[エルゼ、と。確か昔はそう呼んでいたこともあった。
十頃だったか、年齢の記憶は定かでないけれど、「僕」が「わたし」だった頃。
文句を言われたことも覚えているけれど、結局のところ、現時点までずっとエルザと呼んでいることが物語っている。
ぶつぶつ言われる文句は聞き流して、ひらひらと見送りに手を振った]
エーファとエーリッヒは座っていて良いよ。特にエーリッヒ。
倒れたりされたら面倒だから、そこに座ってる。
安心して、はなから力をあてにはしてないよ。
[勿論、エーリッヒを男手には数えていないわけだった]
下手をしたら僕より力がないだろう、君は。