人狼物語 ─幻夢─

103 氷面鏡に映る彩


修道士 ライヒアルト

― →三階廊下 ―

[廊下に出ると忙しなく鳴く黒猫の姿がある。
黒猫の気にする方へと足早に行けば
三階の一室――ギュンターの私室であったと記憶する其処に
人が集まるのがみえて、己もそちらへと向かう。

噎せ返るような血の匂いに、
白を嵌めた手の甲で鼻と口許を軽く押さえる。

昨日は外であり更には冷えた空気が嗅覚を鈍くさせていたが
今は、生々しきにおいに生理的な嫌悪が滲み眉間に皺がよる。]

 ――…っ、

[屋敷に響いた声の主、
此処に住まう黒猫が知らせ、
漂うこのにおいは、
この先にある部屋の主は、
朱き花、甘美なる、と幻燈歌にうたわれるが過り、血の気がひく。]

(55) 2017/01/16(Mon) 22:59:22

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