―ギュンターの屋敷・広間―
[黒猫との接触を試みていると、なにやら驚いたような、そして知っている声が聞こえて顔を上げ。そうして、姿を確認すると、その懐かしい姿に笑みが零れた。>>25]
イヴァンか?
そうそう、俺だよ。
いやぁ、本当に懐かしいっていうか、久しぶり。
ギュンターさんはご自分の部屋かもしれないな。
[仕事柄身についた丁寧な物言いも、旧知の相手であればすぐに崩れて昔の口調に戻る。
何よりこの村の人間の前で「私」というのは少し気恥ずかしい。
そうして、黒猫に声をかけるのにもう一度イヴァンを見て]
大工仕事の音が聞こえてたの、イヴァンだったのかい?
おじさんは一緒に来ていないの?
[なんて尋ねてみる。
相変わらず手は黒猫に向かって伸びたままだったけれど。**]