……あ。[振り返った先に立つ女性の姿に、足元の黒猫が警戒するような声を上げる]おはよう、ございます。今、会いに行こうかと思ってました。……『月のいとし子』さん。[冷静な表情で言ったつもり、だったけれど。実際には、今にも泣きそうになっていた。それでも、蒼の瞳は揺らがぬ意志をそこに宿す]……かたき討ち、馬鹿と思わない、って言ってもらえたけど。…………でもやっぱり、馬鹿じゃないとできそうにないや。[でないと、きついから、と。ぽつり、零した少年が手に取るのは銀の短剣]