こわかったあのひと?[次いで紡がれた言葉に僕は疑問を声に乗せて首を傾いだ]オリガ、誰が『鬼』か分かるの?[まるでジラントだ、と心中で思う。ふつ、と羨望が心に現れるけれど、あの時ほど感情は渦巻かない。多分、相手がオリガだからだろう。オリガの言葉が誰を指すのか、推測出来ないのもさることながら、僕はそれが既に死した人であることすら*知らなかった*]