―廃墟―
そんな余裕はありません。
どこまでもつのか分からない。
[小さな笑い声に応えるのは冷ややかな声。
思い浮かべるのは孤児となった後庇護してくれた人。
今は氷の中で昏々と眠る豹の姿]
長引かせても無駄でしょう?
そちらの一撃を食らうと消耗が半端なさそうですし。
[相手からも近づいてくれば空色は縦に細まった。
間合いに入る直前、強く足元を蹴る。それほど高くない跳躍。
引かれた右腕の上を抜けようとしながら、その肩を薙ぐように鋭い爪を伸ばした左手を振り下ろした。
細められた空色は左腕も警戒して視界の端に]