[鼓動を止めた旅人は相変わらず虚ろな瞳をしていたが、死の間際の表情はどこか安堵したような印象を受けた。
それに困惑を抱きながらも、今はユリアンを優先する。
彼の瞳もまた旅人と似たような虚ろさを抱いていた]
聞こえないって、本当に耳が…?
ユリアン、聞こえるか?
どうすりゃ良いんだ、こういう時…!
[聞こえないとなれば呼びかけは意味を成さない。
耳が駄目なら目を頼るしかないと考え、視線を一度オトフリート達へ]
何か書くもんねーか!?
[文字で意思疎通するために筆記具を求めた。
それからユリアンに対して自分の口を示しながら、ゆっくりと言葉を発してみる]