― 玄関 ―
[突然開いた扉に、びっくりした。
目をぱちぱち、と何度も瞬いてから、バスケットを持っていない手でスカートを摘んでお辞儀する]
ヒューバートおじさま、驚きました。
はい、ウェンディです。お久しぶりです。
神父さまはお忙しいから、わたしがご本をお届けに来ました。
アーヴァインおじさまへの贈り物と、ソフィーおにいさまへのプレゼントも、預かっています。
……もうレディだから、一人でだって来れます。
[ぷ、と少しだけ頬が膨れて口を尖らせて。
子供っぽい仕草だと自分で気付いてか、慌てて首を振る。
一人で来ると言うには、つり橋も渡れなかったのだから少し甘い。
そうと知っているケネスに、内緒にしてほしいな、なんて縋るような視線を向け。
中へと促されて、ケネスおじさまが先に、なんて言ったりもする**]