アンタ、ムカつくんだよ。
殺したいほど憎いんだよ。
だから、目の前から消えてくれ。
[我儘のような言葉。
ハンチング帽のつばから覗いた瞳は憎悪に満ち、口元には歪んだ笑みが張り付く。
抜けないナイフを無理やり抜こうとしたか、諦めて距離を取ろうとしたのか。
離れようとする仕草を見せる男に、オレは右腕を突き出した。
左腕に刺さるサバイバルナイフのように圧縮させた空気が男の腹部を貫く。
それを差し込んだまま、オレは掻き回す様に腕を動かした。
肉が抉れ、潰れる気持ち悪い音が鳴る。
男の意識はどこまで保たれていたか。
最期の力だったのか、左腕に刺さっていたサバイバルナイフを回転させるように捩じられ、オレは流石に苦悶の表情を浮かべた]