─ 客間 ─
[広間でまた一話題出ていたとは露知らず、イヴァンは外に安置しておいた歌い手の遺体をシーツに包んだまま運び込んでいた。
赤から黒へと変化し始めている色に顔を顰めつつも、運び込んだ客間の床に遺体を安置する。
火の気のない部屋は外よりもやや寒さが和らぐ程度で、ほぼ変わりなしと言っても良い気温だった]
しばらくはこのままか…。
早いとこ出れるようになれば良いけど。
[何かが再び起こる前に橋を架けることが出来たなら。
そんな淡い期待が頭を過ぎる。
その期待が裏切られると知るのは、もう少し先のこと*]