─ 翌朝 ─[目が覚めた時間はいつもと同じ。身を起こし、引かれるように机の上の薔薇へと触れて]……え?[はらはらと、零れ落ちたのは黒いひかり。今までとは違ういろ。それと共に広がったのは]…………つき?[どこまでも広がる、鏡の如き氷の上。そこに降り注ぐ、あかいいろの、月明りと。それに照らされ佇む女性の姿]