――。[ちっ。小さく舌打ち。男は誘導されている事に気付くも、誘導されざるを得ない。そのことに苛立ちを覚えたのか、それとも]まったく。本当にお前さんの相手は骨が折れる、なぁ![前に出していたカード…『正義』のカード。それの詠唱を始めようとしたが、声は直ぐに途切れた]…今更、この場に"平等"など求めてどうする。[小さく呟けば、もう一枚のカード…『ホイール・オブ・フォーチュン』を取りだした。追い込まれた長い通路。男は走り続ける。――飛び立つための、助走距離を取るために]