おうか、あのね。みずねえちゃか、ももおばちゃ、しらない?[問うも、姿無き娘から答えが返るはずもなく。]……しらないのかなぁ。じゃ、つかさと、ひょーまって、どこにいるか知らない?[その問いにも、童女が現れ答える様子はなかった。だが。]………ぁっ。[ぱたり、桜色に霞んだ視界に目を瞬かせると、すぐ傍に黒江の姿があった。]………くろえねえちゃ?[呼ぶと、黒江はほんの少し微笑んだようだった。]