…その想いは、貴方が、小父様のこと──…おじいさまのこと、本当に大切だった証拠、でしょう。だから。馬鹿みたいなんて、思ったりしないわ。[少年の笑う声は、どこか遠くにあるようで。女が重ねる言葉が、彼に届いているかもわからないけれど]それが、貴方の選んだ答えなら。誰も、馬鹿だなんて、言わないと思う。[女自身抱いている思いを少年へと伝えたけれど。駆け出してテラスから離れていった彼の耳に、どれだけ届けられただろう。残された女は一人、暫しの間この場所から動くことなく立ち尽した*]