[パソコン室においてあった箒とちりとりを使って床に散らばる硝子を集めたものの。
通常ならこのまま外の専用ゴミ捨て場に持って行くのだけれど、今は外には出れないからどこに捨てればいいのか解らなくて。
頭の片隅で、いつ殺されるのかも解らないのにこんなことで悩むのもバカみたいなんて思いもしながら、それでも考えてしまうのは性分で。
とりあえずちりとりに入れたままパソコン室に戻り、それを部屋の隅邪魔にならぬところにおいておくことにした。
桜子が大丈夫そうなら水を汲んでこよう、と思ったが、ふと手を拭いている桜子が難儀しているのが見えて。]
桜子ちゃん、ちょっとハンカチ貸してくれる?
私今からお水汲んでくるから、一緒にそれ濡らしてくるよ。
[そう言って彼女のハンカチを受け取ると、机の上のコップも持ち部屋を出ようとして。
何かあった時身を守れるものが何もないのに気付いた。]