―― 生徒会室 ――
「正しいと思って」……?
[問われて、目を上げる。少し茫洋としたところのある目。
言葉を続ける前に、露島先輩の腕が自分に回されて。
抱きしめられる]
[異性からこうして触れられるのをどれだけ望んでいたことか。
けれど、これはとても怖くて、違和感ばかりで。
ぴくんと体が固くなる。
私の制服の、取りきれていない血。血を拭うためにかけた、凍るように冷たい水。それらが露島先輩にも移っていくのが分かった]
[慰めの言葉を聞く]
……正しいって、何ですか
[正直、狼だと思って殺したわけじゃなかった。
ダミーなのに死んでない学長。高峰とかいう人が死んだ頃で、私たちがそれを確認する前から急に様子がおかしくなった森先輩。この2人は吊る気はなかった。だって、狼に媚を売るための吊りだったから]