[だとしたら、ライヒアルト取り乱さなかったのは本能だろうか。大切な同胞だったが、傍目には長い付き合いの幼馴染という間柄で夫と同じように取り乱せば、それは奇異に映るかも知れず。ぎゅっと、同胞の黒い毛を、手を握るように掴んだ。]……如何したい?[涙に濡れた顔のまま、問いかけたゲルダを見上げれば]………ゼルを、家につれて帰りたい。きちんと弔いたい、の。[離されたままの、愛した人の事を口にした。]