今回が初めて…。
そうよ、私エーリッヒさんとは楽しい思い出があるもの。
冬になって来てくれるの、ローザちゃんやイレーネちゃんのようにではないけれど、楽しみにしてたもの。
[そっと手を握ってみた。
生者のように温もりは伝えられないかもしれないが]
それに多分。私もあのままだったら、大差無かったわ。
役目も何も知らないまま、知ろうともしないまま闇雲に。
ユリアンが止めてくれなかったら、もっと早くそうなっていたかも。
[深く息を吐く。
今も左肩は僅かにだけど疼いている]
花も、生まれた時からあったわ。
エーリッヒさんをそんな風にしてしまったのは私なのかしら…。
[握っていた力が少し弱まってしまった]