人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


修道士 ライヒアルト

何かあると疑われるんだよな、結局。
ここで暮らした年月の方がずっと長くなったってのに。

[旅楽師だった父親が病に倒れて村で死んだのはまだ7つの頃。
物心ついてからずっと父子二人旅で、この地方に来たのも初めての年。孤児院に入れてもらったあの時から13年を数えようとしている]

司祭様。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
自衛団から疑いを向けられてしまいまして…

[小振りの鞄と同じ大きさの楽器ケースを持って礼拝堂に向かった。飴色の弦楽器は父親の形見であり心の拠所だ]

……はい?
何でナータが。

[説明しようとするのを制されて、逆にシスターも呼ばれて向かったことを教えられた。ぽかんとして聞き返しても、苦悩の表情で首を振られただけだった。深い溜息が二つ重なった]

(70) 2011/01/06(Thu) 20:48:21

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