― 客間 ―
[案内された部屋を見て、使用人を振り返る]
いいのですか?このような立派な部屋を使わせていただいても。
[思わずそう言ってしまうほどに整えられた部屋に驚いて。
それに対して使用人は慣れたように言う。
「お客様はみな平等に、というのが旦那様のお考えなんですよ」と。
今までにも、多くの家に一夜の宿を借りた事はあったが、彼の様な旅人を見下す者も多かったから、こういう扱いは新鮮で、慣れていなくて]
ありがとうございます。では、暫くの間使わせていただきます。
[そう言って軽く礼をして、部屋の中に荷物を置いて]
それでは、お忙しいとは思いますが書庫の場所を教えていただけますか?
[相手も自分の仕事があるだろうから、雑事は早めに済ませてしまおうと声を掛け
これもまた快く引き受けてくれた相手の後をついて、書庫へと]
― 広間→書庫 ―