…それ、自分も含まれてるって自覚あるー…?
[律儀にも返って来た言葉に、何度目かも判らない溜息を零す。
ゆっくりと歩みを進める相手へ追いつこうと、桜を通り過ぎようとして。
ふと、横たわる身体が視界の端に入って、ふと足を止める。
…数日前に見かけただけの、]
…名前も知んないや。
[静かに歩み寄って、傍らへとしゃがみ込む。
薄い口唇から伝う紅の滴を、パーカーの裾で擦るように拭って。]
──ちょっと、痛いかも。
[痛かったらゴメンナサイ、と短く謝罪を述べて。
空ろになった胸部へ、右手を添えるように宛がった。
何となくだけれども。どうすれば良いかは、判る。
パリ、と空気の鳴る音が微かに響いて。
火花にも似た小さな光と共に小さく、言を唱え]