目出とうとも云え無いがね
[愉しげな三日月とは違い、ふわふわといた仔猫はディーノの腕の中。一度目を開けて、ナァと鳴いて。慰める様に顔を埋めた。]
おや。物は言い様ですよ、レディ?
開き直りという言葉よりは、潔いという言葉のほうが美しいではありませんか。
[グラスを僅かに傾ければ桃の香りを感じて。
ふと、桃は黄泉に縁のある果物だったと思い出せば墜ちた星々のことを思い出して、僅かに沈黙だけが残り]
……有難うございます。
[静かに微笑んで]
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