ほんにおなごはようけ分からん。
……次おなごばなってみぃかいのぅ。
[乙女の主張には溜息一つ。続いて呟かれた言葉は極々小さなもの。剣戟の音により聞き取ることは難しかっただろう。一番最初の『記憶』がそうなのではと言う突っ込みはきっと受け付けない]
[初撃は弾かれるも、二撃目が入り。仮面の奥で小さな笑みが浮かぶ。けれどすぐさま相手が宙へと舞い、現状では攻撃が届かなくなる]
かかか、ワシも出し惜しみして勝てるたぁ思うては居らんしのぅ。
[そう言って懐から取り出すのは『ザ・ムーン』のカード]
堕ちよ、『月闇の帳』。
[相手が使う前にカードは輝きを、否、漆黒なる闇を生み出し屋上全体を包み込もうとじわじわと広がって行く。フィールドへの干渉、闇は男の極彩色や白き面すらも覆い尽くしそうな勢いだ]
影と闇は似て非なるもの。
じゃが今なら同等として扱える。
さぁ、どぎゃんするね?
[相手を試すような口調。その間も闇は広がり、まずは男をすっぽりと覆い隠した。男を包み込んだ場所を中心に、闇は広がり、エリカをも飲み込もうと侵食して行く]