― 広間 ―
[本に目を落としてどれだけの時間が過ぎたか
小さく遠慮がちに零された声と気配>>101に顔を上げて。
初めて見るその姿、申し訳なさげに向けられた挨拶にこちらも会釈を返して]
どうかお気になさらず。
他にやる事がないだけですし、ちょうど読み終えるところでしたから。
本当に、ここの蔵書は興味深い……と
[そこまで言って、思い出したように姿勢を正して]
初対面の方に失礼を…
私、ユージーン・グレイナーと申します。
旅の途中で麓の村に立ち寄った際、こちらの事を聞いて寄らせていただきました。
[そう言って、改めて頭を下げた]