……蛍?
いえ、あんな所に蛍がいるはずがありませんね。幻覚でしょうか。
[歩き疲れた牧師は、ランタンの灯りに引き寄せられる蛾のように、ふらふら。
木の根元で、倒れた少女の姿を見つけます。
少女の顔を覗き込んで、すやすやと立てられる寝息を確認しました]
どうやら眠っているだけのようですね。
……どうしましょうか。
[牧師はしばらく悩んだ後、起こさないようにそぉっと少女を背中に抱えます。
女将さんの捜索は、一時中断。ゆらり、ゆらり、牧師の背中が揺り籠のように揺れます。
森の中にてんてんと続くパンの道を通って、村の宿屋へと向かったの*でした*]