[水差しの水で顔を洗うと、さっぱりしたふうに微笑んだ。その顔色が昨日よりも明るくなっていることに、イヴァンは気づいただろうか。] ……あ、そうだった、夢の話。 演奏会のあった夜から、ずっと同じ夢を見ていて。 自分が寝る前に思い出すせいもあるのかな…。 夜でね。 満月に照らされて、雪の上は青く見えた。 積もった雪そのものが青いんじゃなくて…そういう色に見えているという意味で。[問われるまま、夢について語り始める。]